「強み」「弱み」を経営戦略で活用するポイント

公開日:2018/09/12

更新日:2018/09/19


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

経営戦略について調べていると、
必ず出てくる言葉が「強み」「弱み」。

  • 「強み」の把握
  • 「強み」の分析
  • 「強み」に経営資源を集中
  • 「強み」を活かし「弱みを補強

などなど頻繁に使われることも少なくありません。

経営戦略で「強み」「弱み」を活用し、
成果・結果に繋げるための、
大切なポイント
見落とされてきたポイント
をご紹介します。

経営戦略で「強み」「弱み」の基準

戦略を策定する際には、
SWOT分析などでは、
強みを把握するとされています。

参考)強み、弱みを使う「SWOT分析」手法は経営戦略に効果がない!?

経営資源を集中するところは、
「強み」の領域とされています。

経営、経営戦略では、
「強み」を活かすことが成果を出すポイント
経営戦略の根幹をなす考え方
とされます。

あなたは、経営戦略において、
どのような観点から「強み」と判定するのか、
明快に説明できるでしょうか?

 

なにをもって、どのような観点から、
「強み」と判断するか、については、
実際のところ一切説明されていません。

「これが強みだ!」と選び出すのは、
分析者、検討している人の主観
その人に考えでおこなわれている。

これが実態です。

そして、社内の多くの人が賛同すると、
その時点で、自社の強みになる。
あるいは、自社の弱みになる。

このようにして、
戦略を検討するときには、
「強み」「弱み」は扱われていることが、
実際にはとても多いでしょう。

経営戦略での「強み」「弱み」の評価

強み(と弱み)をSWOT分析で使う
強みを活かす
強みは経営戦略の基本

この様な表現は、
それは多くのサイトに記載されています。

しかし、
なにを持ってその事象を「強み」と評価するのか、
について明確に説明しているサイト、
説明しているものはありません。

主観で「これは当社の強みだ」と
判断しているから。
それが当たり前に行われているからです。

あるいは、
就活などで使われる「強み」の一般的な解説、

「できてしまうこと」または「(いつのまにか)なってしまうこと」です。
言い換えると「他の人には難しいけど、自分には簡単にできること」です。
参照:強み発掘ワークショップ

の中身を、
経営戦略でもそのまま同じように
用いているからなのでしょう。

いや、一つだけ見つけました。

かなり昔の記事なのですが、
メルマガ「経営戦略考」のバックナンバーの記事です。

そこでは、
トルシエ監督時代のサッカー全日本代表(懐かしいかなぁ)
の対フランス戦における中村俊介の起用を元にして、
強みについて記載していました。

ライバルとの比較で本当に「強み」と言えるかどうかを
冷静に吟味しなければならない。」
(上記バックナンバーから引用)

とあります。

これは的を射ています。

「強み」「弱み」は絶対評価、
ではないからです。

「強み」「弱み」を評価する際には、
比較の対象が必ず必要です。

「強み」「弱み」は、
相手があった上での相対評価です。

「強み」「弱み」は変わる

例えば。

あなたが野球やサッカーが上手で、
所属しているチームのレギュラー
だったとしましょう。

野球やサッカーを
ほとんどやったことのない人と比べると、

あなたのテクニックは素晴らしく、
あなたにとっての「強み」
と考えることができます。

一方、プロと比べたら、
どうなるでしょうか。

今のあなたのテクニックは、
「強み」になることはないでしょう。

逆に、そのテクニックが、
邪魔をしているということも、
考えらる場合があるかもしれません。

「強み」から一転、
「弱み」となってしまうことも、
ありえないわけではないのです。

相手が替わると、
「強み」が「弱み」になることも、
「弱み」が「強み」になることも、
当たり前に起こりうるのです。

経営戦略で「強み」「弱み」が未活用!?

同じことがビジネス、
経営、事業でも当てはまります。

経営戦略において、
比較の対象は「競合企業」になるでしょう。

比較対象である「競合企業」と比べて、
自社が圧倒的に優位である、優れている、
という事象が「強み」です。

ということは。

「強み」を議論するときには、
どのライバル・競合と比較しているか!
ということが、
明示されていなければなりません。

相対評価なので、
比較する対象が変われば、
当然、強み、弱みが変化するからです。

当然のことですよね。

実際のところはどうでしょうか?

SWOT分析にせよ、戦略の策定にせよ、
「強み」を議論する際に、
比較対象の競合企業を明示しているでしょうか。

多くの場合が、
”暗黙の了解”として扱っています。

同じ競合を対象にして、
「強い」「弱い」を評価しているのか、
考えているのか、
となると怪しいものです。

比較対象が、
1社なのか複数社なのか。

これもはっきりしていません。

実態は、
相手を明らかにしているとは、
お世辞にも言えない状況です。

経営戦略を考える際に、
「強み」「弱み」が大切だ、なのですが、
実際には、全く使えていない状況。

競合相手を明らかにして、
それに対して、

何が、どこが「強み」
どの部分が「弱み」

の観点を洗いださないと、
「強み」「弱み」を
活用することはできません。

現状は、「強み」「弱み」が、
経営戦略に活かされていない、
という状況にあると、
考えることができます。

経営戦略での「強み」「弱み」のとらえ方

競合と比べて、
「強み」が洗い出されたました。

経営戦略を考えるときに、
全て「強み」として扱えるでしょうか?

同じように、
「強み」ではない事項は、
全部「弱み」に当たる。

このように考えれば、
「強み」に対して、
「弱み」を適切に把握できるでしょうか。

そんなに簡単でも無いと考えています。

「強み」と認識できたとしても、
それが事業の収益増加、
事業の成長に寄与しているのか、
という点が重要です。

競合から比べてどんなに優れていて、
「強み」であったとしても、

それが事業にプラスに働いているから、
「強み」になります。

その「強み」をさらに伸ばし、
「強く」するから、
事業が成長していくわけですから。

「「強み」が事業に寄与しない、
なんてことはありえない」と、
あなたは思うかもしれませんが、
思い込んでいることも少なくありません。

競合からは「強み」でも、
あなたの事業に「強み」として働くとは、
限らないものです。

 

この傾向が顕著に現れるのは、
「弱み」に関してでしょう。

「強み」に該当しない事項は、
一度「弱み」として洗い出す。
このアプローチは適切だと思います。

一度「弱み」に区分された中で、
本当にあなたの事業にとっての「弱み」
を洗い出す必要があります。

「強み」以外が、
全てあなたの事業の「弱み」、
というのは、

「弱み」がとても多くなってしまう
という状況に陥りかねないからです。

経営戦略なのに、
あまりに乱暴な区分だと思います。

焦点を当てなければならない「弱み」は、

あなたの事業に対して、
マイナスに働く事象

です。

対象となる競合と比べた際に、
明らかに劣っていて、
かつ、
あなたの事業にマイナス事業をもたらすもの

があなたの事業の「弱み」に相当します。

ということは、
「強み」に当てはまらないので、
「弱み」に一度は入れられた事象であっても、

事業の収益や成長にマイナスに働かないのならば、
「弱み」にする必要がないのです。

参考:強み、弱みを経営戦略で使う時に見逃している点

まとめ:経営戦略で「強み」「弱み」を活かすには

経営戦略を考える際に重要になる、
あなたの事業の「強み」「弱み」。

これを明らかにする際の、
「強み」「弱み」の
とらえ方のポイントをお伝えしました。

この観点で、
「強み」「弱み」をとらえていることは、
実際には多くはないです。

ほとんどできていないでしょう。

「強み」「弱み」を把握することは、
本日の内容から明らかなように、
かなり手間暇がかかる調査と作業になります。

そこまで、
時間と労力をかけるだけの人的資源を、
通常は持ち合わせていないからです。

しかし。

経営戦略で、
「強み」「弱み」を本当に活用するためには、

  • 「強み」「弱み」は対象があった上での相対評価であること
  • どこを相手にするかで、「強み」「弱み」が変わること
  • 競合を明らかにした上で「強み」「弱み」を議論する必要があること
  • 「強み」は、競合から「強い」かつ、事業の収益、成長にプラスに働くものを選ぶ
  • 「弱み」は、競合から「弱い」かつ、事業の収益、成長にマイナスに働くものを選ぶ

この観点で、「強み」「弱み」をとらえ、
活用することが、
経営戦略では重要になります。

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