社員が自ら行動する3要素:マネジメント基礎講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

社員に行動をしてもらうことについて
先日、ある方とお話をしていた時のことです。

(動画再生時間:14分41秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

 

「社員に行動をしてもらうための
降旗先生の考え方、方法は、
独特と言うか、普通と違いますよね。」
とその方がおっしゃるのです。

「どうしてそう思われるのですか?」
とお尋ねしました。

その方がおっしゃるには、
最近、ある記事で、
人を動かす方法として、

「心理操作は最悪の事。
人を動かすには説得が善い。」

という内容を読んだというのです。

 

心理操作で人を動かす?

説得と心理操作。

似ているけれど全く異なると
心理学者は説明しているそうです。

相手を支配することを
目指しているものが
心理操作であり、

説得はこの正反対で、
相手の役に立つことを
目指しているので、
人は喜んで動いてくれるので、

人を動かすには
説得が善だとのことでした。

心理操作は、
相手の心理を活用して
相手に行動をさせます。

心理操作は、
心理の活用といえば
聞こえは良いですが、

心理的に支配することなので、
ある意味「洗脳」です。

社員を洗脳して行動させる。

これがまともな思考、
考えではないことは、
容易にお判りいただけるでしょう。

マーケティングの世界では、
相手の恐怖心をかきたてることで
購買行動につなげる、
という考え、方法がありますが、

それを社員の日々の行動に
適用することは、
実際には簡単ではありません。

「洗脳」に関する書籍もありますが、
そもそも洗脳される側に

強い不安感、
不安を呼び覚ます強い事柄、

あるいは、
他者への強い依存性が
存在しないと
洗脳されないものです。

人は誰しも
不安を抱えてはいますが、
ハッキリと洗脳される人は
多くないので、

心理操作で人を動かすことを
私自身が取り組んでいないので
一概には言い切れるもの
ではありませんが、

社員を心理操作、
洗脳に近い状態で行動させることは、
現実には容易なことではないでしょう。

 

説得すると行動するか?

では、説得はどうでしょうか?

海外と日本では、
説得に対する考え方が
かなり異なるように思います。

お話し相手だったある方が
今回読まれたという内容は、
元々海外の心理学者の考えを
引用していました。

そこには、
「説得は、相手の自尊心を
高めるように配慮をするから
人は喜んで動いてくれる」
と説明されています。

私たちが日頃考えている
説得に対する内容は、

相手を説き伏せる
という強制がついて回る
と感じていますが
いかがでしょうか?

辞書を引くと分りますが、
「説き伏せる」という意味合いが
説得にあります。

心理学的には
”説得とは

「あなたの働きかけにより、
相手が納得し・受け入れ、
気持ちや行動が変わる」
のように説明するようです。

これは結果のことであって、
説得過程の相手の気持ちや
説得側の心理状態には触れていません。

相手のことを思って説得する
のですが、

実際は自分が正しいと思う考えを
相手に納得させる状況が多い
と思いますがいかがでしょうか?

説得を試みて、
相手が受け入れないと、
段々と語気が荒くなるとか、
語尾がきつくなるとか、

最後には、
「もう勝手にすれば!」と
さじを投げてしまうことが、
少なくないと思いますが、
いかがでしょうか?

海外での実態がどうか
はわかりませんが、

少なくとも日本では、
強制する、説き伏せる
というイメージが
説得にはついて回ると思います。

実際に説得をすると、
最後に社員、部下は、
「はい。わかりました」と
言うでしょう。

しかし、
実際に行動するのか、というと、
ほとんど行動しません。

行動したとしても、
言われたことだけをやって
おしまいです。

社長、経営者のあなたが
期待したように、
自分で考え、自ら進んで行動する、
とはいかないものです。

 

行動しない理由

社長、会社側と社員との間には、
雇っている、雇われている、
上司、部下の上下関係、

という強い利害関係、
強い上下の関係性が存在します。

その状況で説得をすると、
あからさまではないですが、
指示、命令に近い事柄と
社員からは受け取られます。

故に、説得された内容に、
最終的には同意をし、
説得された状態になりますが、

指示・命令と同列なので、
「言われたからやりますけどね」
の状況からは抜け出ません。

そのために、
言われたことだけをやります。

自ら考えることはしません。

やらないことを指摘すると、
もっともらしい言い訳、

「他の業務が忙しかった」
「急に他の仕事を依頼された」

を並べてお茶を濁します。

そして、ダラダラとやらないまま、
忘れさられる時を待ちます。

人が自ら進んで行動をする。
自分で考え、行動する。

そのためには、
心理操作は論外ですが、

海外の心理学者が指摘するような
説得で「人の自尊心を高める」こと
が実現できたとしても、

その結果、人が行動することには
繋がりません。

私たちウィズスマイルが提供する
社員に行動してもらうためのやり方は、

心理操作はもっての他ですが、
説得という方法も一切用いません。

そのために、
今回の話し相手のある方のように、
「独特で普通と違う」と
言われる様です。

 

自ら行動する3つの要素

人が自ら行動する、
自ら考え、進んで行動するには、
次の3つの要素が重要だ
と私たちは考えています。

  1. 行動の対象となることそのものを自分が考え出していること
  2. 考え出した中身が自分に重要だと理解すること
  3. その中身に今取り組むことが自分に必要だと認識すること

この3つの要素が揃わなければ、
人は自ら考え、進んで行動することはありません。

3つの要素のうち、
どれか一つでもかけると、人は行動しません。

頭では行動した方が良いと
分かっていても、
実際には全く行動しないものです。

 

同意しても動かない

3つの要素について、
例を用いて考えてみましょう。

親子関係という強い関係性が働くので、
子供の習い事で考えると、
先ほどの3つの要素が分かり易いでしょう。

親が子供に習い事、例えばピアノを
習わせようと思ったとしましょう。

ピアノが弾ける素晴らしさを
親が子供に話し、
ピアノ演奏を実際に聞かせ、

ピアノを習うように
説得したとします。

練習があるから遊べなくなると
最初は嫌がっていた子供も、
最後はピアノを習うことに
同意したとしましょう。

子供は親に、
「お母さん、ピアノの先生、
ピアノ教室を探してきて」とか、

「ピアノ教室が近くにあるけど、
どうなのか見に行こうと思うから、
一緒についてきてよ」
と言うでしょうか?

まずその様なことはありません。

親が言い出したことだから、
親が見つけてくるよね、
と思っているからです。

説得されるとはこの状態です。

ピアノを習う事は、
親から与えられた事なので、
自ら行動を起こす事はありません。

一方、何かのきっかけで、
ピアノを弾きたい、
ピアノを習いたいと
子供が自分から思ったとしたら、

子供は自分で教室を探すとか、
親に探して欲しいと
自分から頼んでくるでしょう。

この状態が要素の1が満たされた状態です。

 

願望止まりの先延ばし

とは言え、あなたは思うでしょうね。

ピアノを弾きたいと自分で思ったとしても、
実際に教室を探すとか探して欲しいと
頼む子供は多くはないよねと。

なぜなら、それが自分にとって
重要だ、必要がある事だ、
とまでは思っていなからです。

「弾きたいな」程度の願望だからです。

どうしてもピアノを弾きたい、
ピアノが弾けないと自分にマイナスだ、
これからの自分にプラスにならない、
とまでは思っていないからです。

この点が明らかになっている状態が
要素の2の状態です。

自分に必要だ、
取り組まないと自分にマイナスだ、
自分にプラスにならない
と腹落ちしたとして、
では行動をするでしょうか?

多くの場合、行動しません。

なぜなら、
「今はまだいいよね」、
「来年、再来年からでも
まだ大丈夫だよね」と
考えているからです。

今すぐにでも始めて
取り組まなければならない、
とまでは思っていないからです。

新たな事に取り組むということは
簡単、容易な事ではないので、
できれば先延ばしにしたいからです。

今までやったことがないことに
取り組まなければならないので、

簡単、容易ではないですし、
面倒臭い事でもあるので、

今じゃなくても、
先々取り組んでも大丈夫だよね、
と自分を安心させたいからです。

今直ぐやること。
今直ぐ始めること。
今直ぐ始めて、継続して取り組むこと。

この点を強く意識・認識しないと、
多くの場合、先延ばしにします。

この点が要素の3です。

この3つの要素が揃った時、
初めて人は自分で考え、
自分で行動するようになります。

子供の習い事を例にしましたが、
同じことが社員の会社の業務、
事業への取り組みでも
当てはまります。

社員に当てはめた3つの要素はそれぞれ

  1. 事業、仕事をこれからどうやっていくのかのような行動の対象となることを社員が自分で考え出していること
  2. 考え出した中身に取り組む事が、社員自身にっとて重要だと理解できること
  3. 先々取り組めば良いではなく、今すぐに取り組むことが必要だと認識できること

この3つの観点の要素が社員が
行動するようになるには重要です。

では、実際に、どのように取り組むことで、
この3つの要素を満たすことが
できるでしょうか?

取り組むことによって、
社員が自ら考え、行動し、
成果を作り出すようになるでしょうか?

その点は、次回、
あなたと共有します。

無料レポート