現状把握は本当に役に立つのか?

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

外資の経営幹部をされた方を
アドバイザーとして迎えたある社長さん。

そのアドバイザーから
戦略策定には現状把握が必要だ。
すぐに現状把握をやりましょう
と指摘、指示をされたのですが、

現状把握の作業を社員にやらせる事に
不安を抱えていらっしゃいました。

前回は、
今回の現状把握の様な
新たな作業を社員に追加で指示するときの
注意点をお伝えしました。

参照:成果・結果が激変する作業指示
参照動画:(画像をクリック)

 

前回、現状把握を行う様な
新たな作業の実行を指示する時の注意点を
お伝えしましたが、

今回は、この現状把握が抱える
大きな問題点についてあなたと共有をします。

(動画再生時間:13分59秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

現状把握で戦略ができるのか?

「戦略を作るには現状把握が重要だ。必要だ。」

この様な意見を聞くことがあると思いますが、
あなたはこれをどう思うでしょうか?

ここで、あなたに質問です。

なぜ、戦略を作る上で
現状把握が必要なのでしょうか?

戦略を立てるために、
今、自分たちがどこにいるのか
これを知る必要があるからだと、

私とお話をしたその社長さんは、
答えられました。

なんでも、アドバイザーさんが、
その様な見解だそうですし、
社長さんもその説明に、
一応は納得されたとのことでした。

現状把握を行う時には
かなりの項目を調べる予定だ
とのことでしたが、

それによって
自分の会社のいる場所がどこか
わかるのでしょうか?

そして、居場所が明らかになったら、
戦略をたてる事ができるでしょうか?

ちょっと考えてみてください。

 

関係のない現状の調査

お話をしている社長さんとは、
例えで考える事にしました。

あなたもご自身に当てはめて、
一緒に考えてみてください。

今、その社長さん、
あるいはあなたは、

例えば、東京の品川駅の近くに
オフィスを構えていると考えてください。

ここには何年も前から、
その社長さん、あるいはあなたは、
オフィスを構えているとします。

このオフィスに居る社員の数、
ここ何年かの社員数の推移、
あるいは男女比、部署ごとの人数、

さらに、
部署ごとの売上、粗利益、
取扱商品、その特徴、
お客様の数や推移、
お客様の存在場所の分布、

各部門ごとの経費の内容、推移が
それぞれ全部、解ったとします。

これらは、
データはどこかにあるでしょうから、
集める苦労、集計する苦労は
あるでしょうが、
できないことではありません。

これらの内容がわかった時、
今後、あなたが関わる
あなたの事業、ビジネス、

それを行うために
これからの経営をどうするのか、
どの様な戦略を立てるのか、
ということが解るでしょうか?

社員数や推移、部署ごとの人数、
部署ごとの売上、経費の推移、
お客様の数やその分布は、

今後のビジネス、あなたの経営、
あなたの事業を考える際の

どの様な部分に、
どの様なことに、
どの様に役に立つのでしょうか?

これを明確に答えられる方は、
多くはないでしょう。

ハッキリ言いますが、
役立つとすれば、

今までのままの経営、事業を
このまま行うとしたら、

その実現の可能性と戦略を
検討する時には、
必要になることもあるでしょう。

よくある現状把握の中身は、
必ずしも役に立たない調査事項を
たくさん含んでいる可能性があります。

その様な内容を、
一所懸命にデータを集め、
把握・分析をしようとしています。

というよりも、
役に立たない内容に
労力を割いている方が、
一般的には極めて多いです。

戦略の検討と
直接関係ない事項は調査しない、
必要なことだけを調査する、

ことにしないと、
時間と成果物の無駄に
なってしまいます。

既存の業務でも手一杯なのに、
そこにこの様な無駄な作業をさせるのか、
といったら、それは避けたい
と思うことが普通、当たり前でしょう。

意図を持って
現状の把握をすることが必要です。

さらに。

経営、事業に関して、
今の状況を発展させる、拡大する、

そのためにやり方を変える、
新しい要素を加える、

この様な時に役立つ
現状把握の結果なのでしょうか、
としたらどうでしょうか?

今の現状把握でわかることは、
今の経営、事業を行ってきた結果
としての状態です。

その結果を元に考える戦略は、
全て現在の内容を続けることが前提、
今の状況の延長線にあるという観点です。

発展、拡大を考えたときに、
現状把握のどの項目が
どの点に役立つのか、
どの様に役に立つのか、

現状把握を行なっている段階では、
ハッキリしない可能性が高いです。

この場合も、無駄なことに労力を
かけている可能性が高くなります。

 

位置を把握する指標

さらに、現状把握に関しては、
注意点があります。

そもそもですが、
現状把握はなぜ行うのでしょうか?

それは、今の自分たちの位置、
会社の位置を知るためです。

その位置を元に、
戦略策定に活かすためというのが
答えだと思います。

では、現状把握を行えば、
自分達の位置、自社の位置がわかる、
と言われますが、
これは本当でしょうか?

例えば、
今、あなたが立っている場所、
今の自分の居る場所、
これが解るのは、

どういう状況があるから、
わかるのでしょうか?

自分が今、立っている場所は、
何でわかるのでしょうか?ということです。

今いる場所の緯度と経度がわかれば、
地図の上に正確に
その位置を示す事ができますし、

今の自分のいる位置を、
客観的に知ることができます。

 

基点、零点はあるか?

ただし、位置が正確に解るのは、
緯度・経度の零点、基点が、
世界共通で定まっていて、
皆同じ零点、基点からの位置で見るから
成立する話です。

緯度、経度がわかっても、
ある人は、自分で、
東京をゼロ点、基点にして
そこからの緯度、経度で示しているとしたら、

一般の緯度、経度とは
ズレてしまいます。

比較にならない。
自分のいる場所はわからないことになります。

人によって緯度・経度の零点、
基点の場所が同じだから、
地図上の位置の意味合いがあります。

地図の世界はこの様になっていますが、
ビジネス、事業、経営の世界では、
緯度と経度、あるいは、
誰でも共通の零点があるでしょうか?

もうお気付きの様に
その様なものはありません。

 

会社の間の比較

似たビジネスをしている会社について、
経営・事業の指標を比較する事があります。

比較ですから、
相対的な位置が解るということです。

比較する相手の会社が、
あなたの会社と全く同じ形態の
ビジネス、事業をやっているならば、
比較することには意味があるでしょう。

相手の会社を比較をしたときに、
どの部分が相手は強く、自社は弱いのか、
あるいは、
どの部分が相手は弱く自社は強いのか、
ということがわかれば、

今後、自社として、
強い部分、弱い部分をどうするのか、
という検討ができます。

とはいえ、
あなたの会社と全く同じ形態のビジネス、
事業をやっている
比較対象の会社があるのかどうかです。

この点がハッキリしないケースは
実際のところ多いです。

外からは同じように見えても、
実際のビジネスの構造が
違っていることは良くあることです。

例えば、
同じ業態で店舗を展開している場合でも、
一方は直営店方式で、
他方はフランチャイズ方式の様に、

内実は異なる、内部の状況は異なるケースが、
当たり前の様に多いです。

 

実は解らない!

幸運にも、ほぼ同じ事業構造の会社が
見つかったとしたら、
比較はできるでしょうか?

いかがですか?

形の上ではバッチリ比較ができる
はずですけれど、
ほとんど比較できないことが
実際には多いです。

同じであっても、
データをどれほど公開されているか、
というハードルがあるからです。

実は知りたい情報は、
ほとんど公開されていないことが
少なくないからです。

特に、上場されている企業なら話は別ですが、
上場されていな競合で比較できる会社となると、
データが公開されていないことが多いからです。

集められるデータだけ集めて、
分析・比較をすることはできますが、

違いがハッキリわかり、
今後のあなたの会社の戦略を作る時に
役に立つ内容になるのかというと、

ほとんどの場合、
比較しただけ、
ということが多いです。

外に出るデータは極めて表面的ですし、
まとめて出してくるので抽象性が高く、
詳細・明細が解らないことが多いからです。

これは仕方が無い事です。

あなたの会社も、
対外的に開示するデータは、
絞っているでしょうし、

細部までは明かさないことが普通なので、
お互い様なのです。

現状把握は、
言うは易く行うは難し
の典型的な事象の一つです。

 

では、
現状把握はやるだけ無駄なのでしょうか?
それとも、
行ったほうが良いのでしょうか?

次回は、現状把握の
核心について考えます。

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