かたよる因果関係:思考の落とし穴(2)【「考え方」基礎講座】

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

ビジネス、経営、事業など
仕事を行う時に
考える際の基本に当たる内容、
ハマりやすい思考の落とし穴と
その回避方法、ポイントをお伝えする第2回目です。

【今回の内容の動画】
(動画再生時間:12分40秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

【前回までの関連する内容】
箇条書きはキケン!:思考の落とし穴(1)【「考え方」基礎講座】
内容の動画(下の画像をクリック:11分4秒)


思考の落とし穴とその回避方法、
ポイントがわかる事で、

あなたが日頃考える事、
思考の精度と質が高まります。

決定する事に大きく影響します。

これらの基本部分を知らないと、
どんな思考方法を用いても、
どんなに時間と労力を割いても、

適切な答えを
導き出すことができません。

前回は、考えを整理する際に
よく用いる箇条書き。

そこに潜む落とし穴を
あなたと共有しました。

今回は、その中でも少し出てきた
因果関係について取り上げます。

 

因果関係の扱い方

「因果関係」

原因と結果の関係です。

ある事象や問題、課題に対して、
それらを結果として考えたとき、
その原因をなる事は何か
という関係の事です。

因果関係が明らかになると
問題、課題、事象の原因が
明らかになるので、

その原因を解消する策を実施すれば、
結果が変わる、
問題、課題が解消するわけです。

しかし。

実際には思うように行きません。
成果をなかなか手にできません。

因果関係を考えているのですが、
1)原因を見逃す
2)影響度の高い原因を見逃す
ことになっているからです。

この様な状況になるのは、
因果関係を見つけ出す、
明らかにする時に、
両極端の対応になることが
少なくないからです。

一方の端は、
因果関係を充分検証しない。

もう一方の端は、
因果関係にとらわれすぎる。

この両極端です。

 

思考が振れる一端

ひとつの端は、
因果関係を充分検証しない状態です。

結構この状況は多いです。

あなた自身、
一人の行動に関わることを
考える時に、

因果関係を深く考えない、
ということはあるでしょう。

直感に任せる。
直感のひらめきに任せて考え、
物事を決め、行動します。

今日のランチは何を食べよう、
と決めることと似たようやり方です。

例えば、
昨日のランチも焼魚定食だった。

けれども、今日も同じ定食屋さんで
焼魚定食にしよう、
のようなことです。

要は直感で焼魚が食べたいから、
昨日のランチが焼魚であっても、
昨日の夕食に魚料理があっても、
朝食に焼魚があっても、関係ない。

今は焼魚が食べたいから、
ランチは焼魚定食と決め、
定食屋に向かうようなことです。

あまりにも簡単な例ですが、
このように物事を決めることです。

あなたのランチの話なので、
そこに理屈はいりません。

昨晩はブリの煮付けだった。
焼魚の香ばしさ、
歯ごたえが今は欲しいから、
だから焼魚だ、

などの因果関係を
作り出す必要もありません。

経営者仲間や社員に、
焼魚のランチを食べる理由を伝え、
理解してもらう必要もありません。

そこに因果関係は
必要ありませんから、
因果関係を深く
考える必要もありません。

 

社員に分かってもらう

例のように、
あなた個人が決め、
あなただけが行動するならば、
因果関係を深く考えることは
全く必要ありません。

しかし。

経営、事業に関して、
考え、決め、行動する時には、
このようなわけには行きません。

社長、経営者のあなたが決め、
社員にすべて指示をして動かし、
自分のこととして
結果を扱うならば、

因果関係を深く考えずに、
直感に任せても良いでしょう。

現実には、
社長、経営者のあなたが、
すべてを指示し、動かし、
結果を自分のこととして扱うことは、
実際には容易なことではありませんね。

社員に任せたいところがあるし、
実施する時には、
社員自身にも考え欲しいし、
その上で行動して欲しい。

結果には注意を払って欲しいし、
結果から次につなげることも
社員自身に取り組んで欲しいでしょう。

それには、あなたの考えを
社員に説明しなければなりません。

社員に理解してもら、
納得してもらう必要があります。

他の人に伝え、理解し、
納得してもらうためには、
因果関係を明らかにする、
わかるようにする必要があります。

因果関係を他の人である社員に
わかってもらうためには、
原因と結果の関係を
深く考える必要があります。

本当にその結果の原因なのか。
その原因が結果をもたらすのか。

この点を深く考える必要があります。

 

誤魔化しの因果関係

そんなことは当たり前だろ、
と思われたかもしれません。

当たり前のことなのですが、
世の中には、この因果関係を
都合良くごまかした例が
本当に多いです。

それに誤魔化されてしまうことも
少なくありません。

ハッキリとではなく
関係性を示されると、
「そうだな」と受け入れてしまう、
という癖が脳に
どうもある様です。

先日、ある広告を見ていた時です。

その広告では、
オフィスの建屋や内装が
木材加工されていると、

社員の作業効率が劇的に高くなる
とうたっていました。

この内容をどの様に思うでしょうか?

作業効率が高くなるなら、
オフィスの内装を木製にすることも
検討してみようとか、

次オフィスを移る時には、
内装のことを考えよう
などと思う方が、
いらっしゃるかもしれません。

説明をすると
お気づきだと思いますが、
この因果関係を変ですよね。

この広告では、
木製の内装のオフィスが原因となり、
社員の高い作業効率という
結果が得られるという関係性です。

こんなこと信じられますか?

この関係性が適切ならば、

言われないとやらない
指示しても熱心にやらない
このような状況でも、

木製内装のオフィスにすれば、
ドンドン劇的に
作業がおこなわれるようになる、
と考えてもおかしく無いでしょう。

冷静に考えれば、
ズレていることが、
お分かりになると思います。

 

勝手な都合の因果関係

社員が熱心に仕事に取り組み、
業務を行っている状態で、
木製内装のオフィスになると、

仕事の効率が劇的によくなる、
ということは考えられると思います。

料理を熱心にやる人に、
便利な調理器具や
調理環境を用意すると、

さらに手早く、
料理を作るでしょう。

しかし、料理を日頃、
ほとんどしない人に、
どんなにすごい調理器具、
調理環境を用意しても、

料理を作ることはないし、
料理が手早くなることも
起こりません。

これと同じことです。

広告の例の様に、
提示される因果関係には、
注意が必要です。

騙す意図があるとは限りませんが、
本来の因果関係を逸脱して、
提示側に都合の良い関係を
示しているだけのことが多いです。

あなた自身が考えついた
因果関係にも、
同じ様に注意が必要です。

あなたの都合が、
そこに組み込まれている
可能性が少なく無いからです。

 

偏っていない因果関係

偏った因果関係では、
それを説明しても
相手は違和感を感じるだけです。

そんなに敏感か?
と思うかもしれませんが、

人の感覚は結構敏感に
この手の違和感を感じ取ります。

違和感が気になり、
他の点に注意が向きません。

そうなると、聴くことにも
たどり着きません。

因果関係を理解するとか、
納得することには
全くたどり着かなくなります。

因果関係を明らかにして
説明をしているのに、
理解を得られない理由の一つが、
実はこの点にあります。

因果関係があるから大丈夫、
ではなく、
因果関係の適切さが
求められます。

それには、
この結果をもたらす事柄、
この結果の原因はこのことだ、
という思考では足りません。

原因と思える事象が、
本当に結果を導き出すのか
検証をすることです。

例えば、
木製内装のオフィスになると、
社員が熱心に仕事に取り組み
作業効率が高くなることが、

本当に起こるのだろうか
考えてください。

説明した様に、
実際にはそう簡単ではないと
想像ができるでしょう。

何か他の前提が
あるからではないか、
と考えることでしょう。

原因の事象が
本当に結果の事象を
導き出すのかを考える。

これが、偏った因果関係から
脱出する方法です。

因果関係が明らかになったら、
本当に原因なのか、
この事象が結果を引き起こすのか、

その点を確認してください。
充分に検証をしてください。

今回は、両極端の一つの端、
因果関係を充分検証しない
について、
あなたと共有をしました。

次回はもう一方の端、
因果関係にとらわれすぎる、
についてあなたと共有します。

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