OJTは害ばかり!:人の採用と育成(14)

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

人の採用と育成に関するシリーズの
今回は第14回目です。

前回から人の育成について
あなたと共有しています。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:12分9秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

前回に引き続き、
社内での研修方法としてよく行われる
OJTの害について、
あなたと共有します。

経営において社員を育成する方法のひとつ。
OJTはやってはダメだ!
とうことを前回お伝えしました。

参照:OJTで人は育たない!:人の採用と育成(13)

OJTは危険がいっぱいです。

 

形になってりゃいいんだよ!

新入社員が配属されたある部門で、
先輩がOJTで新入社員を育てる際に
実際にあった事例です。

教育担当の先輩社員がM君で、
新人君をOJTで育成します。

M君の先輩で、
リーダー格の中堅社員Eさんが
M君と新人君の育成アドバイザーです。

新人君
「Mさん。
作るように言われた資料なんですが、、、

こんな風に整理して作ったんですけれど、
見てもらっていいですか~?」

M君
「どれ。あーっ、あの資料か・・・。
(サラーッと見て)まぁ、いいんじゃないの~」

新人君
「あっ、いいですか!ありがとうございます。
でも、、、ひとつ質問していいですか?」

M君
「(面倒くさそうに)なに?」

新人君
「同期と話したのですが、
この資料には△□の内容も
含めた方が良いんじゃないかって・・・」

M君
「別にいいんじゃないの~。
(アドバイザーの)Eさんから言われて
俺も君に頼んだんだし。
心配ならEさんに聞いてみ~」

新人君
「ええーっ、僕が聞くんですか~?」

ってことになって、新人君、
仕方なくEさんに質問をしました。

Eさん
「あーっ、それね。
まぁ、形になってりゃいいんだからさ。

そんなことは
心配にしなくていいんだよ。」

新人君
「(ちょっとホットしながら)
いいんですね。よかった~。」

このやり取りは
実際にあった話です。

このやり取りを聞いたとしたら、
社長、経営者のあなたは
どう感じるでしょうか?

もし彼らの横で
私がこの話を聞いていたら、
M君とEさんの胸ぐらを掴んで、
怒鳴りつけていたでしょうね。

ホットした顔をしている
新人君を捕まえて、
デコピンをしていたでしょう。

あなたも同じでしょう。

しかしです。

これが実態です。
この様なことが、
当たり前に多くの場合起きています。

 

かけらもありません

今回のお話の対象は、
仕事への取り組み姿勢です。

これもOJTで教えるべき対象です。

仕事への取り組み姿勢とは、

組織メンバーとしての考え方、行動
仕事をすることの価値や達成感

を指します。

OJTをする、ということは、
現場の教育担当やアドバイザーの先輩が、

  • 組織メンバーとしての共通の考え方・行動の認識があり、しかもそれが実行できる、あるいは実行をしている!
  • 仕事の価値観・達成感について、共通の考えがあり、現場で具現化されている!

という状況である必要があります。

これらのことも、
OJTの前提として必要だ!ということです。

先程のOJT現場での会話には、
この様なこと、微塵も感じられません。

しかし、
このような会話が繰り返されているのが、
実際の現場の姿です。

 

会社にありますか?

あなたの会社では、先輩や上司が、
会社の中の組織のメンバーとして、
共通の考え方、行動内容を、
持っているでしょうか?

あなたの会社では、
「当社の会社人として
こう考える!
こういう行動をする!」
と社員みんなが
知っているでしょうか?

それ以前に、
「会社人としてこう考える!
こういう行動をする!」
ということを、
社員に教えているでしょうか?

社員に教える以前に、
あなたの会社として共通の考え、
行動内容が
はっきりとしているでしょうか?

明示できる内容を持っている会社は、
実際のところは多くありません。

明確に伝えている会社も、
これまた多くはありません。

ということは、、、

上司や先輩が、後輩や新入社員に、
OJTの研修の場で、
自分の思い込みで好き勝手に

組織における行動や考え方を見せている!
言葉にして教え込んでいる!
ということです。

上司や先輩の勝手な思い込み、
手抜きの思想を
後輩に見せ、教え込んでいる、
ということです。

上司や先輩が、
あなたの会社において、
組織に属する会社人として
成長しているかどうかも
実はとても怪しいにも関わらず、

その怪しい状況が連綿と、
後輩に見せ、示され、
伝えられているということです。

こんな環境で、
新入社員や中途社員を育成するとは、
なんと恐ろしいことだと思いませんか?

 

共有できない

あなたの会社での
仕事の価値や達成感を、

新入社員や中途社員は
OJTという研修を通じて感じ、
身につけることができるのでしょうか?

今までの流れで、
何となく想像がつくと思います。

結論を言うと、

あなたの会社の仕事に対する価値観も
仕事を通じて得られる達成感も、
実際のところほとんど伝わらないでしょう。

伝わらないので、
身に付くことはありません。

というより、
先程の現場の会話のように、
却って良くない考えを見ることになります。

それで通用している業務の現場を
体験することになります。

「この程度でいいんだ、
それでいいんだ」ということを
身に付けることになります。

これで人が育つことにつながるでしょうか?
答えは明らかでしょう。

安易にOJTを
研修としておこなうと、
社員のやる気を蝕みます。

先輩や上司のやる気のなさ、
こなすだけの仕事への姿勢、
テキト~におこなう仕事への取り組み。

この様な事ばかりが伝わってしまいます。

そして、
「仕事ってこの程度でいいんだ~。
簡単じゃん!」となり、
やがて仕事を「なめる」ようになります。

それが変な「自信」に転化し、

・俺は仕事ができるのに、評価されていない
・もっと意欲が湧く仕事がしたい
・もっと俺の能力を発揮する場所があるはずだ
と思うようになり、
転職への道を突き進む様になります。

多数の採用面接を
おこなってきたのでわかります。

大した経験も知見も技術もないのに、
凄い自信を持った社会人経験数年生達。

正直に言うと「かわいそう」です。

 

どこにいるか?

職場の上司や先輩は、
同一の仕事への価値観や達成感を、
新入社員や中途社員に
伝えていく必要があります。

異なった内容を伝えたり、
顕著な差があると、
教えられる後輩や新入社員の意識が、
バラバラになってしまいます。

となると。

職場の上司や先輩が、
仕事に対する同一の価値観、達成感を、
共有できているのか、
という点が重要です。

あなたの会社では、
同じ職位の社員間で、
仕事への価値観や取り組み姿勢、
達成感について、

考える機会、話す機会、
整理して合わせる機会があるでしょうか?

それ以前に、仕事の達成感は、
社員の間にどの位あるでしょうか?

「契約がとれた、万歳。」

これも大切な達成感です。

このような瞬間的な達成観だけではなく、
例えば一年間を振り返った時に、
仕事の達成感を得ているでしょうか?

現在の仕事の現場では、
価値感、達成感が
とても希薄だと感じませんか?

人事評価のための評価しか
存在していないと感じませんか?

その原因は、
社員個々の課題であるとともに、
会社側・上司からの仕事の与え方に、
大きな課題があります。

中長期的には、
あなたの会社の仕事に対する
価値観や達成感を
組織内で共有することです。

社員の間で共有することです。

組織内や同時職位間で、
真剣に話し合い、
確認し合う機会を設けることです。

短期的には、
仕事に対する
高い意欲と価値観、達成感、
考え方と行動を有する上司・先輩に
集中してOJT対象者を配属することです。

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