よくある「リスク」のとらえ方は危険

公開日:2015/11/16

更新日:2019/04/16


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

経営の戦略や計画を立てる際、
「リスク」について議論することが必ずあります。

で、「リスク」って何でしょうか?

多くの方が考えているリスクとは、
「損失や被害やその他望ましくない出来事が起こる可能性」のこと。

「そうそう、望ましく状況が発生する可能性を考えて、
対策を講じて置くわけだよね。」
と考える方が少なくありません。

そうですね。

「○○商品のリリースが遅れると、
売上げが予算に達成しないリスクを抱えます。」

「要員の採用が間に合わないと、
協力会社への委託費用が増大するリスクがあります。」

多くの場合、このようにリスクを考えています。

でもですね、
それでは「リスク」のとらえ方は50点です。

 

「今月は売上げが予算の1.3倍でした!」

「お客様からのコンタクトが予定の倍ありました!」

一見よいことに見える状況が、
実際にはリスクに相当するかもしれないからです。

例えば、0.3倍増えている売上げは、
来月分を先に獲得してしまったのかもしれません。

来月の売上げ予算達成のためには、
想定していたものより、
もっとたくさん契約をとってこなければなりません。

それは今の営業の体制と状態で、可能なのでしょうか?

例えば、増加したお客様からのコンタクトに、
今までと同様に、遅れることなく対応できているのでしょうか?

今の体制で問題ないのでしょうか?
遅れが出て、お客様に迷惑が
かかっていることはないのでしょうか?

リスクとは「不確実性」と同義です。

良い結果と悪い結果の双方について、
その事象の発生可能性が不確実であることを
「リスク」といいます。

一見よい結果であっても、
それは、リスクを抱えている可能性があるということです。

「企業が将来生み出す収益に対して
影響を与えると考えられる事象発生の不確実性」
を「リスク」として定義づけてください。
(リスク新時代の内部統制〜リスクマネジメントと一体となって機能する内部統制の指針〜
第二部 II.1.リスクマネジメントのあり方
平成15年6月 経済産業省リスク管理・内部統制に関する研究会 より)

 

「リスク」を考える際に重要なことは、次の3点です。。

1.「リスク」の発生と影響は、時間軸で見る。

リスクが発生するという「点」ではなく、
リスクが発生した後まで含む「線(時間軸)」のなかで検討するべきものです。

上述の売上やお客様のコンタクトの例のように、
その瞬間は良いことが、
時間を進めてみるとマイナスになる場合があります。

その逆に、発生の瞬間は大きなマイナスでも、
将来的にプラスになることもあります。

リスクが発生した瞬間ではなく、
その後の処理、対応まで含めて、プラスのリスクなのか、
マイナスのリスクなのかを判断する感覚が必要です。

 

2.良い事も悪い事も、不確実の度合いで評価する

将来のことだから全てがリスクになります。
だれも将来の起こる事象の確実性は保障できないからです。

ということは、
発生する不確実の度合いが高い事象が「リスク」
として考える対象になります。

発生する可能性をどうやって把握するのか。
これがリスクを捉える重要な指標になります。

 

3.企業の将来収益に影響する

将来の収益に関係することが、
「リスク」としての重要度が高いです。

特に、リスクを点ではなく、時間という「線」で捉えると、
自然に、発生時点では良い事象であっても、
将来的にリスクと意識するようになり、さらに収益への影響を考えるようになります。

多くの場合、悪い発生事象ばかりをリスクと捕らえることが少なくありませんが、
実際には、それだけでは、却って経営上、危険になりかねません。

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