経営・事業における「目的」の重要な中身。これがズレているから成果につながらない。:社長の経営講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

4月、新しい年度が近づき、
経営、事業のことを考え、
経営計画や事業計画を作ろうと考えている経営者、
事業責任者の方は少なくないと思います。

今回は経営計画や事業計画を成果、結果に結び付け、
あなたの会社、あるいは事業が
成長することに結びつけるために

どの様な観点が
重要になるのかということを
これからの何回かに渡り、
あなたと共有します。

うまくいかない理由は要素とその関係性

4月の新しい年度が近づいてくるので、
経営、事業の計画を新たに練り直し、
四月から良いスタートを切ろうと考えている方。

あるいはそのための行動を起こしている方。

そのような社長、経営者、
事業責任者の方は少なくないと思います。

経営計画や事業計画を少し振り返ってみると、
毎年、毎年、実は
同じような内容を繰り返しているとか、

経営計画、事業計画を作るのだけれども
なかなか成果、結果に結びつかないとか、

思ったような勢いで成長していかない、
前進していかないと
悩んでいる方は少なくないと思います。

これはなぜか?です。

経営計画、事業計画の中には
いくつかの要素がありますが、

これらの要素の重要な内容を
充分理解しているのか?

その内容に沿った作り方、検討をして、
その内容を作り込んでいるのか?

そしてこれらの要素が
密接に関連していることを充分理解した上で
関係性を持った内容の計画を作っているのか?

この様なことにともて依存をしています。

事業計画、経営計画を作っているのに
成果、結果がなかなか出ない。

毎年同じような内容を作っている。

この様に感じ、悩んでいる場合、
それぞれの要素が適切な内容に
充分検討されていないとか、

それぞれの要素が充分な関係性を持ち、
構築されているようにまだなっていないことが
原因になっています。

これらの要素として
どの様なものがあるのかです。

それは例えば、
経営、事業の目的であり、

経営、事業の目的を
実現するための目標であり、

この目標を実際にどの様にするのか
という計画であり、

この計画を実際、
行動に起こすための施策、
およびその施策内容がある訳です。

この目的、目標、計画、施策。

これらの中身が一体どういうものなのか
ということを確認しながら、
ブラッシュアップしたいと思います。

目的とは何か

まず「目的」です。

経営の目的、事業の目的を
計画書の最初に掲げましょう
という様なことも言われます。

この「目的」とは、一体何なのかです。

ウェブでも良いですし、
広辞苑や大辞泉の様な辞書で良いですが、
実際に検索すると、
どの様に書かれているかです。

それは、
「到達したい状況として意図し、
 行動を方向付けるもの」
これが「目的」と定義をされています。

ということは、
行動を方向付けていますから、
結果として、

その行動の目指す
ゴールとなる状態や状況のこと。

あるいはその行動によって
得ようとしている対象そのもの。

これが「目的」という言葉で表される訳です。

充分ではない「目的」

経営、事業の目的の例として
例えば、
「お客様に最高の商品・サービスを提供し、
 喜んでいただくこと。」

これが経営目的、事業目的だとして
導き出されることがあります。

これが適切な「目的」を
表している例なのかです。

「目的」と非常に似通った
使い方をされる言葉として
”理念”と”方針”があります。

今回、”理念”と”方針”の違いを
説明することは、脇に一旦起きます。

この理念や方針と「目的」とは、
実は大きく違いがあります。

これがごっちゃになっているので、
実は「目的」が
うまく機能していません。

先程、「目的」の
一つの例として説明をした

「お客様に最高の商品・
 サービスを提供し、
 お客様に喜んでいただく」
のようなもの。

これが「目的か」と言われると
実は本来の「目的」の意味合い、
経営、事業を行う中での
「目的」の意味合いから考えると
「目的」としては不適切です。

これは敢えて言うと
”理念”、”方針”に当たります。

要は方向づけ、
”こちらの方向に向かうよ”
という意味合いの言葉の内容として、

「お客様に最高の
 商品・サービスを提供して
 お客様に喜んでいただく」
というのはアリですが、

経営、事業の実際の行動、
施策にまでつなげるための
「目的」として適切かとなると、
全く充分ではありません。

人により異なってしまう

なぜならば、
先ほど申し上げたように

「目的」は行動の結果として
実現しようとしている状況、
状態のことであり、
得ようとしている対象
そのものを表しています。

しかもこれを個人の一人の
「目的」として扱うのではなく、
事業体、あるいは会社という
大きな組織の中で
目指す「目的」として掲げる訳です。

この組織に属する人たちが
同じものをイメージできる内容
である必要性があります。

それは、得ようとしている、あるいは
ゴールとしている状況、状態であり
手に入れようとしている対象
そのものだからです。

方向性ではないからです。

ですから、社員のAさんが考える
”お客様に最高の商品・サービス”と
”それによって喜ぶお客様像”と、

社員Bさんが考える”最高の商品・
サービス”そのものの姿と
”それによって喜ぶお客様の像”。

これはほぼ合致する。
一致していることが必要です。

これがバラバラになってしまうので、
Aさんはこれをやることにより
最高の商品・サービスが実現できる、
お客様が喜ぶと思い行動したとしても、

Bさんは、
いやいやそうではなく、
こっちのこのものが必要だ
と考えているとしたら

同じものを目指しているとは言え、
行動が違ってしまうので、
結果としてできあがってくるものは
違ってしまうことになります。

そうすると、組織として成果、
結果を出したいのに、
中で動いている人たちが
バラバラの動きをしている。

あるいは、その中の個人、
個人ではなくとも、
小さいグループ、

例えばえ組織の部、課、係とかで、
それぞれ違った動きをしてしまったら、
それは行動はしてるけれども
成果、結果にはなかなか結び付かない。

効率良く成長に
つながることには結びきません。

また違うことをやることにより、
プラスマイナスゼロに
なることもある訳です。

効率的な組織行動になるかというと
そういうことにはつながりません。

ですから「目的」は、
社員誰もが同じイメージを
できる内容である必要があります。

「目的」は具体的

その観点でいうと、
”最高の商品・サービスは
 どういうものなのかという内容”。

例えば、この様な機能を持つ商品。

こういうことが用意されているサービス。

この様な内容が
具体的に設定されているもの。

それが「目的」になります。

そして、”お客様が喜ぶ”
ということは、

”この様なことに
 価値を見出すお客様”、

あるいは”この様なことに
 悩みを抱えているお客様”が、

この様な機能、あるいは能力を持る
商品やサービスを使うことにより、
これらの悩みや
価値が満たされるから喜ぶ。

この様なことが具体的に
説明されている必要があります。

先のことはわからない?

その観点で考えると、
先ほどお話しした

”最高の商品・サービスを提供し、
お客様に喜んでいただく”というのは、

そういう方向を目指す会社だという
方向性は示していますが、

具体的な状況、状態、
あるいは
得ようとしている対象そのものを
表しているかというと

あまりにも抽象的で
ふんわりした内容にしかなっていません。

その観点から、
先程一つの例だとお伝えをした

”最高の商品・サービスを提供し、
 お客様に喜んでいただく”
というような抽象的な内容の文言は、
方針、理念でしかなく
「目的」には当たりません。

このようなお話をすると

「いや、将来のことは
 分かんないじゃないか」とか、

「”この様な機能、能力、
 性能を持った商品・サービス、

 あるいは、この様なことができる
 サービスを提供しよう”

 と掲げたとしても、
 5年後、それができるかどうかは
 分からないじゃないか」

というような意見とか、

「今現在考えた時に
 5年後にはこの様な機能、
 この様な性能の商品・サービスが
 お客様に喜ばれると思っていた。

 でも一年たったら、
 あるいは一年半たったら、

 もっとこの様な機能が必要だ
 ということが分かるかもしれない。

 あるいは今考えていたこ
 の機能は要らなくて、
 それよりももっと
 この様なものが必要だということが
 明らかになるかもしれない。

 だから「目的」として
 そこまで具体的に示して良いのか?

と考えたり、
おっしゃっる方が
いらっしゃると思います。

目的は変えてはいけない!?

それは”一度、今決めた目的を
変えてはいけない”という概念が
あなたにあるからです。

「目的」は変えて構いません。

先程あったように、
「何年か経ったら、
 もっとこういう機能が
 必要になるかもしれない」

というなら、
必要になった時に
「実はこういう理由で、
 あるいはこういうニーズがあるから
 こういう機能を
 足すことにしました」と

「目的」となっている状態、
状況を変えれば良いだけの話です。

あるいは、
「こういう理由で実はこの様なことは
 いらないとことが分かった。
 だからこれは止めます」と
言えば良いだけの話です。

変えることに抵抗があるから
逆に具体的なものを
今設定することは避けたい。

先々「いや実は違った。
 変えなければならない。変えるよ」
と言うのが嫌だ。

説明をしたくないから
逆に今「目的」として設定するものは

できるだけふんわりした内容、
方向性のようなもので
誰もが賛成はする内容に
しておきたいと思っているだけです。

”ふんわり”がもたらすこと

しかし、ふんわりした内容で
あればあるほど、

先ほども説明したように
実際に何をやって良いか
全く分からない
ということになります。

例えば、”最高の商品・
 サービスを提供する”といった時に

あなたの会社の中の営業部隊は
「お客様はこういうことを言っている」と
ある機能を押すかもしれません。

逆にマーケティングは、
いや社会一般的に見ると
こちらだよと
別の機能を押すかもしれません。

これは検討の段階では
あってしかるべきです。

「目的」として掲げる時に
Aなのか、Bなのか。

それとも、AもBもなのか
というところは

ある程度はっきり
させておく必要性があります。

なぜならば、
もしはっきりさせなければ
営業部隊はAの部分で
突っ走るでしょうし、

マーケティング部隊はBの考え方で
突っ走ることになります。

これが相乗効果を発揮するとか
それぞれがそれぞれに
重要な機能ならばまだしも、

もしお互いに反発し合う、
あるいは反駁する内容ならば、

それぞれが一所懸命
やっているにもかかわらず、
会社として、あるいは
事業体としての成果は
出にくくなってしまうからです。

その結果、何が起きるかというと、

「一所懸命やってるのに
 何でうまくいかないんだ?」
ということになり、

組織間で反発し合うとか
お互いがお互いを批判するとか、
協力しなくなるとか、
やる気がなくなると
いったようなことにつながります。

会社や事業体にとって
プラスに働かない可能性が高くなるからです。

目的に必須のこと

そのような観点からも「目的」は、

内容が具体的で、

どの社員が見ても

ほぼ同じ内容をイメージできる

というものを
設定をする必要があります。

多くの場合、
ここが設定されていません。

設定せずに実際の目標を作り、
計画を作るので、
結果として実際に
組織あるいは社員の動き方が
バラバラになってしまう。

あるいは、
よく分からないから
動かないでおく。

あるいは
今までと同じことをやり続ける、
ということにつながり、

結果として成果、結果には
つながらないし、

会社の中、事業の中、組織の中は
やり方も構造も考え方も
変わらないですし、

結果として毎年、
同じようなことを言い、
ただただ同じことを
続けている状態に
なってしまうわけです。

あなたが今考えている来期のこと。

経営にしろ事業にしろ
「目的」として
どの様なものを将来に
達成しようとしているのか。

来年ではなくても
5年先、あるいは10年先
かもしれませんが、

その時に今あなたが考える
あなたの会社、あなたの事業として
どの様な具体的な中身の
事業になっていて欲しいのか。
経営になっていて欲しいのか。

そこを明らかにするということです。

具体的な中身で
一度検討をすることです。

それがあるからこそ
この後説明する

「目標」とか「計画」、
「施策』につながり、
それが成果、結果につながる。

要は、成果、結果というものが、
目的として掲げている形。
ゴールとしている状態、状況。
得ようとしている対象に
近づくことができるということです。

今回は「目的」という言葉について
その中身をあなたと
共有しました。

次回以降は、今度は「目標」、
「計画」、「施策」として、
どの様な中身が必要なのか。

そして最後には
これらの四つの要素が

どの様な関係性で
成り立っているのかという点を
あなたと共有をして、

あなたがこれから作るだろう
事業や経営の計画が
成果、結果につながる様にしていきたいと思います。

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