事業承継する理由を明らかにする

公開日:2015/06/10

更新日:2019/04/15


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

事業承継をする後継者がいる。

息子、婿、娘、親族の誰か。
あるいは、役員、従業員。

事業承継をする社長・経営者のあなたは、
後継者のことをわかっているでしょうか?

何年も、あなたの会社で、
後継者はあなたと一緒に働いてきた。

仕事のやり方、会議での意見も、いろいろ聞いてきた。

だから、後継者の考えることは、
よくわかる。わかっている。
だからこそ、後継者にしようと思ったのだし。

とあなたは考えているかもしれません。

 

では、、、

なぜ彼・彼女は、
あなたの事業を継ぐことにしたのかご存知でしょうか?

経営者・社長のあなたは、スパッと答えられるでしょうか?

意外に答えられないものではありませんか?

答えられたとしても、
それが後継者の本心なのか、
あなたは自信をもって言えるでしょうか?

  • もしかしたら、あなたの度重なる説得に屈したのでは?
  • あるいは、あなたの体調が芳しくないから?
  • それとも、会社・事業に魅力を感じたからでしょうか?
  • この事業はやる必要があると考え方からでしょうか?
  • 後継者自身がこの事業をやっていて、面白いと感じているからでしょうか?

あなたの後継者は、
事業を継いでどうしたいと考えているのでしょうか?
将来、どんな会社、どんな事業にしようと考えているのでしょうか?

あなたが今まで築き上げてきた、
今の事業のやり方、会社の状況を、
そのまま継いで欲しいとあなたは考えているかもしれません。

しかし、、、

説得されて継ぐことになった彼・彼女は、
そんなことは考えていないかもしれません。

描いている将来の姿は、
あなたの考えと全く異なっているかもしれません。

今の事業とは別に、
後継者がやりたい事業があるのかもしれません。
それを展開することを考えて、
とりあえず今の会社を継ぐのかもしません。

どんなに長い間あなたと一緒に仕事をしていようと、
後継者が近しい親族であろうと、
後継者が考えていることは、
はっきりとあなたはわかっていないものです。

わかっていたと思っていても、
それはあなたの思い込みかもしれません。

 

うまくいかなかった事例を、
実話として教えて頂くことがあります。

長い年月、一緒に仕事をしてきた息子に、
老舗の会社の事業承継をしました。

親子の仲は悪くはありませんでした。
事業承継を迎えて、
親子の確執のようなものは一切ありませんでした。

順当に事業承継が行われました。
父親は社長から会長に就任。

地元の名士だったこともあって、
父親は対外的な面を受け持つことになり、
後継者の息子が経営と事業をおこなうことに。

実際に事業を始めると、、、

後継者の息子は、本業はうわの空で、
今までとは違う事業にどんどん手を出し展開。

最初は順調に見えたのですが、
結局うまくいかずに失敗。

負債を背負いこんで、
本業にも影響が及ぶようになりました。

そして父親が代々継いできた老舗の会社を、
他に売却せざるおえなくなりました。

代々継いできた親と息子には、
何も残りませんでした。

社長の父親は、後継者の息子のことを、
よくわかっていると思っていました。

親子の対立も、経営者と後継者の確執も、
事業承継時の争いもありませんでした。

しかし、うまくいきませんでした。

社長は、事業承継をすれば、
息子が本業に取り組むと思っていたからです。

それは、当然、
後継者の息子もわかっている、
と信じて疑っていませんでした。

現実は全く違っていたんです。

後継者は、本業をやろうなんて、
ちっとも思っていませんでした。

老舗だから、
番頭役の古参社員がいればなんとでもなる、
と甘く考えていました。

後継者にには他にやりたい事業があって、
なにしろそれをやりたかった。

だから、事業承継をすれば、
自分のやりたい事業がやりやすくなる、
ということで後継者になったのです。

実際には、そんなに経営も事業も、
甘くはなかったわけです。

 

こんなことが当たり前のように起こります。

それもこれも、
後継者のことはわかっている、という
経営者・社長の思い込みがあるからです。

事業承継をする理由を、
後継者からよく聞き出してください。

事業承継をしたのち、
どのような経営を行い、
どのような事業にするのか、
よく考えを聞き出してください。

事業承継のこと、会社のこれから、
事業の将来について、
経営者・社長と後継者で、
何を考えているのか話し合いましょう。

事例の老舗会社の話でもわかる通り、
事業承継をした後を考えると、
このことがとても重要だからです。

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