問題・課題の解決がうまく進まない原因:社長の経営講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

社長、経営者、後継者のあなたならば、
経営、事業、業務の中で
発生している問題、あるいは課題を

「解決したい!」、
「解消したい!」と
考えていらっしゃることでしょう。

そうやって問題の解決や
課題の解消に取り組むのですけれども、

実際のところ
なかなか上手く
取り組めないですとか

取り組んだとしても成果、
結果がなかなか出ない

ということが頻繁に
起きていると思います。

今回から何回かに渡って
あなたとこの
「問題、課題を解消するためには
どういう観点、視点が必要なのか?」
という点について共有したいと思います。

滞留が生じている!

問題、課題の解決、解消を考えるときに
次のような例で
少し考えてみたいと思います。

これは消費者向けの通販を行っている
ある会社の倉庫での出来事です。

この会社では
お客様毎の注文に応じてボックスを用意して、

それを台車に乗せて
実際に注文品が保管されている
倉庫の棚から取ってきて、

該当するお客様のボックスに入れる
”ピック”という作業をしています。

そのピックが終わると
今度はお客様毎の配送ラベル、

誰々のどこどこに注文品を届ける
という配送ラベルを出して、
箱をパッキングして、

さらにそれをルート毎、
時間帯毎に仕分けをする
という作業をしています。

物量の関係から
この仕分け作業は人の手で
行なっています。

ですから、
ピックが終わって配送ラベルを貼り、
パッキンをすると
お客様の注文の箱が台車に乗ったまま
仕分け場の前に並べられる
という状況が起きています。

これを人が配送先、
時間帯毎に仕分けをして、
積み替えていく作業を
してるわけですけども、

これが時として、
この仕分けが間に合わなくなって、

台車に乗った注文品の台車が
ズラーと仕訳場の所に
並んでしまうという状況、
業務の滞留が起きてるわけです。

解消はするけれど

これで何の不具合が
生じるかというと、

ピックに行くための台車が空かない
ということになります。

そうすると
棚から注文商品を
取ってくる作業をする人が、

空いてる代車がないので
作業に入れないで
待ち状態になってしまう
という無駄が生じているわけです。

これをどうする、
どうやっているかですけれども

ピックしてる人、あるいは、
仕分けの作業している人から
仕事の割り当てをしている担当者に
報告が上がるわけです。

「今、仕分け場の前で
 台車が何台も滞留して
 作業が滞っている。

 それによって
 ピックする作業者に
 待ちが発生しています」
ということを報告するわけです。

そうすると、
作業の割り当て担当者は
この仕分け作業ができる他の人、
他の作業をやっている人を見つけてきて、

その人を新たに
その仕分けの作業を
してるところに投入する。

一人で足りなければ
二人を投入するということ
をするわけです。

そうすると、
作業する人間が増えるので、
必然的に作業量が増える、
仕分け作業の作業量が増えますから

ある程度の時間が経てば
台車が滞留しているという状態は
解消されていく。

そうすると
お客様の注文品を棚から取ってくる、
ピックをする作業の人の
台車を待つということも減る。

最終的にはなくなっていく
ということが起きるわけです。

このように
仕分け場の前で台車が滞留する。

それによって
ピックの作業する人に
待ちが発生してるという
「無駄」という問題が
発生しているわけですが、

作業者を増やす、
その時だけ作業者を
増やすということで
その問題を解消するということを
やっているわけです。

問題としてとらえていない

このようなことが
発生してるということを
もし社長、経営者、
後継者のあなたが聞いたとしたら、
どのようにとらえるかということです。

これは実際のところ
何度も何度も
繰り返し起きている状況ですので、

これは経営上も事業上も
業務の上に置いても問題点、
解消しなければならない問題と
とらえることができます。

ですから、
社長、経営者、
後継者の立場から言えば

このような問題が発生しないように
解消しなさい、
対策を講じなさい
と言いたくなるところだと思います。

では実際どうなっているか
ですけれども、

実際のところは仕事を
割り当てる担当者が、
作業者を増やすことで

実際に生じている不具合を
ある時間さえ立てば解消する
ということを
実現してしまっていますので

実際のところは
同じような滞留が発生すると、
そこに新たに作業者を足す
ということで対応する
ということをやっているわけです。

場当たり的対応を繰り返す

ですから、問題点として
とらえるというよりも、

その状況が発生したら
何とか作業者を増やせば
なんとかなるでしょう
という風にとらえて
対応をしていることになります。

ですから実際のところは
問題点の解消には
全くなっていない、

問題が発生したときに
場当たり的に対応してる
ということも言えるわけです。

今は倉庫での作業の話を
しましたけれども、

同じような事が
実際の事務作業のようなところでも
起きています。

例えば、経理処理ですけれども、
月末あるいは、月初の経理処理。

あるいは、
四半期毎の財務諸表、
四半期、年度毎の
財務諸表作成などの
この事務に関しても

経理担当者が遅くまで
残業を繰り返すですとか、
休日出勤をするということで

なんとか締めに合わせる、
あるいは報告書を作成して
財務報告のタイミングに
間に合わせる

というようなことを
繰り返し行なっています。

この場合も、
本来は問題ととらえても
良い点ですけれども、

経理担当者が
残業を繰り返す。
あるいは休日出勤をすることで
何とか乗り切ってしまっているので、

その部分を何とか変えよう
ということには、
なかなかつながっていない
ということがあります。


繰り返し起きる事象ならば

実際のところ経営、事業、業務において
同じような
不都合な好ましくない事象が
繰り返し起きている
ということは、

「その事象が発生することは
 問題点だ」と
とらえる必要があります。

しかし実際のところは、
なんとかその場に、その場において
場当たり的に対応をする、

例えば、
倉庫の場合でいうと
作業者の頭数を増やす。

経理の話で言えば
経理担当者が残業をする、
休日出勤をする
ということで

ある一定の時間の中で
解消してしまっているので

実は「問題点ととらえて解決しよう!」
という所に至っていません。

繰り返し生じるということは
大きな問題です。

ですから、
これを何とか起きないようにする、
解消することが必要な訳です。

けれども実際のところは
そのように理解をしていない現場、

あるいは
そういった問題が発生したときに
解決しなければ
いけない役職の方が

「これは問題だ。
 解決しなければならない」
というふうに理解をしていない状況が
実際にたくさんあるわけです。

この様なことが
繰り返し起きない。

倉庫で言えば
台車の滞留が起きない。

そのために、
ピックの作業をする人の
待ちが発生しない。

あるいは、
経理の世界で言えば
経理担当者の残業をしなくて
良い状況になるですとか、

休日出勤をしなくても
期日までに
会計処理が終わる。

あるいは
財務報告書ができる
という状況になれば、

これは非常に
好ましい事のはずなのですが、

好ましくない状況が
発生することが問題だという風に
とらえていないがために、

それに対する解決策を
ほぼ講じていない。

そのために
同じような事が何度も何度も
繰り返し起きているということに
なっているわけです。

私たちは常に
経営、事業、業務に関しては、
不都合な状況、
好ましくない状況が
繰り返し起こるならば、

「それは問題だ!」、
「課題だ!」と
とらえる必要があるということです。

そして、問題、課題ととらえた上で、
「それを解決する」という行動に
つなげていくことが必要です。

いずれにせよその発端は
「これが問題点だ。
 解消しなければならない」
という風に
強く認識をするというところが
必要なわけです。

この部分を私たちは
比較的おろそかにしていることが
少なくないわけです。

無料レポート