冷静な判断と情ある実施で状況を立て直す

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

中途採用して管理職に据えたけれど、
部内の社員から直接社長にクレームが上がってきた

との経験をされた
社長さんからの相談をもとに、

なぜ、この様なことが起きているのか、
採用した方が、管理職として適切なのかどうか、

との観点を前回、あなたと共有しました。

参照:管理職として労力を割く必要があること
参照動画(画像をクリック)

結論を言うと、
残念ですけれども、
この中途採用した方は、
「管理職失格」と
現在では言わざる終えない状況です。

では、この先、
どの様な対応が必要でしょうか。

今回は、この点をあなたと共有します。

(動画再生時間:13分27秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

 

心配が募るばかり

その社長さんは、
中途採用の管理職と
部内の社員との関係が良くない、

管理職の方が、
業務について変えたけれど、
成果につながっていない、

この状況をこれからどうしよう
と考えていたのかです。

そのかたを管理職に据えてから
1年間は様子を見ようと考えていたそうです。

およそ9ヶ月が経ったところで、
部内の社員からクレームが出てしまう、
他部門との関係性がよくない、
部内のまとまりを欠く、

あるいは、業務について変えたけれど、
成果が見えてこない状況に
この社長さんは接してしまったわけです。

この状況で、当初の様に1年間は様子をみる
となると後数ヶ月はこのままで
様子を見続けることになります。

残りの数ヶ月経ったとして、
今の状況が変わる兆しがあると
社長が感じておられるのか尋ねてみました。

数ヶ月経てば、
部内のまとまりができるとか、
管理職と部下の関係性がよくなるとか、
他部門との関係が良くなるとか、

業務で変えたことの成果が出る事が、
社長は感じ取れるのかとう事を
お尋ねしたわけです。

社長の答えは、
数ヶ月で状況が良くなると考えることは難しい、

良くなる可能性は期待できないし、
どちらかといえばこのままで行くと、
状況が悪くなるとの心配の方が強い
とのお返事でした。

 

社長の悩み

その時より悪くなったとして、
それが財務・資金の面でヤバそう!となれば、
その時点で意思決定は悩まないでしょう。

その時のその会社は、
当面は財務・資金面では、
なんとかなりそうな状況でした。

では、社員の士気や仕事への意欲、
周囲の評判や他部門からの評価、
仕事を進める上での関係性で、

このまま数ヶ月様子を見ても
痛手を被らないのかとなると、
どうでしょうか?

社員の意欲が落ちれば、
それを立て直すことは、
実は容易なことではありません。

他部署との関係や評判が悪くなれば、
協力を得られなくなる可能性が
高まるばかりです。

この様に仕事の現場が崩れると、
数ヶ月後になんとかしようとした時、
どうにもならない可能性が極めて高いです。

正直に言うと、
社員が社長に直訴してきた時点でも、
仕事を行う職場の環境としては、
好ましい状況とはいえません。

このまま悪化する状況を見ながら、
あと数ヶ月、様子を見ながら過ごすのか、
といったら、

社長としてその様な結論には
至らないでしょう。

と言うことは、
直ぐにでも手を打つことです。

ただし、そうなった時に、
多くの社長さんが悩むと思います。

それは、中途採用をした
管理職の彼への対応で悩みます。

採用して管理職にした時に、
部門を、仕事内容を成果が出る様に変えて欲しい
と頼んだこともありますし、

この様に変えたいと言ってきた時に、
その内容を実施する様に承認した手前があり、

この管理職にどの様に説明をするのか、
あるいはどの様に処遇しようかとの部分で、
悩みが生じてしまうからです。

管理職にしてから1年は様子を見よう
と思っていたことは、
その社長さんの優しい点、
良い面なのだと思います。

良い面だと思いますが、
会社の経営が関係しているので、
それで良いという訳には行きません。

その社長さんは、
もともとその事業を
やってきた経緯があるので、

この事業に関してどのように手を打つか、
との考えはほぼまとまってきていました。

当面は、その社長さんが
この事業に参画して、

場合によったら、
一部の社員を他部署と入れ替えて対応し、
なんとか部署の状況を立て直すことを
考えておられました。

その体制になった時、
今の中途採用したその管理職の方が、
主たるメンバーの一人なのかというと、
そうはならないわけです。

しかし、

中途採用して管理職に据えた彼は、
人柄も悪く無いし、
資料作成は几帳面で緻密だし、

当社に入って、
折角縁ができた訳だし、
辞めさせるのも社長としては心苦しい。

と言うわけで、
社長さんは困ったなぁ

とその点に気を揉んで、
社長さんがその事業に当面参画する事に
躊躇していました。

 

考えるべき事

正直に言うと、
困ることは全くありません。

事業を立て直すことは、
この会社にとって必須、重要なことです。

経営上、事業上の意思決定なので、
冷徹に、成果が出る様に決める事が絶対に必要です。

そうだとしたら、
早急にその社長が参画するなどの
手を打つことをしなければなりません。

ただし、それを行った時に、
今の管理職の彼をどう処遇するのか。

その社長が事業に参画すると、
今の管理職を辞めさせなければまずい、
やめさせなければならない
と考えることが少なくないので、
悩んでしまいます。

しかし。

管理職の彼を、
辞めさせる必要は全くありません。

事業のやり方については、
冷徹・冷静な判断をしますが、

人の処遇については、
冷徹ではなく、
”情”を持って対応すれば良いことです。

 

判断と実施を分離する

少し詳しく説明をします。

管理職の彼をその位置につけたまま、
社長が梃入れのために
しばらくの間、事業を仕切ります。

上手く回り始めたら、
管理職の彼に続きをやってもらうことに
すれば良いわけです。

あるいは、
事業は社長が当面仕切ります。

管理職の彼には、
几帳面で緻密な性質を活かして、
他の仕事をやってもらうこともできます。

辞めさせるのではなく、
管理職の彼には、
その会社で働いてもらう方法を
別に考えます。

この様なお話をすると、
管理職の彼が腐るのではないか?
辞めると言い出すのではないか?
ということが次に心配になる
という話があります。

正直に言うと、
そこは悩んでも仕方がありません。

どんな形にせよ、
社長が当面参画する状況を、

管理職の彼が受け入れるか、
受け入れないかは、
管理職の彼自身の考えであり、
彼自身の価値観、
彼自身の意思決定なので、

その点について社長がどれほど心配をしても、
手を突っ込むことはできません。

結果としてどうなるかは、
管理職の彼自身の考えです。

経営者として、
事業運営・経営に関しては、
冷静・冷徹に判断する必要があります。

その結果考えるべき
社員・人に関する事柄は、
可能な範囲で”人情”ある対応が必要です。

経営上・事業運営上の考え・判断と、
社員・人の処遇に関する考え・判断は、
分離した方が適切な対応ができます。

一緒に考え、なんとかしようとすると、
ズーッと悩んでしまいます。

人には優しくしたいし、
それの方が社員や部下の受けも良いし、
できれば”優しい社長”と思ってもらいたい、
と言うことがあるでしょう。

しかし。

人への判断に関して、
かわいそう、
なんとしてあげたい、
と言った感情が入り込んで、

事業上の意思決定を
揺るがせてしまいかねません。

その結果、実際の打ちて遅れて、
取り返しがつかなくなってしまいます。

一人の社員に優しくても、
それで会社や事業が影響を受けて
傾供養な事があったとしたら、

他の多くの社員を苦しめる事に
なってしまいます。

それは、ちっとも優しい事
ではないです。

その場は人に優しくても、
結局、多くの人、社員に迷惑をかけ、
優しくはない訳です。

本当の優しさは、
冷徹・冷静な決断を実行する時に
発揮されるものです。

決断は論理的思考で行い、
実行する際に人への対応は、
優しい情を持って行います。

事業の意思決定と人に関する対応を分けて考える。

これが早く状況を挽回し、
成果を手にするポイントのひとつです。

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