原因を見逃す理由:思考の落とし穴(3):「考え方」基礎講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

ビジネス、経営、事業など
仕事を行う時に考える際の
基本に当たる内容、
ハマりやすい思考の落とし穴と
その回避方法をお伝えする第3回目です。

【今回の内容の動画】
(動画再生時間:9分54秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

【前回までの関連する内容】
箇条書きはキケン!:思考の落とし穴(1)【「考え方」基礎講座】
内容の動画(下の画像をクリック:11分4秒)

かたよる因果関係:思考の落とし穴(2)【「考え方」基礎講座】
内容の動画(下の画像をクリック:12分40秒)


思考の落とし穴とその回避方法、
ポイントを知らないと、

ロジカルシンキングなどの
どんな思考方法を用いても、
どんなに時間と労力を割いても、

適切な答えを
導き出すことができません。

思考する、考える際に
よく出てくる因果関係について、
前回から取り上げています。

因果関係を考える時に、
両極端の考えになることが
少なくありません。

その一方の端は前回取り上げた
因果関係を充分検証しないことです。

今回は、もう一方の端、
因果関係にとらわれすぎる点
について、

あなたとその中身と
対応方法を共有します。

 

原因を見逃す

因果関係を考える時に、
原因を見逃すことが起こります。

「因果関係を考えているのに
原因を見逃すなんて
そんなバカなことがあるのか?」
とあなたは思ったかもしません。

しかし、現実に
因果関係を明らかにして、
この原因を解消する施策を行っても、

成果を手にできない現実が、
社長、経営者のあなたの目の前に
横たわっているのでは
ないでしょうか?

因果関係を明らかにしているのに、
なぜこのようなことが
起こってしまうのでしょうか?

 

原因をたどる

ある事象という結果に対して
「この結果が生じる原因は何か」と考え、
原因を探ります。

次に、その原因の原因を考えます。

原因の原因を見つけ出すと、
次には原因の原因の原因を探します。

この様に原因の原因を
ドンドンと辿ろうとします。

トヨタは改善を行うときに、
「なぜ」を5回繰り返すことで
根本的な原因に辿りき、

その原因を解消する解決策を行うので、
成果を出すことができると
以前よく言われました。

これもあったからでしょうか、
原因の原因を探し、
原因の原因の原因を
探そうとします。

「なぜ」を5回繰り返すということは、
結果の原因の原因の
原因の原因の原因にまで
たどり着くということです。

「なぜ」を5回繰り返すことの是非を
議論するつもりは毛頭ありません。

原因の原因を辿っていけば、
大元の根源となる要因に
突き当たります。

その根本の要因を解消すれば、
当然、結果を変えることが
できますから。

 

実際には難しい

しかし。

「なぜ」を5回繰り返すことを
実際にやった経験がある方は
お分かりになると思います。

「なぜ」を5回繰り返して、
原因の原因を辿ることは
容易なことではありません。

結果に対して「なぜ」を
2回ぐらい繰り返し、

結果の原因の原因となる
要因を見つけるくらいまでは
なんとかできます。

その先が容易ではありません。
なかなか次の「なぜ」の答え
結果の原因の原因の原因が
導き出せません。

「そこを脳みそに汗をかいて、
いろいろ考えるから、
結果の本当の原因が
導き出せるんだ」
という意見はよくわかります。

よくわかりますが、
実際には容易ではなく、
その時点で挫折します。

先に進めないならば
「脳みそに汗をかけ」
となっても、
意味がありませんね。

理屈はわかっても、
実践できないのでは
役に立ちません。

 

因果関係の害

脳みそに汗をかいて、
一所懸命に考えることは重要です。

ただし、もう少し考えることが
やり易くする必要はあります。

結果の原因を考える時、
2つめの原因を探り終えると
行き詰まる理由が
いくつかあります。

その一つが、
因果関係に固執することです。

これは原因と結果の関係という
因果関係そのものに固執するな
ということではありません。

多くの場合、
私たちは因果関係を
この結果を生み出しているのは、
この事柄が原因だと考えます。

この結果の原因はこれで、
その原因の原因はこれだ、
のように、

1対1で結果に対する原因が
つながると考えることが多いです。

この結果を生み出しているのは、
これが原因だという考え方です。

なぜを5回繰り返す場合、
この結果に対して
最初に導き出した原因、
これを元して次のなぜを考えます。

これを繰り返します。

図解すると、
結果 ←原因 ←原因←原因←原因←原因
と考えようとします。

結果に対する最初の原因が、
結果に対する主要な原因ならば
この考えの道筋、思考過程に
脳みそに汗をかかせる事は
効果があるでしょう。

一方、もし、
結果に対して導き出した
最初の原因がズレていると、

その先の原因を考えることが、
容易ではなくなりますし、

導き出される原因は
結果に対する根本の原因
にはなりません。

あなたはすでに
お気づきだと思います。

因果関係は1対1ではない、
ということです。

多くの事柄に対して
ひとつの事柄が原因となり、

その結果を生じているわけ
ではないのに、
1対1で物事を考えてしまいます。

その事象の他の原因を
見逃してしまいます。

ひとつの原因を
見つけたがために、
他の原因を
見つけることに至りません。

今気づいている原因より、
結果に大きな影響を
与えているかもしれない原因を
見逃してしまう可能性があります。

見つけた原因の結果への影響が
大きくなかったために

解決策を行っても、
芳しい結果が得られない
理由のひとつのが
1対1の因果関係を
導き出したことにあります。

 

複数の関係性

一つの事象は複数の原因により
導き出されています。

ある一つの原因は、
複数の結果を導き出す場合もあります。

原因と結果は
複数 対 複数、
多対多の関係で成り立っています。

複数の関係性の中で、
現状ではこの要因の
影響が強い、大きい
というだけのことです。

ということは、
複数の要素、原因を導き出し、
関係性を明らかにする必要が
あるということです。

1対1の因果関係に
とらわれてしまうので、
原因の究明、根本の原因に
たどり着きません。

原因の解決策を講じても、
結果を変えるほどの
状況にできません。

複数の関係性をみつけだすこと。

これはテクニック、
技術上のやり方です。

学習することも
身につけることもできます。

これらのテクニック、技術を用いて
複数 対 複数、
多対多の関係性を見つけ出します。

それを元に
さらに脳みそに汗をかく、考えるから、
根本の原因に近づくことができます。

次回は「考え方」基礎講座第4回目です。

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