不信感が募ると力を発揮しない!できる人が採用できない理由(4):人の採用と育成(4)

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

人の採用と育成に関するシリーズの
今回は第4回目です。

社長、経営者の方と
お話をしていて
必ず出てくる話が
人の問題・課題です。

  • 人が足りない。
  • 人が採用できない。
  • できる人がいない。
  • 社員が育たない。
  • 社員が学ばない。
  • 社員に主体性、自主性がない。
  • 社員にやる気がない。

などなどです。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:14分46秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

前回までに
明らかにした原因の他にも

できる人たちから見ると、
「この会社、だいじょうぶか?」
と不安になり、
避けることを考えるケースがあります。

今回はその点を明らかにします。

 

予約が消えた!

やはり、私の知人の知人の話です。

その方は、
介護などの家庭の事情もあり、
正社員から離れた身です。

彼は頭はきれるし、
多くのことに対応できて
何事にも一所懸命に取り組む
得難い人材です。

人、部下に教える、
育てることも上手で、

かつての部下からは、
今も慕われるような方です。

ある求職サイトに登録をしたところ、
ある著名な学生向けの塾、
個人授業をおこなう会社から
「スカウトメール」が
彼に送られてきました。

「スカウトメール」とは、
ネットの求職サイトなどに登録すると、
求人側がプロフィールなどから、
「うちに応募しませんか?」と
送ってくるお誘いメールです。

彼は応募したそうです。

すると、
登録者向けの「講習会」への
受講依頼メールがあり、
サイトから出席登録ができるとのこと。

場所と日程が合う会場を見つけ、
参加登録をしました。

サイト上の自身のページにも
日時と共に講習会参加が、
表示されるようになりました。

数日経ってサイトを見ると、
参加講習会の表示が消えています。

予定していた講習会を調べると、
満席で予約できなくなっています。

彼は「エッ!」と思い、
サイトから問い合わせをしました。

しかし、問い合わせを受け付けた
との返信もないし、
一日経っても連絡なし。

「一体全体、
どうなっているんだ?」
と彼は不審に思ったそうです。

 

あるのか?ないのか?

彼は仕方なく、
別の講習会日程を探し、
再度、参加登録をしました。

すると、その日の夜、
彼が住む地域の担当者から

「新型コロナウィルスの状況から、
講習会は当面延期する」
とのメールが送られてきました。

「講習会、ないのか」
と彼は思ったそうです。

講習会の前日の午前中。

翌日の講習会開催を知らせる
メールが今度は送られてきました。

サイト上の彼のページには、
予約した講習会の参加表示は
残ったままです。

講習会だし、定員があるようだし、
ウィルスのことで延期のメールがきた。

しかし、明日の講習会開催、
お待ちしているとのメールも来ている。

講習会があるのか?ないのか?
彼は混乱してきました。

そこで、その会社のコールセンターに
問い合わせをしました。

問い合わせの電話自体、
ちょっと「たらい回し」状態。

「この会社、
どうなっているの?」と、
彼はゲンナリしてきました。

やっとつながったので
女性のオペレーターに
事情を伝えました。

しばらく待たされた後、
「本日中に担当者から
連絡をさせるので、
お待ちください」との返答。

しかし、その日には
一切の連絡がありませんでした。

 

雑な対応

結局、講習会が
あるのか、ないのか、
ちっともわかりません。

翌日、講習会当日のお昼過ぎに、
再度、コールセンターに電話し、
連絡がないことを告げると、
「できるだけ早く連絡をさせる」
とのこと。

しばらくして、
やっと連絡があり、

連絡が遅れた謝罪もなく、
ただ、講習会は開催と
告げられました。

彼が予約した講習会は、
彼が住む地域の
隣の地域なので、
開催するとのことでした。

ちなみに、どちらの地域も
当初の緊急事態宣言
の対象地域です。

「同じ状態なのに
地域によって違うんだ。
連絡は遅いし、Webサイト上で
それに関する記載はないし。

結構『雑』だな」と
彼は感じたそうです。

 

講習会じゃない

講習会には、
必要な持ち物がありました。

適性試験があるので筆記用具と、
最終学歴を証する卒業証書です。

彼はそれらを用意し、
講習会会場である
塾のスペースに、
10分前に到着しました。

スタッフに案内されると、
18人程度の机が用意された
場所に案内されました。

誰もいません。

そして、登録用紙と、
英語、数学、国語の問題と
適性試験問題用紙と
回答用紙が渡されました。

「1時間半ぐらいで
回答と記入をお願いします」と。

「講習会じゃないよね。
適性試験の場じゃないか」
と彼は思ったそうです。

少なくとも、
講習会という、

講師の指導のもと、
受講者が集中的に学ぶ集まり、
とは程遠い状態でした。

30分後ぐらいに
学生らしい女性一人が入って来て、
同じように問題と回答用紙が渡され、

「1時間半ぐらいで
回答と記入をお願いします」
と言われていたそうです。

 

応える気がないのでは?

約90分後、スタッフがやって来て、
「そろそろよろしいでしょうか?」と。

彼は登録用紙と回答用紙を
スタッフに手渡しました。

「これで本日は終了です。
ありがとうございました」とスタッフ。

「卒業証書とかよろしいんですか?」
と彼が尋ねると、
「あっ、お持ちですか?
それならコピーをとらせてください」とのこと。

卒業証書などは、
普段は丸めてあるし、
サイズも規格内でもありません。

コピーするとなっても、
なかなか簡単ではありません。

ご多分に漏れず、
彼の証書は丸まっているし、
A3判よりふた回りも大きいし、

コピー機のカバーがうまく閉められず、
コピー中に光が入り込んで、
ほとんどコピー用紙は
黒くなってしまいました。

証書を返そうとするスタッフに、
「お手伝いするので、
綺麗にコピーしてくださって
構いませんけれど」というと、

「いや、目視しましたので
大丈夫です」
と断られたそうです。

卒業証書を持っているかどうか
も確認しなかったですし、
コピーができてなくてもOKなんて、

「なんか雑だな。
応募に応える気なんて、
実はないんじゃないの。」
と彼は感じたそうです。

「まぁ、なにかあればね」程度で、
彼もそれっきり。

今は他を当たっています。

もちろん、
彼がその塾に適していたのか、
そうではなかったのか。

それは今のところ、
わかりません。

しかし、求人をした塾は、
手間暇をかけているのに、
損をしたと思いますよ。

 

みんな持っていない

別の知人の話。

ある通販で著名な会社の
倉庫内業務のパート募集があり、
応募したところ、
採用になりました。

採用書面が郵送され、
そこに初日の日時と持ち物、
当日は受付の警備員に
「本日初出勤」と伝えるように
記載されていました。

また、作業時に
庫内に持ち込める物品と
服装の注意書きもあります。

通販の商品を扱う倉庫なので、
庫内作業の際に、
身につけて持ち込めるものは
ほとんどありません。

財布とタオルと
筆記用具程度です。

ロッカーはあるでしょうが、
施錠できるかどうかも不明。

貴重品や重要物は
できるだけ持っていかない方が良い、
と知人は考えたそうです。

初日当日。

受付で初出勤を伝えると、
「本人確認の写真がついた
身分証明書をお持ちですか」と
警備の人から尋ねられたそうです。

「いえ。当日の持ち物には
書かれていませんでしたので」
と彼は応えました。

持ち物に記載されていませんし、
当日の受付方法にも記載されていないし、

そもそも貴重品は
持ってこないほうが良いと考えた彼は、
当然、身分証明書を持っていません。

そこに居た他の初出勤の方々も、
警備員から同じことを尋ねられ、
皆、身分証明書を
携帯していませんでした。

 

人事と現場のズレ

本人確認のために待たされ、
挙句、警備の方は、
「人事の人に任せよう」
とのことになったようです。

人事の担当者が来ると、
本人の履歴書の写真が
手元にあるわけでもなく、
名前を確認して本人確認が終了。

そのまま倉庫内にある会議室に通され、
講義や書類作成になったそうです。

このような事が
なぜ起こるのでしょうか?

人事部門が考えていることと
現場の状況がズレている、
ということです。

この手のことは
実際のところ少なくありません。

人を採用するときには、
募集から採用、
受け入れて業務を始めてもらうまで、
整っている事が必要です。

その間、複数の部門、
例えば、人事部門、現場の業務部門、
などなどが関わったとしても、
そこに整合性があることです。

ズレがあると、
求職者は「?」を感じます。

なぜそうなのか?と不審に感じます。

 

意欲が減退

そもそも初出勤で、
嫌な思いをし、
気分が良く無くなります。

「よし、今日からだ!」
と思って来たのに、
「えっ、なんで?」と感じます。

この様な不審が重なると、
能力を発揮しよう
という意欲が削がれます。

会社に貢献しようとか、
よりよくしようという思いも
どこかに行ってしまいます。

自分から動いてとか、
積極的になんとかしよう、
とはしなくなりまります。

「どうせそんな扱いを
される程度なんでしょ」
と思うからです。

「それなら私が、
一所懸命になることもないよね」
と思うからです。

「そこそこやって、
給料をもらえれば
とりあえずいいよね」
と思うからです。

そして。

良い条件のところがあれば、
移っていきます。

 

原因の所在

良い社員が採用できない。

採用したと思ったのに
力を発揮してくれない。

その原因は、
求職者や社員にあるのではなく、
採用したあなたの会社側に
ある場合がほとんどです。

あなたの会社の
採用の仕方、採用後の対応に、
課題を抱えていることが
ほとんどです。

採用の方法、採用後の対応を
見直してみてください。

求職者、採用された人から見て、
ズレたことが起こっていないか、
整合性が無いように見えていないか、
嫌な思いや不審を感じていないか、
確かめて見てください。

そのズレを解消するだけでも、
採用後の人の状況が
変わっていきます。

本当に些細なズレが、
求職者、被採用者には
大きなズレ、
違和感に感じるものなのですから。

無料レポート