OJTで人は育たない!:人の採用と育成(13)

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

人の採用と育成に関するシリーズの
今回は第13回目です。

今まで採用に重点を置いて
あなたと内容を共有してきました。

人に関するもう一つの側面、
人の育成について
今回からあなたと共有します。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:12分40秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

 

ありません

社長、経営者の方が
社員に対して抱く問題・課題の一つは、

  • 社員が育たない
  • 社員が成長しない
  • 社員が自分から考えない

といったことです。

これらを解消するために、

社内で研修などをする、
外部の研修受講を率先する
などにより、
「社員を育て成長させる」
ことを行います。

外部を活用することは、
時間と費用の観点から、
選択肢としてはありますが、
積極的に取り組むことは
多くはないでしょう。

社内で研修などの時間を設けることも、
教える社員への負荷、
業務への対応を考えると、
なかなかできることではありません。

その結果、多くの場合、
育成するための研修などの時間が
割かれることはありません。

 

ダメです!

その代わりに
業務をやりながら教え、
身につけるOJT(オン ザ ジョブ トレーニング)が
多くの場合取り入れられます。

職場の上司・先輩が、
その社員に必要な知識・技能・仕事への
取り組みなどを
実際の日常の仕事・業務を通じて教える
教育、育成、研修方法のことです。

職場内訓練とも言われています。

このOJTに対して、
仕事の場を離れて行う
人材育成(能力開発)を、

OFF-JT
(オフ ザ ジョブ トレーニング)
のように呼びます。

OFF-JTとOJTはセットになる
社員の育成の方法です。

しかし、OJTは語られても、
セットのもう一方、
OFF-JTについては
ほとんど語られることがありません。

不思議なことです。(笑)

とはいえ、今回は
話をOJTに戻しましょう。

このOJT。

あなはた、よくご存じでしょう。
実際に取り入れ
実施してる会社も少なくありません。

あるサービス業の経営者の方、社長から
OJTは、やる効果があるのか?
との質問をいただいたことがあります。

実際にOJTをやっていらっしゃるのですが、
効果があるならば続けたいし、
よりよくしようと考えている
とのことでした。

このような質問がある、
ということは、
OJTをやっているけれど
思うような効果を感じていない
ということなのでしょう。

この質問への答えは、

いづれにせよ、OJTは、
社員を育成する方法のひとつです。

ただし、
あくまで育成、研修方法のひとつ
にすぎません。

なんでもかんでも「OJTでOK!」
というわけにはいきません。

うまく適用できる場合もあれば、
実は不適切な場合もあります。

OJTは適不適があるので、
よく見極めて、
他の研修方法も考慮して
行うことが必要です

となります。

以上!終了!

・・・

とは、いかないです。

ハッキリ最初に言ってしまいますが、
「OJTをやってはダメ!」です。

「OJTは、
社員の人材育成には使えません!」

 

OJTが原因だ!

OJTは、新入社員教育の際に、
多くの時間が割かれますし、
中途採用者の場合は、
入った途端にOJTです。

この状況なのですが、
ほとんどの会社では、
OJT研修をやってはいけません!

OJT研修は効果がありません!

なぜでしょうか???

OJTをやることが、
あなたの会社をダメにしていくからです!

あるサービス業の会社の実例です。

ズーッとOJTをやってきました。
OJT研修の名目で
社員を育成してきました。

最近この会社で、
どの様な状況が発生しているでしょうか?

例えば。

仕入れのルールに沿わない形で、
いつのまにか物品が仕入れられています。

お客様との商談内容を記載する
シートがあるのですが、
記入内容が人によりバラバラです。

シートの回覧先が、
担当営業によってバラバラ。
見た、見ないと現場での言いあいが、
しょっちゅう起こっています。

対応漏れや言った言わない騒動が、
毎日のように起きています。

その結果、

お客様からのクレームが増えています。

「アレだけ言っておいたのに!」と
お客様から叱られることが増えています。

サービスを提供する段階で漏れが発覚し、
現場での応対が大騒ぎになることが
頻発しています。

これらの状況は、
好ましい状況、適切な状態とは
お世辞にもいえません。

「この会社の今の状況を
引き起こした原因が、
この会社でのOJTにある!」
と言ったら、
あなたはどのように感じるでしょうか?

「そんなバカな!」と思うでしょうか?

 

OJTには意味がない!

OJT行うと、
現場の実務で必要な知識や技能を
教えることになります。

ということは、

実務で必要な知識や技能が標準化され、
日頃からそれに沿って実務が行われていること。

OJTの対象となっている業務について、
現場の社員の誰もが、
同じ知識と同じ技能を持っていること。

これがOJTをおこなう最低限の状況です。

OJTを行うための前提です。

この状態であれば、
現場業務ができるようにする、
それにより社員を育成する、
というOJT本来の目的が達成できます。

それを実現している例が、
あなたもよくご存じの、
マクドナルドのマニュアルでしょう。

店舗スタッフ向けの、
ぶ厚い作業マニュアルが整備され、
それに沿って教え込まれるならば、

最低限の業務知識と技能を、
短期間で身に付けることが可能です。

「マニュアル化の弊害、均質化だ」
と言われながら、

しかし、

マクドナルドの店頭対応は、
「断然凄い!ダントツ!」
とは言えないけれど、

「充分満足」の対応を、
どのスタッフもしてくれます。

マクドナルドの店舗スタッフは、
一応、一定のレベルはクリアしています。

一方、あなたの社員はどうでしょうか?

全員が一定のレベルを
クリアして業務を行っているでしょうか?

 

前提が整っていません!

あなたの会社では、
マクドナルドとは同じ
とは言わないまでも、

業務・作業・仕事に関する
マニュアルは整備されていますか?

マニュアルがなくても良いです。

マニュアルを整備することは、
実際には容易なことではありませんから。

マニュアルがなかったとしても、
作業が標準化されていて、
誰もが同じ作業手順で
同じ作業が行われているでしょうか?

如何ですか?

すべてを教える社員から口頭で伝えて、
教わる社員がメモをして身につける、
という会社は少なくありません。

実際のところ、
業務が標準化されていることは
多くはありません。

社員が同じプロセス、
同じ手順でやっているとは限りません。

この様な会社の方が
実際には多いです。

今まで私はこれでやってきたから、
このやり方で合っている
とある社員は思っている。

OJTだから、自分のやって来たこと、
知っていることを教えている、
というだけです。

ルールはあるけれど、
こちらでやった方が楽で簡単だし、
それでできてしまう。
それを教えているだけ。

例え以前、マニュアルがあったとしても、
やり方が変わっても修正していない。
今更、それを元に教えても、
内容がいまのやり方にあっていないから、
教えることには使えない。

この様な状況です。

残念なことですが、
OJTを実施する前提が
全く整っていない状況です。

 

OJTで人は育たない

OJTをおこなっても、
人が育つことはありません。

あなたの会社の業務を身につけ、
それで成果を出すことには
必ずしもつながりません。

こんな状況の会社、
実はゴロゴロしています。

大企業や上場企業でも、
たくさんあります。

前提が整わない状況で
OJTを進めれば、
どうなるでしょうか?

育成をしているようで、
不適切なことを
教え込んでいる状況です。

仕事を一定のレベル以上で
できる様にしようとしているのに、
仕事の質を劣化させるだけです。

OJTによって人材育成ができると
安易に考えてはダメです。

OJTをやれば社員の育成ができる、
とは考えないことです。

OJTをやるためには
整えておく前提があります。

その前提が整わない状況で
OJTを行うことは、
社員の育成にはまったくつながりません。

返って、業務に支障をもたらすだけです。

その点をよく覚えておいてください。

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