「できない社員」は採用時に生まれる:人の採用と育成(5)

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

ある通販会社の社長と役員から、
その会社の40代の情報システム部門の
社員について相談されました。

情報システムに関する能力が
高い訳ではないとのこと。

その上、仕事は遅いし、
自分から率先して
何かをやるわけではない。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:11分41秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

法に触れる様な悪いこと、
会社の事業に影響する悪いこと
をしているわけではないのですが、

サボるとか、
社内の女性につきまとうとか、
素行はあまり良いわけ
ではないとのこと。

他の社員からの評判が
あまり良くないこともあるそうです。

採用の時の条件で、
結構な給料を払っているので、
それも現状に適していない。

この社員のことが
なんとかならないだろうか?
というのです。

 

採用の経緯

その方の採用の経緯を
社長、役員の方にお尋ねました。

この会社にとって重要な
通販システムを構築し、
仕切っていた役職者の方がいました。

その方が、急遽、
退職を申し出たそうです。

退職1か月前の告知だったのですが、
溜まっていた有給休暇を消化するので、
退職告知から以降は、
ほとんど出社することなく退職。

その役職者お一人で
情報システムを構築し保守しており、

他にシステム部員もおらず、
後継者も用意できずに、
引き継ぎが全くできなかったとのこと。

情報システムの要員がいないことは
通販会社としては好ましくないので
すぐに人員の補充が必要です。

急遽、システム関連の
要員の採用に取り掛かりました。

その様な中で、
相談の対象となった彼が
応募して来たそうです。

役員が面接をしました。

その役員は、
情報システムのことが
よくわかりませんでした。

しかし、
情報システムに携わる要員を
揃えることが必要と考え、

情報システムのことも
彼のこともよくわからないけれど、
なにはともあれ採用に進みました。

そして、社長も他の役員も
その人の採用をOKしたのでした。

 

採用後に露呈

実際に彼が入社して、
情報システムの仕事を任せたのですが、

期待していたほど
情報システムの構築や保守の経験、
知識が十分とはいないことが露呈。

その後、別に情報システムの要員を
採用することになり、
現状は社員2名体制。

さらにパートを1名加え、
3名体制になったそうです。

それもあって、
相談の対象となっている
40代の社員の扱いを
なんとかしたい

ということに、社長、役員が
考える様になって来た
ということの様です。

あなたはこの話を聞いて、
どの様に感じたでしょうか?

この社長、役員の考え、
行動をどの様に考えるでしょうか?

 

組織運用のズレ

自分達が面接をし、
判断をして採用したのに、

今になって、
「使えない、能力に疑問がある。

だからなんとかならないか」とは、

なんとも「虫の良い」話だと、
あなたは思いませんか?

その点は一旦脇に置くとして。

この事象には、
今後の会社の経営にも影響する
いくつかの重要な問題点があります。

1点目のズレ。

今回の人の採用と育成というより
経営、事業の取り組み方が
ズレていると考えることができます。

通販会社にとって、
その事業を支える重要な要素が
情報システムです。

それを考えたときに、
情報システムの構築、保守を
たった一人に任せていた、
という点に大きな問題があります。

社長、役員が、
情報システムに詳しくないとしても、
そもそもの考え方として
ズサン過ると思いませんか?

 

退職時の対応のズレ

2点目のズレ。

もともと在籍していた
情報システムを構築、保守していた
役職者をすんなり退職させたことが
ズレています。

引き継ぎができない状況を
良しとしたことが問題です。

退職日を伸ばすことや、
有給休暇の消化について、
なにひとつ交渉や調整することなく、

有休消化でほとんど出社せず、
告知一か月後に
全く引き継ぎなしでで退職です。

引き継ぎなしで退職させたこと含め、
経営陣として
あまりに安易な対応です。

 

日頃の社員対応のズレ

3点目のズレ。

事業への影響が大きい
情報システムの専門家が
一人しかいない状況でありながら、

告知されるまで、経営陣が
彼の退職に全く気づかなかったこと。

それほど、社員のことに
目が向いていない、
気にしていない点が
大きくズレています。

その後、社長、役員と話をして
わかったことですが、

社長、役員が、
役職者と個別に話す機会が
この会社に全くありませんでした。

社長のお気に入りの
一部の役職者だけが
頻繁に話をしているだけ。

情報システムの役職者は、
必ずしも社長のお気に入り、
というわけではなかったそうで、
ほとんど話をしておらず、

その結果、その役職者の
退職しそうな状況も
把握することができませんでした。

 

そして採用時のズレ

人の採用に関連する
もっとも大きなズレが
次の4点目のズレです。

情報システムの要員が
ゼロになったことがまずいとはいえ、

とりあえず採用した。

彼のことがよくわからないけれど
採用した。

などと言い放つことが
ズレています。

どんな理由であったとしても、
社長、役員のあなたが
採用を決めているのです。

社長、役員の意思決定で
彼を採用しています。

今、情報システムの能力がない、
素行が悪い彼がこの会社に居るのは、
社長、役員の意思決定の結果です。

他の誰の決定でもありません。

この点を考えると、
彼の能力に疑問があり、
作業が遅く、素行に問題があり、
社員からの評判が悪くとも、

それを社長、役員は
受け入れる必要があります。

 

人を採用するとは

社員として採用するということは、
社員が自ら辞めるとならない限り、
通常は退職させることが難しいです。

その様なことは、
今までの経営の間に経験し、
よくわかっていることでしょう。

その人のことを
よくわからずに採用したことは、
将来に禍根を残す可能性があることを
わかっていたはずです。

人を採用することは、
あなたの会社の近い将来に、

良いにつけ悪しきにつけ、
大きな影響を及ぼします。

人を採用するときに、
採用することを真剣に考えれば、

仕方がなく採用するとか、
とりあえず採用しておくとか、
よくわからないけれど
今すぐに必要だから、

のような理由で、
この通販会社の40代の社員の場合の様に
安易に採用を決めることはできません。

あなたの会社の財務諸表を
見てみてください。

費用の多くを占めているのは、
人・社員に関するもの、
人件費であり、人に関する費用です。

しかも、簡単に社員を
辞めさせることも難しいです。

その点を考えると、
とりあえず採用するとか、
仕方がないから採用するとか、
相手のことがわからないけれど採用、
などというわけにはいかないでしょう。

「辞めます」と
社員から突然言われて、

焦るような状況にならないように、
日頃からやっておくことが
わかると思います。

ズレの1点目から3点目の内容ですね。

人を採用すること。
採用した社員を活かすこと。

人、社員の存在を経営、事業に活かすこと。

このことに、
もっと真剣になりましょう。

もっと真剣に考え、
真剣に対処、対応しましょう。

「そんなこと、よくわかっている」
とあなたはおっしゃるかもしれませんが、

今回のお話の様に、
現実はグズグズの場合が少なくありません。

人、社員の存在は、
あなたの経営、事業に
大きな影響を及ぼす
重要な課題のひとつですから

一度、真剣に考え、
対処、対応が適切なのかを
検討してみましょう。

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