目標を設定する意味

公開日:2019/05/29

更新日:2019/06/10


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

年度計画や中期計画などの中で、
目標数字を予算として設定している
と思います。

毎月、四半期、半年後。
実績数字と比較すると、
目標数字に達していないことが、
本当に多いと思います。

目標は、いつまで経っても、
達成できないものです。

当たり前に達成できないのに、
なぜ目標、予算を
設定するのでしょうか?

今回は、
目標を設定する意味を明らかにします。

 

予算未達を繰り返す

目標設定は、
具体的で計測できることが必要だ、
と言われます。

計画を作った時、
もっともこの条件に適合するものが、
予算数字です。

年間の売上、経費、営業利益の
予算数字を設定し、

前年の実績を参考にしながら、
四半期、さらには月々に配分し、
月次の予算表が出来上がります。

年度が始まり、
マーケテイングや営業、商品開発など、
実際の活動を始めます。

毎月、目標数字の達成状況を、
予算と比較するでしょう。

ほとんどの場合、
実績数値は予算未達、
目標数字に未達です。

この様な事を、
毎月、毎四半期、毎年、
繰り返していることが少なくありません。

 

設定した目標は達成できるか?

ちょっと想像して見てください。

あなたがある陸上チームの
監督、コーチです。

チームのこと、
所属する選手のことを考え、

一年後の著名な大会で、
表彰台に立たせたい、と考えています。

簡単にするために、
100mレースの話に絞りましょう。

該当する選手Aさんにも、
著名な大会で表彰台を目指すこと
を伝えました。

今までの大会の記録、
優勝タイムなどを調べ、
100m、11秒8ならば表彰台に立てそうです。

現在のAさんの記録が、
12秒1だとしましょう。

Aさんは、一年間のトレーニングで
0秒3を縮める必要があります。

毎月の記録会で、
Aさんが目指す目標記録を設定し、
本人にも示しました。

ここで質問です。

Aさんは一年後の著名な大会で、
11秒8の記録を出し、
表彰台に上ることができるでしょうか?

いかがですか?

 

目標が達成できない1つ目の理由

11秒8の記録を出し、
表彰台にのぼる可能性はありますが、

現実には2つの理由で、
達成することは難しいでしょう。

1つめの理由は、
任せても良くなることはないからです。

毎月、記録会で計測しても、
Aさんのタイムが短くなることは
期待できません。

Aさんが毎日、
一所懸命にトレーニングをしても、
そのやり方でタイムが縮まるかは、
全くわからないからです。

日々の練習・トレーニング方法を本人に任せていては、
タイムを縮められる素養が
例えAさんにあったとしても、
実際にタイムが縮まるとは限らないからです。

というより、
どんなに選手が一所懸命に、
日々トレーニングをしても、

ほとんどの場合、任せてしまうと、
記録が良くなることは望めないし、実現しません。

監督、コーチのあなたが、
練習方法をアドバイスし、
選手と一緒に取り組み、

毎月の記録会の結果から、
次の練習内容を調整する。

この様なことを繰り返さないと、
記録が縮まることは実現できないわけです。

 

目標が達成できない2つ目の理由

二つめの理由は、
結果は思い通りにはならないからです。

目標を達成するという結果は、
実現できるとは限らないからです。

監督・コーチのあなたとAさんが協力して、
タイムを縮める効果的な練習を
毎日繰り返したとしても、

Aさんが100m 11秒8に
到達するとは限らないからです。

12秒0までにしか、
タイムが縮まらないかもしれません。

あるいは、
毎月の記録会では11秒8を
コンスタントに出していても、

目指していた著名な大会で、
体調や調整の関係から、
11秒8が出せるとは限らないからです。

さらに、
Aさんが決勝で11秒8を出したとしても、
決勝に出走した他の選手の中に、
11秒7代のタイムでゴールした選手が3人いれば、
Aさんは表彰台には上がれないからです。

目標を設定しても、
実現するための
具体的な練習に取り組まなければ、
目標が達成できるとは限りません。

効果的な練習に取り組んでも、
実際の結果が思った様にならないことが、
実際には多いのです。

 

目標予算は実現しない

あなたの会社、経営、事業で、
予算数字を設定し、
活動は部門や社員に任せて、
毎月、予算と実績を対比している状態は、

目標記録を設定し、
毎月の記録会をやって、
Aさんの練習に任せている監督、コーチと同じだ、
ということに気づかれたでしょう。

これでは記録が良くなることが容易ではない様に、
経営、事業でも、実績が予算に近づくことが、
難しいことがわかると思います。

だから、毎月、毎四半期、毎年、
予算未達になります。

そして、目標予算を設定して、
具体的に取り組む内容を明らかにして、

実際に業務に反映したり、
営業活動などを行ったからといって、
目標予算が達成できるとは限りません。

取り組んだ内容が上手くいっても、
お客様の都合で翌期にずれ込み、
売上につながらないこともあるからです。

経営、事業においても、
必要なことをやったからといって、
目標に設定した望む結果が得られることは、
現実には簡単には起こらないからです。

 

目標を設定する意味

この様に考えてくると、
目標を設定する意味があるのか?
という疑問が出てくるでしょう。

敢えて言いますね。
目標を設定することに意味はあります。

経営、事業に当てはめると、
予算数字を設けることには
大きな意味があります。

では。

予算数値などの目標を
具体的に、そして計測できる様に
設定する理由は何なのでしょうか?

予算などの目標は、
その数字を達成させるために設けていると、
多くの場合考えています。

先ほどお伝えした、
目標達成が難しい2つの理由を考えると、

この様な考え方は、
ズレていることがわかるでしょう。

目標を設定する理由は、
目標値を達成させることが第一の意図ではありません。

もちろん、
達成しないよりは、
達成できた方が良いです。

目標に近い結果が得られることが好ましいです。

しかし、
それが絶対的に第一番に重要なこと
ではないということです。

なぜなら、
先ほどの陸上競技の場合の2番めの理由の様に、

思った様な結果、望む結果には、
ならないことの方が圧倒的に多いからです。

では、なぜ予算の様な
具体的な目標を設定するのでしょうか?

それは、
陸上競技の場合の第一の理由が
大きく当てはまります。

予算などの目標数字を設定することで、
どの様な行動を具体的に行うのかを考え、
実際に行動するためです。

どの様に行動して、
目標である予算を達成しようかを考え、
実行することによって、

今まで不足していた点が明らかになります。
機能していない点が明らかになります。
新たに取り組む内容が明らかになります。

それによって、
今までの活動、行動を改善し、
より良くすることができます。

今までより良い成果、良い結果が
得られる様になります。

なぜ目標を設定するのか。

それは、今までの仕事のやり方、
業務のやり方を、
改善、改良するためです。

場合によっては、
改革することにもつながります。

単純に考えてみてください。

「業務を良くしよう!」
「仕事を良くしよう!」などと叫んでも、
何も変わらないでしょ。

社員はちっとも動かないですよね。

そんなことは、
社長、経営者のあなたは、
もう経験済みだと思います。

しかし。

目標を設定し、
それを実現するためにどうするのか、
を掘り下げていくと、
今の状況を変えるキッカケになることが多いです。

実際の行動につながるので、
仕事、業務が変わります。

その結果として、
予算達成に近づいて行きます。

 

目標を設定する意味(まとめ)

目標を設定する意味は、
目標数字を達成することを
絶対的に求めているわけではありません。

というより、
目標数字を絶対に達成する、
ということは、現実には無理だからです。

目標数字を達成することよりも、
目標数字を実現するために、
具体的に何を行うのかを考え、
実際に取り組むことが、
具体的な目標を設定する意味です。

今の仕事、業務、事業のやり方を見直し、
より良い内容に改善、改良、
場合によっては改革するために設定するものが、
具体的で計測できる目標の設定です。

仕事、業務、事業のやり方をより良くしていくので、
設定した目標に実績が近づいて行きます。

このことを積み重ねることで、
実績値は高まっていくことになります。

この様に考えると、
目標の設定方法、設定後の対応が、
今と全く異なることがわかってきます。

実績値が変わっていくことが、
実際にわかる様になりますよ。

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