伝えるべきことを伝える方法:社長の経営講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

相手に伝える重要なことがあります。

例えば。

労災事故が起きた。
業務においてヒヤリハットが起きた。

その時に再発しない様に
対策などを伝える場合です。

この時に、どの様な観点で伝えるのか?
それによって、
重要なことが伝わることもあれば、
伝わらないこともあります。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:18分24秒)

そして、多くの場合、
本当に伝えるべきことを伝えないので、
重要なことが伝わりません。

伝える時にどの様な観点で行うのか、
という点を今回は明らかにし、

伝わるべき重要な内容が
相手に伝わる様に
あなたと共有をします。

労災の怪我

労災に該当する事故が、
ある作業で発生しました。

最初は異動してきた社員が、
異動して数日後に
労災となる怪我をしました。

ある安全装備を装着していれば、
怪我は避けられたのですが、

作業に慣れていないことから
安全装備の装着が
十分できていなかったからでした。

所内で作業をする
派遣やアルバイトの方にも
類似の状況になる
可能性があることから

所内に安全装備の装着を告知し、
注意喚起することにしました。

作業所内で毎週、
”お知らせ”を発行、配布しているので、
その中の安全に関するパートで

該当する作業をする時には、
必要な安全具を
「必ず身につける様にしましょう」
という記載を行いました。

労災の怪我、再び

先ほどの労災の怪我が発生してから
1ヶ月と少し、およそ5週間後。

所内で作業をしている
アルバイトの方が

同じ作業で、先と同じ
労災の怪我をする事象が
発生しました。

怪我の状況を聞き取った役職者は、
アルバイトの方に尋ねました。

「この作業をする時には、
安全装備を装着しないと
作業できないルールに
なっていたのだけれど、
知っていましたか?」と。

アルバイトの方は
「えっ!?そうなんですか?
それは知りませんでした」
と答えました。

役職者は
「あぁ、それはまずかったですね。
徹底できていなかったのは
こちらのミスですね」と。

「ルールになっているのに、
知らなかった、
やらなかったのは
まずいですよ!」
などとこの役職者が
言わなかったことは
評価に値します。

徹底すべきこと。
安全装置を装着する
というルールが、

対象となる人に
伝わっていなかった、
認識されていなかった、

という点を
自分たちの課題として
捉えたところは
素晴らしいといえるでしょう。

 ”お知らせ”で告知

そこで、再度、
安全装備の装着を所内に告知し、
徹底することになりました。

毎週発行している”お知らせ”の中に
再度、記載することにしました。

そこには、
「◯◯の作業を行う際には、
◇◇の安全装備の装着ルールを
守ってください」と。

この項目の前後には、
他の作業での機器類の取り扱い方、
作業記録の取り方についても
注意事項、ルールが記載されています。

これらの記載の最後に、
注意書きが加えらました。

「※上記を厳守いただけない方には、
作業を中止していただく
可能性があります」と。

この”お知らせ”が発行、
配布されてから1週間の間に、
所内で作業をする
多くの派遣、アルバイトの方に

◯◯の作業を行う際の
◇◇の安全装備の装着ルール

を知っているのか、
実施しているのか
を尋ねてみました。

さて、その答えは
どの様だったと思いますか?

誰も知らない

ほとんどのアルバイト、
派遣の方が、

安全装備の装着が
ルールになっていることを
知りませんでした。

ルールになったことを伝えると
「えっ、そうだったの!
そんなこと知らなかった」
の様な回答が返ってきました。

所内の役職者が
労災の怪我を負ったことを
ごくわずかの人が知っていました。

しかし、その人でさえ、
役職者の労災事故ののちに、

安全装備の装着が
ルールになったという事実を
全く知りませんでした。

会社側が安全のためにも
派遣、アルバイトの方に
知ってほしい、
伝わってほしい、
と考えた内容は、

全く伝わっていないし、
気にもされていませんでした。

”お知らせ”だけでした

毎週発行の”お知らせ”に
ルールになったことを
複数回も記載したのに、

対象となる派遣や
アルバイトの方には、
その内容が伝わらなかったのは
なぜでしょうか。

単純にいうと
伝え方が下手くそだからです。

1点目は、毎週発行の”お知らせ”に
内容を記載したことです。

それ自体が悪い、
という意味ではありません。

あなたがすでにお気付きの様に、
派遣やアルバイトの方全員が、
漏れなくその”お知らせ”を
手にとっているのか?
ということがあるからです。

それまでの配布状況を調べていて、
ほぼ全員が手にしていると
わかっているならば、
最初の段階は
クリアしているでしょう。

必ずしも全員が手にしていないなら、
誰もが朝一番に目にする
掲示板に今回の事故や
安全対策の内容を掲示すべきでしょう。

あるいは、該当する
◯◯作業の場所や
安全装備の装着場所などにも
同じ掲示をするべきでしょう。

残念ながらこの作業所では、
”お知らせ”に記載しただけで
それ以上の掲示は
行っていませんでした。

注意して読むのか?

2点目は、
毎週発行の”お知らせ”を
ほぼ全員が手にしたとしても、

手にした全員が、
たった2行の安全装備の装着
の部分を読むのか?
という点です。

毎週発行の”お知らせ”は、
A3判の裏表面に、
大きな文字とはいえ
業務に関する多くの注意事項や
”お知らせ”が掲載されています。

安全面に関する記載内容も、
今回の安全装備の装着以外にも
他の機材の扱いや
作業記録などの事項が書かれています。

それと同レベルで記載された内容を
どれほど注意して読むのか?
ということです。

脅しても効果なし

そして3点目は、その記載の仕方です。

今回は2回にわたり
同じ作業場所、類似の作業で
同様の労災が発生しています。

その対策として
安全装備の装着をルールとして
義務付けようとしています。

”お知らせ”の中でも
あるいは、
その他の掲示の際にも

なぜ労災案件が発生したことを
明確に公表しないのでしょうか?

事故を公表しなければ、
安全装備の装着が
ルールとなり義務となった理由が
そもそもわかりません。

今回のルールに従わないと
該当の作業が制限される、
できなくなるとはいえ、

それは”お知らせ”に記載された
他の機器類の扱いや
作業記録の場合でも同じです。

しかも。

この様に記載をして、
厳格に運用している、
実際に作業ができなくなった人が
ルール違反で多発している
というのならわかりますが、

その様なことをすれば
所内の作業が滞るので、
実際にはかなりユルユルで
運用してきています。

注意されることはあっても、
作業の制限がされる、
作業ができなくなることは
とても少ないです。

作業の制限という脅しをしていますが、
派遣やアルバイトにとっては
たいした脅しになっていません。

原因を隠したから

この様な3点を背景として、
定期発行の”お知らせ”を
派遣やアルバイトの方が手にしたとしても、
そして該当の文章を読んだとしても、
そこに注意が払われません。

「ふーん、そうか」
程度の感心しか持たれません。

そして忘れ去られます。

なぜなら、
本当のことを伝えずに、
上っ面の誤魔化しを
伝えているからです。

今回の場合、
安全装備の装着を
ルールにした発端は、

安全装備に関連する
労災事故2件が発生したことです。
これが起因です。

これを真摯に伝えることです。

事故が発生した。
働く人に危険がある。
その危険を回避するために
この様なルールを作った。

このことを
明確に伝えるべきです。

この部分を吹っ飛ばして
伝えないので、
読む側からすると
感心もわかないし、
注意も起こりません。

実際に事故に遭遇した
アルバイトの方の周りでは、
怪我をしているので
「どうしたの?」という話になります。

「実は◯◯の作業で
こんな怪我をしてしまって。

作業にそれほどの時間がかかるとは
思っていなくてね、
◇◇の安全装備をつけなかったんだ。

今回のこともあって、
◯◯作業では◇◇の安全装備の装着が
ルールになったんだって。

毎週発行の”お知らせ”にも
書かれていたよ。」

「へぇー、そうなんだ。
そんな怪我になるんだね。
気をつけないと。

◇◇の安全装備をつける様にしよう。」

この様な会話が交わされました。

◯◯の作業で労災事故が起こった。

実際に怪我をした人がいる。

自分も◯◯の作業に携わる。

注意しないと
自分も怪我を負うかもしれない。

怪我をしないために
安全装備の装着がルールになった。

そりゃ当然だよね。
自分も注意しよう。

と考えるでしょうし、
安全装備の装着を気にかけるでしょう。

重要度は高く無い!?

この点を考えると、
派遣やアルバイトの方に伝える際には、
この事故に関することだけを
際立たせて記載するでしょう。

この内容だけを取り上げて、
状況や経緯などを
詳しく伝えるでしょう。

同じ様な事故が
再び起こって欲しくは無い、
と考えれば当然のことです。

毎週発行している”お知らせ”に
記載して告知するのですから、
この労災案件について
多くの紙面を割くことが
できるでしょうし、

そうしてでも重要だから
伝える必要がある内容でしょう。

今回の”お知らせ”での記載の様に、
他の作業の機器類の扱いや
作業記録の内容と
同列で書く様なことはしないでしょう。

なぜなら、
重要度合いが異なるからです。

機器類の扱いや作業記録の事柄と
一緒に記載するということは、

これらの内容は重要度がほぼ同じ、
と読む側には受け取られます。

しかも今回の”お知らせ”への記載は、
他の作業の機器類の扱いが最初、
次に今回の安全装備の装着の件、
そして最後に作業記録の内容でした。

ということは、
3項目とはいえ重要度合いは、
他の作業の機器類の扱いがトップ、
安全装備の装着はそれ以下、
と受け取れます。

その程度の認識をしてくれれば良い、
ということです。

その様な伝え方で
「安全上のルールとして重要だ」、
というのは無理があるでしょう。

意図を隠したから

”お知らせ”に記載した内容は、
安全装備の装着がルールになった、
ということだけです。

今回の安全装備の装着を含め、
機器の扱いや作業記録など、
これらのルールが厳守できないなら、
該当する作業ができない、
制限されるということです。

本来伝えたいことは、
「作業者の安全を確保したい」、
ということではないでしょうか?

安全装備の装着の件において、
作業ができないとか、
作業が制限されるということは、
ハッキリ言って
どうでも良いこと、二の次です。

他の作業の機器類の扱いや
作業記録の内容とは
別の範疇の話です。

作業者の安全を考えると
装備の装着をルールにして
厳格に守ってもらう必要がある、
ということを

なぜストレートに
伝えないのでしょうか?

装備の装着を怠ると
作業者であるあなたも
事故に遭い
怪我をする可能性が高くなると

なぜストレートに
伝えないのでしょうか?

本当に伝えるべきこと

相手に伝えたい。
知ってほしい。
伝えた内容を守ってほしい。

この様に考えるのならば、
伝えることに至った経緯、
背景をハッキリさせることです。

今回の事柄ならば、
同様の労災事故が
同様の作業中に
続けて起こったことです。

経緯、背景を明らかにした上で、
どの様なことを伝えたいのかを
ハッキリさせることです。

今回の場合は、
事故が再発することで、
当然、作業者の安全に
関わるということです。

作業者の安全を守る観点から、
安全装備の装着を
ルールとして義務付けることにし
ということです。

そして、伝えた内容を理解し、
実施しなかった場合の影響を
明らかにすることです。

今回の場合は、
作業ができない、制限される
という二次的な影響ではなく、

そもそも作業者が怪我をすること、
それによって働くことに影響する
ということを伝えます。

そして最後に、
伝える媒体を考え、
対象となる人が
伝えたい内容に触れる機会を
多く設ける様にします。

今回の場合ならば、
”お知らせ”への記載を
他の事項と併記するのではなく、

今回の項目だけを
明確に大きく取り上げることです。

”お知らせ”だけではなく、
誰もが見るだろう掲示板や
◯◯作業の場所、
安全装備の装着場所
などにも掲示することです。

この様なことに気を配り、
実際に行うので、
相手に必要な事が
伝わる確率が高まります。

伝えたい内容に沿って
相手が行動する確率が
高くなります。

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