「任せる」のは簡単じゃない:社長の経営講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

社員、部下を育てるには、
仕事を任せてやらせることだ、
と言われることが少なくありません。

責任をもたせるためにも
本人に任せた方が良い
ということも言われます。

子供に任せることも
同じように考えることができます。

今回は、「人に任せること」について、

すなわち、
社員や部下に任せる。
子供に任せる。

この「任せる」ことのやり方、
実践の方法についてあなたと共有します。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:12分28秒)

「 彼に任せているから」

社員、部下を育てるには、
子供に責任感を持たせるためには、
任せることが重要と言われます。

そこで社員、部下に任せるのですが、
上手く社員が伸びたのだろうか?
責任を持つ様になったのだろうか?
ということを考えると、
なかなかその様にはなりません。

なぜ仕事を任せているのに、
結果として、社員は育たないし、
責任を持つ様にならないのでしょうか?

なぜなら。

「任せること」は、
思っているほど簡単ではないからです。

任せているはずが、
実際には任せていないからです。

部下や社員に任せるとなると、
任せた件について話があれば、

社長、経営者のあなたがわかった、
わかっていたとしても、

「その件は彼に任せているから」と、
その社員や部下に
話を振る様にするでしょう。

例え、社長、経営者のあなたが
わかったとしても、
あなたがその中身に触れることは
避けるでしょう。

任せた社員、部下に、
対応をさせるでしょう。

しかし、何でも自由に
やらせるわけではないですし、
進み具合も気になるので、
報告はさせるでしょう。

報告をさせるこの時に
任せた側が多くの場合、
不適切な対応、
誤った対応をしてしまいます。

その結果、任せたのに、
その社員、部下は成長ができないし、
責任感が増すこともありません。

任せた社員、部下からの
報告がされる際に、
どの様な対応が不適切なのでしょうか?

足りない、できていない

任せた部下、社員から、
任せた件について報告がされます。

その報告内容に対して、
社長、経営者のあなた、上司であるあなたが
「あれが足りない」
「あれができていない」
との発言をすることです。

社長、経営者、
あるいは上司であるあなたが、
報告した内容の良し悪し、
過不足を指摘する事が
適切ではない対応なのです。

報告内容を聴くと、
任せた社長、経営者、上司のあなたは、
想定していた内容より
足りていないことに気づくとか、

期待した内容に満ちていない
などと思えるので、

任せた彼にとっても善かれ
と思って指摘をするのでしょう。

しかし。

この様な発言そのものが、
その人に任せている事を
否定している事になります。


任せているのだから

任せているのですから
どの様な内容を
どの様なやり方で進め、
どの様な結果を得るのか。

その結果をどの様に評価するのか。

結果、その評価から次にどうするのか。

どれもこれも任された社員、
部下、その人自身が考え、
その人自身が決定する事です。

何が足りているのかも、
何が足りていないのかも、
任された人が考え、決める事です。

まだ実施している途中での報告で、
任されている人以外の第三者が
とやかくいう事ではありません。

ましてや、
任せた本人の社長、経営者、
上司のあなたが
この様な事を発言すると、

「あぁ、本当のところは
 私に任されていたわけではなかった」
とその社員、部下は感じる様になります。

なぜなら。

もうすでにあなたもお分かりように、
任せた内容を任せたあなたが、

「あれが足りない」、
「これができていない」と
指摘をすることで、

任せた事実を
あなた自身がくつがえして
しまっているからです。

あなたができることは

任せた社員、部下から
ヘルプの信号があって、

それに基づいて、
「どの部分で困っているのか」
「どの点で手助けが必要なのか」
をその部下、社員に尋ねた上で、

それに対してアドバイスをする、
というのならばわかります。

任せた社員、部下が
求めたことなので、
そこに力を貸すことは必要なことです。

しかし。

多くの場合、
いや、ほとんどの場合、

社員や部下に任せたのにも関わらず、
途中の報告段階で、
「あーだこーだ」と指摘をして、
中身の再検討や追加検討を
社長、経営者、上司のあなたが
指摘することは適切ではないのです。

任せたのならば、
報告内容を聞いた時には、
指摘ではなく、質問をするだけです。

あなたの理解を深めるために、
「この点をもっと詳しく説明してくれ」とか、
「これはこのような意味なのか」とか、
「この部分をどうするのか教えて欲しい」
というような質問をするだけです。

その回答があなたの考え、
意見に沿わなかったとしても、

あなたの考えと違う内容であり、
今後も異なる方向に進む様に思えたとしても、
その点を社長、経営者、上司のあなたの権限、
地位による権力で、
変えることはしてはいけません。

なぜなら。

あなたがその件に関しては、
その社員、部下に任せているからです。

「任せる」とは、
そう言う意味合いなのです。

任せるとは言えない

「任せる」ということは、
あなたにとってもリスクがある、
ということです。

だからこそ、
任せる相手はよく吟味し、
選ぶ必要があるということです。

ポジションや職位、
今までの関係性から
「任せよう」などと考えては
本来の結果、

その部下、社員の成長や
責任感を持つことには全くなりません。

最後の決定まで、
その人に任せることが難しい
と考えるならば、

検討や決定を「任せる」などと
言ってはいけません。

その件の話が来た時に、
「彼に任せている」などと
話を振ってはいけません。

この様に考えると、
本当に「任せよう」と
考えられる人材は多くはありません。

失敗があっても
任せて成長させよう、
と期待できる人材は一握りです。

やたらに
「任せているから」とか
「任せている」などとは
言えないはずです。

意思決定は私がする

本来の意味合いで
「任せる」ことが難しい、

あるいは、
「任せる」と検討の中身や
進め方に不安があるとうのならば、
任せないことです。

「任せる」、「任せている」
と言わずに、

実際に任せることをせず、
一緒に検討するとか、
検討は社員、部下にやらせても
意思決定は社長、経営者、
上司の自分がする、
と明確にするべきです。

意思決定は、社員、部下には
任されていないのですから、

意思決定に関わる際に、
「あれが足りない」、
「これができていない」、
「ここまでの中身が必要だ」と

社長、経営者、上司のあなたが
指摘し、改善や実施を
指示することができます。

言われた社員、部下も、
指示された部分をやることは、
意思決定をする社長、経営者、
上司が必要なのだから、
やることには文句は言えません。

だから信頼されない

しかし。

多くの場合、
「意思決定は私がやるから、
 そのための検討をしくれ」
とは言いません。

単なる業務に関する場合は、
この様なことは言えるのですが、

相手の職位とか、
相手との年齢の関係とか、
対象となる領域、範囲によって、

「意思決定は私がやるから、
 そのための検討をしくれ」
と言う中身を濁して、
いとも簡単に「任せる」、「任せている」
などと言うのです。

意思決定は、社長、経営者、
上司の自分がするから、

意思決定をできるだけの
ネタを作ってくれ、
検討してれ、実施してくれと
明確にすることなく、

「任せているから」として
日頃はノータッチを決め込む。

しかし、実際に報告をすると
「あれをやれ」、
「これが足りない」、
「ここは違う!こうしろ!」
と指示をし、意見を言うのです。

この様な状況になると、
「日頃、任せると言っているのは
 単なる自分の責任逃れだ」
と任された側からは見えます。

だから、逆に社員、部下から
信頼されません。

責任が重要だなとと言いながら、
日頃は責任逃れをしている
と見えるからです。

あなたは「責任逃れじゃない」と
力説したいでしょうが、
責任逃れをしていると見える、
ということです。

あなたの本心などとは関係なく、
社員や部下らはその様に見えている、
とうことです。

「任せる」ということは、
簡単ではありません。

安易に任せることはできません。

社長、経営者、上司のあなたが
任せたい気持ちもわかりますが、

任せることに関しては、
よく考える必要があります。

その上で任せるならば、
任せたことに対して、
途中であなたの意見や要望を発言し、
安易に指示することは
避ける必要があるということです。

それは、「任せる」社長、経営者、
上司のあなたにとっても、

「任された」部下、社員にとっても、

「任せる」、「任される」結果を
手にするためには重要なことです。

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