不幸になる採用:人の採用と育成(12)

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

人の採用と育成に関するシリーズの
今回は第12回目です。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:11分50秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

 

かなり不気味です

ある年の10月
ハロウィーンムードが
街中に溢れているときのことです。

少し時期外れかもしれませんが
聞いてください。

あるチェーン系のカフェに、
仕事上の話をするために
知人と入りました。

直営店ではなく、
フランチャイズの店舗です。

カウンターで並んで注文します。

レジには若い女性スタッフ。

いかにも学生アルバイトです。

しかも、入り立てで
慣れていない感じが漂っています。

ハロウィンの時期なので、
ハロウィンカボチャのシールを
右のほっぺたに貼っています。

コーヒーなどを注文をしました。

彼女は一言も発さず無表情のまま、
カンターにトレーを置き、
紙ナプキンを置き、
カップのソーサーを並べます。

その動作は、
テキパキからは程遠く、
なんとも優雅です。

簡単にいうと、
チョーゆっくり
ということです。

トレーなどの用意を
カウンターにし終えると、
彼女が他のスタッフに
今私がした注文を伝えます。

伝え終えると私の方に向いて、
「えっっと、、、
あの〜、

ミルクと、、、
えーっと、お砂糖、、、
お使いになりますか?」
ともったりとした言葉が
発せされました。

「いいえ、結構ですよ。」

少し間があってから
「少々お待ちください。

えっっと、、、
お会計ですけど、、、」

会計を終え、商品を待つために、
カウンターを横にずれるまで、
注文を始めてから
結構な時間がかかりました。

私の後ろには
注文を始めた時にはなかった
数人の待ちの列ができていました。

注文に対応する間、
応対したスタッフの彼女は、
全くニコリともしません。

一般には可愛い
と言われる部類の容姿なのでしょうが、

ニコリともしない
白い無表情の能面のような顔のほほに、
オレンジのハロウィンの
カボチャシール。

不気味です。

 

全くの無表情

席に座ってからも、
知人と話しながら、
チラチラと彼女の動作と表情を、
チェックしてしまいました。

本当に全くの無表情。

先輩スタッフに
教えてもらっても無表情。

手助けしてもらっても
無言で無表情。

お客様との応対は、
常に無表情でゆっくりモードの「能面」。

正直に言うと、

”接客業なのに、
なぜ彼女を採用したのだろう?”です。

以前からいる、
ニコリと微笑むスタッフの方が、
断然好感度が高いです。

接客してもらって、気分いいです。

飲食などの接客業なのに、
スタッフに笑顔すらない、
応対がいまひとつ、
ということ、少なくありません。

「可愛いからと採用したのではないか?」
とあらぬ詮索をしてしまいます。

 

採用した理由

ある会社の支店で起きたことです。

その支店には、半年前ぐらいに
急遽採用した事務職の女性がいました。

なんでも元の事務職の女性が、
いろいろと悪さをして、
急遽辞めることになり、
慌てて事務職を採用したとのこと。

なんか、どこかで
聞いたことがある様な話ですね。

「できない社員」は採用時に生まれる:人の採用と育成(5)
で取り上げた
ある通販会社のIT系社員の例の様です。

詳しくは、リンクを辿って
お読みいただくか動画をご覧ください。

この事務職の採用時には、
会社の事情があり、
支店長が空席だったとのこと。

支店のある事業部門の部長が、
数人の応募者を面接しました。

自部門の事務処理も
させるつもりで選び、
社長の決済で採用したそうです。

採用して事務処理をしてもらうと、
如何せん、問題だらけです。

提出書類を紛失する。
提出が遅れる。

作業を依頼すると、
いろいろ理屈をつけてやらない。

採用面接をした
部長の言うことは聞かない。

支店の小口現金管理を
任せていましたが、
多額の現金の行方が
分からなくなりました。

その時には在籍した支店長が、
採用面談をした部長に、
採用理由などを
尋ねたことがあるそうです。

その答えが、
「前職の法律事務所で
事務処理をやっていたから
大丈夫だと思った。

他の応募者よりは、
楚々としておっとりしていて、
言ったことはやってくれそうだった」
とのことでした。

 

踏んだり蹴ったり

支店長は注意をするだけでなく、
業務のやり方の見直しなどを行い
なんとか改善することを
目指しました。

しかし、どうにもならなくなり、
社長等とも協議をした結果、
会社として自主退職の選択肢を
提示したそうです。

3ヶ月間給与は支払うが
出社せずに転職先を探して良い、
との条件です。

その方と話し合い、
自主退職に応じるかどうか、
期限を設けて
返事をもらう約束となりました。

話し合いの翌日。

支店長が出張している間に、
その方は、オフィスの身辺を整理し、
「自主退職に本日付で応じます」
との書き置きを支店長に残し、
オフィスを引き払ってしまいました。

しかも。

必要な書類や、
PCに保存したデータを
全て処分して。

そのご連絡をしても、
一切応えることはなかったそうです。

必要な書類を処分されたので、
その後は対応が大変だったそうです。

想像できますね。

単に事務処理で問題があるだけでなく、
辞めた時にさらに問題を引き起こし、
その後の対応もしない状況。

支店長は、
「踏んだり蹴ったりだ」と
ボヤいていました。

 

わかる採用をする

カフェチェーンの場合も、
ある会社の支店の場合も、

フランチャイズの経営者さん!
採用責任者さん!

あるいは、
社長さん!部長さん!

何を重視して採用しているのですか!

と突っ込みたくなってしまいます。

「人手が足りない。
働いてくれるならば
とりあえず必要だから」
という観点は
分からないわけではありません。

わかりますよ。
わかりますけれど、
限度があるということです。

「面接では
そんなことまでわからないよ!」
という反論が聞こえてきそうです。

わからないならば、
わかるような採用をすることです。

少しでも、必要な人材であることが
わかるような
採用手段を講じることです。

そのような検討をせずに、
よくある面接をして、
うまくいかない、
というのは、

必要な人材を採用したい
わけではないんですね、
としか考えられません。

ある会社の場合も、
何を持って

事務処理は大丈夫だとか、
言ったことはやってくれる

と判断したのでしょうか?

正直、このようなことが、
1時間にも満たない面接で
スッキリわかるのでしょうか。

このような観点もありますし、
そもそもですが、

楚々としているとか、
言ったことをやってくれる、
ということを採用理由にしている時点で
大きくズレている
としか言いようがありません。

このような内容での採用を
OKした社長、経営者も
ズレているとしか言いようがありません。

今までこのシリーズでも
お伝えしてきたように、

面接者に任せて判断させることは
プラスに働くことはまずありません。

よくある面接だけでは、
必要なことは
ほとんどわかりません。

どのような観点で評価するのか。

その評価点がわかる採用方法なのでしょうか。

人は、経営、事業運営に際して、
極めて重要な経営資源です。

手に入れることも容易ではありません。

手に入れたからと言って
活用することも容易ではありません。

手に入れて活用できないからと
直ぐに簡単に手放せるものでもありません。

だからこそ、

人的資源を手に入れる時点で、
採用方法を
よく考える必要があります。

その点を
あまりにも疎かにしている事例を
今回は2つお伝えしました。

あなたの会社が
今回のような状況ではないと思いますが、
同じようなことが、
いとも簡単に起きます。

起きる前に手を打っておく。
手を打ち、採用方法を改善する。

その視点が、
とても重要になります。

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