決めさせれば遅れないって本当!?予定遅延への対応法(その3):社長の経営講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

作業が遅延する。
予定通りに進まない。

多くの上司、経営者、役職者、
プロジェクトマネジャーの方が、
この様なことに悩んでいるでしょう。

作業を遅れない様にするには
どうすれば良いのでしょうか?
どの様な観点で予定実施と
向き合えば良いのでしょうか?

前回までは、予定が遅延する際の
意外に気づいていない理由を2つ、
あなたと共有しました。

今回は、やりがちな予定遅延対策、
あるいは、
予定が遅延した時の挽回策について、
あなたと共有します。

対策しても遅れる

作業が遅延する。
予定通りに進まない。

予定遅延が生じてしまった。
遅れを挽回するには
どうすればよいだろうか。

この様な時に、
遅れている原因を明らかにして、
対応策を講じるでしょう。

例えば、作業に必要なものが
揃っていないから、
探しているうちに時間が経つとか。

どの資料が該当するのか
わからないので、
探しているうちに遅れたとか。

作業に必要な環境が
なかなか使えないとか。

これらは明らかにして、
対策を講じるでしょう。

実際にそれにより、
作業が少し早くなったとか、
作業がやりやすくなって、
効率が上がった。

この様なことがあって、
作業の進捗に少なからず
効果をもたらすこともあるでしょう。

しかし。

改善をしても、
やはり予定、スケジュールは
遅れるばかりです。

計画させる

そこで、作業の担当者に
作業のスケジュールを設定させ、
この期間でやると宣言させる、
ということが行われます。

作業に携わる本人が、
最も作業の内容や作業量を
把握しているはず、
と考えるからです。

作業量や作業の難易度がわかるので、
作業に必要な適切な期間を
弾くことができる、
と考えるからです。

さらに、この期間で実施すると
作業者本人が決め、
本人に申告させるので、

本人が宣言したことと同じだから、
申告したスケジュールで
作業をするはずだ
と考えるからです。

特に、作業スケジュールからの
遅延が生じている場合、

それ以降のスケジュール遅延を
防ぐ方法の一つとして、
作業者にスケジュールを見積もられ、
申告、宣言させることを行います。

作業者本人が見積もり、
決めているから、
ほぼそのスケジュールで
作業を行うはずだからです。

しかし。

現実は、作業の遅延が起こります。
設定し直したスケジュールから
さらに遅延が生じます。

結果として、
作業者に見積もらせようが、
見積もらせなかろうが、
スケジュールからの遅延が
挽回できることはほぼありません。

組み込まれている

作業者本人が見積もり、
作業者本人が、
「このスケジュールで実施する」
と申告、宣言しているのに、
なぜ遅れるのでしょうか。

この遅延は、
起こるべくして起きています。

そもそも。

作業者にスケジュールを見積もらせると、
その時点で余裕を組み込みます。

普通にやれば5日ぐらいで
できる作業だと
担当者が最初に考えたとします。

しかし。

この作業は5日で終わります、
とは絶対に申告しません。

作業者は考えます。

「突然飛び込みで
 やならければならないことが
 発生するかもしれない。

 想定外のことが
 この作業の中で起こるかもしれない。

 だから、安全を見て、
 作業日数を割り増ししよう」と。

そこで、5日の作業日数を、
9日とか10日必要だと設定し、
その作業日数、スケジュールを
申告するわけです。

見積もった時点で、
なんとなく弾いた余裕の日が
組み込まれたスケジュールな訳です。

予定は遅れるもの!

一所懸命やると5日の作業に対し、
安全策をとって10日にしたわけです。

10日をはじき出す時には、
「想定外のことが
 あった時のために」
などと考えています。

すぐに取り掛かり一所懸命やっても、
何か起きた時に遅延しない様に
と考えているわけです。

ところが。

10日間での作業を申告し、
それが認められると、
作業に一所懸命には
取り組みません。

5日の作業を10日でやれば
大丈夫なんだよね、
と考えます。

「何かあった時のために」
という考えを持ち、
すぐに取りかかる人は、
極めて極わずかです。

「5日の作業だけれど
 まだ10日もある」
と大半の人が考えます。

そして取り掛かりません。

やり始めたとしても、
一所懸命やるのではなく、
なんとなく取り組んでいます。

本来の力の半分ぐらいで、
ボチボチやっています。

そしてあっという間に数日が過ぎ、
「よし、そろそろ本腰を入れて」
と始めます。

そしてほとんど場合、
予期せぬ事態が起きます。

5日で終わる想定が、
実際には10日以上必要になります。

あっという間に期限の10日後は過ぎ、
予定は遅れます。

この辺りのことは、
前回の話とほぼ同じです。

自分で決めようが、
他の人、上司などが決めようが、
どうやっても
予定は遅れるものなのです。

多くはない

そもそもですが。

予定から遅れることが
好ましくない、
と考える担当者や社員は、
現実には極めてわずかです。

遅延が発生しても、
その結果お客様などの矢面に
自分自身が立つことが
実際にはほぼないからです。

担当営業の様に、
お客様と直に接して
仕事をしている人ならば、
この辺りの感覚、感性は
身につけざる終えないと思います。

しかし。

例えば、システム開発における
作業担当者となると、
お客様と接することはあっても、
スケジュール等々の件で、
対応することは多くはありません。

プロジェクトマネジャや
プロジェクトリーダー、
担当営業などが
対応することが多いからです。

予定が遅れることによって
痛い思いをする機会が
多くはありません。

もちろん。

予定遅延によって、
休日出勤しなければならないとか、
夜遅くまで仕事がある、
などということはありますが、

それも予定を遅延させながら、
なんとかなってきています。

そんなこんなで、
予定通りに物事を進めることを
なんとかしようと考える人は
多くはありません。

遅延を最小限にする

プロジェクトマネジャや
上司がスケジュールを決めると、
ほぼ間違いなく
予定は遅延します。

本人にスケジュールを
申告、宣言させても、
そのスケジュールから遅延します。

ではどうするのでしょうか。

この時行うことは、
前回お伝えした様に、
余裕の日を全部集めて、
それを上司や
プロジェクトマネジャなどの
権限を持つ人が抱えることです。

ただし。

その前提として、
作業の担当者ごとに、
スケジュールの日数を
切り詰める話し合いをします。

上司やプロジェクトマネジャが
設定したスケジュール。

あるいは、
作業担当者にはじき出させた
スケジュール。

該当する作業の担当者と
このスケジュールを
一所懸命に取り組み、
実現できるスケジュールに
切り詰める調整を行います。

簡単にいうと、
一所懸命に実施して
最短で実現できるスケジュールに
できるだけ近づけるわけです。

ただ、この時に、
単純に切り詰めると、
作業担当者は抵抗するでしょう。

何かあった時に、
すぐに遅延になってしまうからです。

そこで。

この調整を行う際には、
上司やプロジェクトマネジャが、
全体としての余裕日数を抱えていること。

作業ごとに支障が発生し、
遅延が生じそうになったと報告があれば、
抱えている余裕日数を割り当てて、
全体としての遅延を
カバーすることを伝えます。

その上で、
スケジュールの切り詰め調整を
作業担当者と行うわけです。

余裕日数があり、
遅れそうになれば、
それが割り振られることがわかれば、
スケジュールの切り詰めが
できるようになります。

スケジュールの
切り詰め調整を終えたら、
きちきちに近いスケジュールなので、
すぐに作業に取り掛かる様に
担当者に指示します。

この様にスケジュールを扱うので、
遅延が少なくなります。

個々の個別の作業では、
遅延が発生することがあっても、
全体としては遅れにくくなります。

予定の遅延を回避する方法は、
手間はかかりますが、
実際の運用に際しては、
却ってやりやすくなるものです。

前回からお伝えしている方法。
取り組むことを考えて見てください。

今までより、
予定遅延が起きにくくなります。

個々の作業の予定遅延が起きても、
全体としては遅れなくなります。

予定より早く終了する作業も
徐々に増えていきます。

担当者の負荷も、
実際には減っていきますよ。

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