伝わらないのはズレているから:社長の経営講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

社長、経営者のあなたには、
社員に伝えたいこと、

社員に伝わることで
実現してほしいこと
があると思います。

しかし。

なかなか伝わりません。
誤った中身が伝わることが
少なくありません。

今回は、伝えたいことが
伝わらない原因のうち、

あまり気にしていないけれど
意外に重要なポイントがあるので、
その点をあなたと共有します。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:12分49秒)

重要点として掲げること

社長、経営者のあなたが
社員に伝えたいこと。
社員に伝わってほしいこと。

これらの中身を
日々口にするとか、
メールや社内報など
文書で伝えるとか、
掲示物やポスターなどを使うとか、

様々な方法を使って、
伝える努力を
されていることでしょう。

しかし。

社員には伝わりません。

伝わらないので、
社員はその中身を意識しません。

時には、
「それって実は違いますよね」と
否定的に捉えていること、
誤った中身が伝わることも
少なくありません。

この状況が、
ある倉庫での作業に関して、
実際に起きていました。

倉庫の作業は、
フォークリフトや
物を運ぶコンベヤーやカゴ車が動き、

高いところから物を移動するとか、
パレットが置かれるなど、
常に変化しています。

作業者の「安全」を確保することは、
倉庫の運営者にとって、
重要な点の一つです。

ほとんどの倉庫が
「安全」を第一の重要点に掲げています。

ある倉庫でも、
第一に「安全」の確保を
掲げていました。

その倉庫は、
一般諸費者向け通販の出荷倉庫なので、
重要な点は、
お客様の注文に正しく応じた出荷です。

注文商品の取り違えや注文商品数の違いは
避けなければなりません。

このことがあるので、
第二の重要点として
この倉庫では「品質」を掲げていました。

倉庫の作業は”コスト”の作業です。

無駄なく効率よく作業をすることで、
コストを削減することは
常に求められています。

故に、第三に重要な点として、
「作業の効率」を掲げています。

誤った内容が伝わる

この倉庫では、
第一の重要点は「安全」
第二の重要点は「品質」
第三の重要点は「効率」
として作業者に伝えたいし、
伝わってほしい
と考えていました。

とはいえ、
倉庫の安全管理者から見て、
作業者の「安全」の意識は
必ずしも高いとはまだ言えません。

実際、労災となる事故は
起きていますし、
ヒヤリハット事象も
起きています。

安全管理者が、
作業者に「安全」に関連して
注意や指示をすることも
減らない状況です。

さらには。

注文に応じて、
保管棚から商品を取る
ピック作業に関しても、

同一商品の複数注文時に、
商品数のミス、

入荷品を保管だなに入れる際の
設定のミスなど、

「品質」面でも
まだ対応することが
少なくありません。

このような状況なので、
「安全」「品質」に関する告知を
ポスターやトレーニング、
作業者向けニュースレターのような手段で
伝えることを繰り返していました。

しかしある時。

「安全とか品質とか
 掲げているけれど、
 実は効率性が重要なんだよね。
 化けの皮が剥がれたよね」
という発言が
作業者から出るようになりました。

なぜこのような発言が、
作業者の口から
出るようになってしまった
のでしょうか?

なぜ「安全」第一で、
次に「品質」を実現するはずなのに、

「効率」重視なんだという
誤った内容が伝わるのでしょうか?

ランキングを掲示

この倉庫では、
「安全」、「品質」に関する内容を
ポスターやトレーニング、
作業者向けニュースのような手段で
伝えることを繰り返していました。

ある時、これらの内容に加えて、

1時間当たりにピックした
商品数の上位者の氏名と
ピックした商品の数を
ランキングにして張り出しました。

そのランキングの人数は、
全作業者の5%に当たります。

ピック作業者の全平均値も
当然表示しました。

ランキングに氏名がない人は、
問い合わせれば、
自身のピック数と順位を
教えてもらえることも
その一覧表には記載されています。

上位者の一覧が表示されたのち、
先ほどのような

「安全とか品質より、
 実は効率性が重要なんだ」
という発言、言葉が
作業者の中から頻繁に出るようになりました。

 

やり続けるべきこと

そのためでしょうか。
作業者向けニュースレターの中で、

ピック作業者のランキングを
表示、掲示したことを告知しながら、

「効率を重視しているわけではなく、
 安全と品質が重要であり、
 その実現が最優先だ」
というようなことを
併せて記載していました。

ニュースレターを読んだ作業者達は、
「言い訳だよね。
 だったらランキングなんか、
 出さなきゃいいんだよ」
と笑っていました。

「効率」が優先されると、
「安全」を気にせず、
例えば走るとか、
危険な場所をショートカットする
ということが起きやすくなります。

「効率」が優先されると、
作業を急ぐので、
やるべきチェックをしない、
軽んじることにつながりかねません。

その結果、「品質」が
今より悪くなることはあっても、
良くなることは難しくなるでしょう。

あなたはすでに、
何が原因で伝えたいことが伝わらず、

誤解をされてしまったのか
お気づきになっていることでしょう。

本当に、
第一に「安全」を確保し、
第二に「品質」が重要ならば、

その点を公に伝えることを
やり続けなければなりませんでした。

伝える、伝わるには

「安全」「品質」とは
逆行しているととらえられかねない
「効率」に関する内容を

掲示するとか
ニュースレターに載せる様なことは、
避けなければなりません。

「効率」に関する中身を
掲示するとか
ニュースレターに載せるのは、

「効率」より重要だと位置付ける
「安全」、「品質」が達成できたと
作業者を含めて認識できた後です。

「安全」も「品質」も、
危険事象、事故、ヒヤリハットがゼロ、
あるいは、ピック作業のミスゼロの様に、
基本は発生がゼロです。

ゼロは計測が難しいので、
実現そのものが難しい、
という点はあります。

その点では、
目標数値をどの様に設定し、
その数字の達成で、
「安全」、「品質」の実現を説明できるのか、
という難しさはあります。

とはいえ、
第一に「安全」、
第二に「品質」を掲げる以上、

この実現に
最優先で取り組む姿勢を見せる、
そして、実際に実現することが

作業者に対する
もっとも重要なメッセージです。

作業者に伝わること、
伝わってほしいことのはずです。

その部分が
まだ達成できていない状況で、

「安全」、「品質」を低下させる、
相反する「効率」に関して
作業者に伝えてしまいました。

相反することを伝達したので、
本来伝えたいこと、
伝わってほしことが
薄まってしまったわけです。

伝える内容、事柄には、
筋が通っていることが必要です。

一貫性が求められます。

あれもこれも伝えるので、
一貫性がズレた瞬間に
受け取る側は混乱します。

伝わるべき内容を受け取りません。

「「安全」「品質」ではなく、
実は「効率」が第一なんでしょ」と
異なる受け取り方をします。

伝えたい、伝わってほしい
その内容が受け取られません。

日々、いろいろ伝えている内容に
筋が通っていない。
一貫性がない。
相反することを伝えている。

ズレているので伝わりません。
異なる受け取り方をされます。

「伝える」ことは
簡単ではありません。

日々、いろいろと伝えることは、
常に筋が通っていることが求められます。

日々、いろいろと伝えることは、
一貫性があるとわかることが必要です。

日々、いろいろと伝えることは、
「相反している」と
とらえられないことが必要です。

何かを伝える時には、
今まで伝えてきた内容、事柄と

筋が通っていること
一貫性があること
相反していないこと
ズレていないことを
確認してください。

筋が通り、一貫性がわかり、
他の事柄と相反していない

とわかる内容を
わかる様に伝えてください。

意外にも、この点をすっ飛ばして、
伝えたいことを伝えている場合が、
実際には少なくありません。

だから、一所懸命に繰り返し
伝えていても伝わらないし、
誤った受け取り方をされてしまいます。

今回の事例の倉庫の場合と同じです。

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