成果を妨害する「もっともらしい理屈」

公開日:2019/07/05

更新日:2019/07/02


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

もっともらしい理屈に納得して、
結局振り回されて、
何も解決しなかった、
という経験がないでしょうか?

(動画再生時間:9分12秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

 

3つあれば十分

情報番組を見ていると、
片付けに関するコーナーが結構あります。

たまたま、先日、
ある情報番組を見ていたら、

キッチン片付けアドバイザー
と称する女性が芸能人を従え、
視聴者宅を訪問し、

片付け場所をとっているフライパンを減らして、
片付けられる様にする、
という場面でした。

視聴者のお宅には、
フライパンが3つと
四角形の卵焼き器2つ、
計5個が並べられています。

片付けアドバイザーの女性が、
フライパンを減らす観点として、
最初に指摘した点は、

「こちらのお宅は、
コンロが3つ口なので、
フライパンは3つあれば十分。

全部のコンロに
フライパンを乗せても、
3つまでですから」と発言。

居合わせた芸能人が、
「なるほど。そうかぁ」と、
口を揃えて反応。

”いや、おかしいでしょ。その理屈”
と思ったわけです。

 

減らしていくと

実際にどうやって減らすのか
と見ていました。

まず卵焼き器2つを並べて、
「1年近く使っていないのはどれですか?」と、
アドバイザーさんが、
その家の奥様に尋ねます。

「正方形の卵焼き器は、
1年近く使っていない。
今日久しぶりに見ました」
と奥様が答えました。

この回答で、
正方形の卵焼き器は、
廃棄が決まりました。

次に3個のフライパンです。

卵焼き器の様に、
1年ぶりに奥様が見たという
フライパンが無かったので、
次に直径と深さを比較します。

同じくらいの直径の
フライパンがあるので、
どちらかは不要にできます。

違いは、フライパンの深さ。
一つは浅く、一つは深いもの。

直径の大きなフライパンが浅いので、
残すフライパンは深めを選びます。

これで、
直径が大きく浅いフライパンと、
直径が少し小さく深いフライパン、

そして、長方形型の卵焼き、
が残す対象になりました。

アドバイザー曰く、
「あとは片付け方ですね」と。

 

もっともらしい理屈

この先は、
片付けの話になったのですが、
そもそも、ちょっと待ってよ、
なのです。

たまたま使用頻度の低い
正方形の卵焼き器と、

似た直径のフライパンを
1個なくすことにして、
5個から3個に減りました。

もし頻度と用途で減らしても
4個が残ったら、どの様にして
3個に絞るのでしょうか。

考えてみると、
3個に絞る理屈は、
他にはないだろうことが、
容易に想像できます。

重要なことは、
使用頻度と用途であって、
コンロの口数に合わせる意味は、
どこにもないのです。

「コンロの口数に合わせる」
「なるほどー!」
だったわけですが、
大した話では無かったのです。

もっともな理屈っぽく、
仕立て上げられたものだったわけです。

どうも私たちは、
最初に簡単なことを言われると、
それが適していると、
思ってしまう傾向がある様です。

本当は関係ないのに、
もっともらしい理屈に、
乗せられてしまうのです。

 

本当の観点

今回の減らす過程を考えると、
必要な観点が、
コンロの口数ではない
ことが容易にわかります。

頻度が低ければ、
使わないから無くても大丈夫。

直径が似ていると用途は似る。

深さがあれば、
より広い用途で使えるから、
残した方が便利。

頻度と用途。

この観点で選ぶだけです。

3つ口コンロだから、
フライパンを3つにする、
ということには、
理屈がないことがわかります。

コンロの口数と合わせた、
という簡易さと、
最初に言われたことで,
納得していただけです。

実際には、
説明できるだけの中身は、
そこにはなかったわけです。

 

掘り下げて考える

最初に簡潔なことが示されると、
それが適していると思う傾向、

もっともらしい理屈に、
乗せられてしまう傾向が、
どうも私たちにはあります。

同じことは、
事業や経営でも起こります。

問題や課題があった時、
その原因や理由として、

もっともらしい事柄を引き合いに出して、
納得してしまうことが、
少なくありません。

社員がやらないのは、
教育ができていないからだとか、

福利厚生を整えると、
社員のやる気が出るだとか、

戦略や計画を作れば、
業績が良くなるとか。

因みに、
教育をしても社員はやらないし、

福利厚生を良くしても
社員のやる気は出ないし、

戦略、計画を作っても、
何も変わりません。

成果につながらないわけです。

掘り下げて考え、
本質を捉えることが、
成果につながる解決方法を、
導き出してくれます。

フライパンの話の様に、
コンロが3つ口だから3つ、
なんて理屈では無く、

使用頻度と用途で考えれば、
減らすことができる様に。

簡単に導き出されたこと、
提示されたことは、

もっともらしく見えるだけで、
実はズレていることが、
本当に多いです。

これが原因だと提示されて、
そのための解決策をやったのに、
うまくいかなかった事が、
あなたには、あるでしょうか?

例えば、

社員が実施しないのは
コミュニケーションが
足りないからと指摘され、

コミュニケーションの機会を
増やしたけれど、
結局社員はやらなかったとか。

いかがでしょうか?

 

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