成果・結果が激変する指示方法

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

あなたの会社でも
今後の会社の進む方向、
経営戦略、事業戦略を考える
という機会があるでしょう。

その時に、大きなミスをしてしまう可能性があるので、
その点をあなたと共有します。

(動画再生時間:12分37秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

すぐに現状把握したい!

ある会合でお会いした社長さんとのお話。

「これから、
会社の現状把握をしようと考えています。

急いで現状を把握する様に
指摘されているので
早く取り掛かりたいと所なのですが、

そうは言っても
現状把握というと、
結構手間がかかるだろうし、

どうなんだろう
という気もしているのです」
とおっしゃるのです。

今まで現状把握は、
あまりやられてこなかったこともあり、

もしこれから実施するとなると、
結構な作業量になるのでは
と心配もしているとのこと。

急いでとなると、
どの範囲をどうやるか
ということも悩みの種だと
おっしゃいました。

実施する範囲によっては、
社員にかなり負荷がかかるところもあるし、
その辺りも気になっている
と心配をされていました。

経理処理上の勘定科目を上手く設定すると、
ある程度、かなりの事まで
わかるものですが、

その会社では、
その辺りもあまり気にしてこなかったので、
上手く把握できていないと
社長はおっしゃっていました。

このお話を伺って、
最初に気になったことがありました。

このタイミングで、
なぜ急いで現状把握をやる事になったのか、
不思議に思い、社長さんに尋ねました。

 

現状把握をする理由

なんでも、
外資の経営幹部を経験された方に
経営のアドバイザーに
なっていただいたとのこと。

その方が、
”これからこの会社が成長していくには戦略が重要だ。

現状把握がないと、
戦略を構築することが上手くできない”

と指摘されて、
今回、早急に現状把握を
行うことなったそうです。

この会社に今まで、
戦略がなかったわけではなく、
戦略はありました。

これをアドバイザーの方に
説明をしたそうです。

ただ、この戦略には、
エイッ!と決めた部分もあり、
社長さんも上手く説明ができない
ところがあったらしく、

その結果、アドバイサー氏から、

”経営戦略は重要だ。
経営戦略を策定しよう。
その前段として現状把握が必要だ。
現状把握を早くやろう!”

という流れになったそうです。

 

現状把握の作業の中身

この点を伺った私から、
社長にお話ししたことは、

「こんな言い方をして
大変失礼だと思いますが」
と前置きをした上で、

「少し”短絡的”だと思いませんか?」
でした。

急いで現状把握をやることは、
今の状況では好ましく無いことを
お伝えしました。

もう少しハッキリいうと、
現状把握という作業はできるでしょうが、

その結果は
上手く行かない可能性が大きい、
とうことをお伝えしました。

現状把握というと、
どのような内容を
どの様にやろうと
考えているでしょうか?

通常の答えは、
社員数やその男女比や
在籍年数の様な要員構成とか、

会計情報から売上、利益、経費などの
年次の推移を明らかにして、

なぜこのような推移をたどっているのか、
その原因を明らかにする、

のようなことを、
かなり広範囲でやることになるでしょう。

この会社で今回、実施する中身は、
アドバイザーから指摘された内容に、

該当するビジネス書などから
項目を付け足したとのことでした。

そうなると、
かなりの項目を
調べる事になるでしょう。

そのような内容を、
できるだけ早く結果を得たいので、
期限は1ヶ月ぐらいでなんとかしたい。

部門長を各領域のリーダーにして、
部内で仕事を割り振り、
現状把握をなんとかやりたい、
と社長さんは考えていました。

部門長を始め、
現状把握に携わることになるだろう社員たちは、
専任で現状把握の作業ができるのか?
というと、

あなたもお気付きのように、
専任での作業ではありません。

現業、今の業務をやりながら、
専任ではなく、
現状把握の作業をやってもらう
とのことでした。

ここに大きな問題を含んでいます。

 

現状把握の可能性は?

部門長をはじめ、
現状把握に携わるだろう社員の方たちは、

現在は残業をすることもなく、
余裕があるなかで
今の仕事をやっているのでしょうか?

残業は減らす様にはしているとのことですが、
今の状況でも、

夜の8時、9時過ぎまで、
会社に残って作業をしていることは
少なくないのだそうです。

現業、今の業務でも、
時間的に余裕が無い状況です。

その状況で、
1ヶ月で現状把握の作業を
追加しようとしてます。

これで作業が
どちらもできるのでしょうか?

この状況で、
今の仕事に現状把握の作業を加えると、

言い方は良くないかも知れませんが、
”上手くいかない状況へまっしぐら”
に見えます。

今でも仕事量が一杯の状況で、
そこに現状把握の作業を
追加するわけです。

しかも、経営側が、
どちらを優先するのかという
優先順位付けをせずに、

そこは担当する部門長
および担当者に
判断を任せるのだそうです。

この様な状況になった時、
社員は、現状把握と今の業務と
どちらの仕事に注力するでしょうか。

経営側はどちらもやってほしい
と期待をするわけですが、

現場では、どちらもやることは、
物理的に無理となるので、
現在の仕事、今の業務に注力することを
選ぶ可能性は極めて高いです。

その結果、追加で加わる現状把握の仕事は、
まぁそこそこ、
なんとかやっている様に見せる、
なんとかやれた様に見せるでしょう。

冷静に考えてみればお分かり様に、

今の指示内容、
現状把握を追加でやるという指示内容で、

現在の業務、仕事に遅れが出る事無く、
1ヶ月で現状把握ができると
考えられるのかと言えば、

それももう明らかに
難しいとわかるでしょう。

となると、
現状把握が短期間でおこなわれ、
結果がでる可能性は
高いか、低いかといえば、

当然、低い、
ということになるでしょう。

 

新しい作業の指示の中身

現在の仕事と新たに加わる現状分析の業務。

どちらも同じ様にやることには、
無理があります。

どうしても追加の仕事を
実施することが必要ならば、

どちらを優先させるのか、
現在の仕事と新たに加える現状把握の仕事、
どちらを優先させるのかは、
経営側がはっきりと言う必要があります。

単にどちらを優先すると
ハッキリさせるだけでなく、

既存の仕事のどの部分は、
どこまで遅らせるのか、

遅れた部分は、
どの様にリカバリーするのか、

追加の仕事は、
どの部分をどの様に行うのか、

これらを踏まえて全体をまとめて、
仕事のスケジュールをもう一回検討し、

その上で、
追加の現状把握の作業は、
1ヶ月で行うとか、
2ヶ月後にすると、
調整を行う必要があります。

優先順位を明らかにする事無く、
ただただ新たな仕事を指示し、
詰め込んでいる。

「これをすぐにやろう!」と指示を出し、
やらせようとします。

この様な状況が驚く程多いです。

結果として、やらない、
やっても手抜き、
期間内に終わらない、
となってしまいます。

二兎を追うものは一兎をも得ず

の状態になっています。

なぜ優先順位をつけて、
「こちらを先にやりなさい」
と明確にしないのでしょうか?

優先順位を明確にしない、
と言うよりも、

優先順位を明確にできない
のだと思います。

どちらにせよ、
業務に関する指示の出し方には、
注意が必要ですが、

人という社員が対応できる
仕事量には限りがあります。

個人差があるとはいえ限界があります。

それだけに、優先順位をつけることが、
仕事を効率良く進め、
良い品質の成果・結果を導きだします。

社長のあなたが依頼する仕事。

それには、

  • 今やっている仕事、他の仕事との優先順位はついているでしょうか?
  • 実施する社員に、その優先順位を明確に伝えているでしょうか?
  • 優先順位に沿って仕事ができる様に、環境を整えているでしょうか?

例えば、
今の仕事のこの部分は遅らせて良いとか、
遅らせた部分はこの様にリカバリーできると確認をする。

この様な環境を整えているのか、ということです。

是非、この点を踏まえて、
作業の指示、
特に新たな作業を加える時の指示を
意識する様にしてください。

 

 

さて。

今回の追加の仕事である
現状把握については、

作業の指示を出すときに、優先順位をつける以前に、
現状把握の仕事の中身に実は問題を抱えています。

この問題を抱えたまま現状把握を行うと、
作業をやっても骨折れ損のくたびれもうけ
になる可能性が極めて高いです。

この現状把握の中身については、
次回から詳しく考えます。

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