成果につながらない重大な理由は「目標」のミス:社長の経営講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

経営計画や事業計画を作る時の
一つの要素である「目標」。

これがどのような内容の場合、
その目標を基に作った経営計画や事業計画が
成果につながるのでしょうか。

今回はその点を
あなたと共有したいと思います。


「目標」の前にやはり「●●」

四月が近づき、新しい年度、
新しい期の経営計画、
あるいは事業計画を作ろう、

あるいは作り始めている経営者、
社長、事業責任者の方は
少なくないと思います。

経営計画や事業計画の重要な要素となる
「目的」や「目標」、あるいは
計画、施策の内容について
前回からあなたと重要な点を共有しています。

前回は一番の基となる「目的。」

これはどのような内容が必要なのかを扱いました。

経営・事業における「目的」の重要な中身。これがズレているから成果につながらない。:社長の経営講座


今回は二番目の要素である
「目標」について扱います。

まず最初に「目標」とは何かです。

辞書などを引くと
「目印」、「目指す標」、あるいは
「手引き」、「道案内」と定義されます。

この「目標」の定義を経営、事業に当てはめると、
「目標」は目的に到達するために通過、
達成すべき段階の状況、状態のことです。

この内容を図にします。

下が時間軸です。
今現在はこの四角で
斜線の部分ができています。

「目的」、ゴールとして経営、事業が目指すのは
この赤枠の状態と定義できます。

この間における「目標」は何かです。


先ほど説明したように
「目標」は、この目的に到達するために
通過、達成すべき段階の状況、状態を指します。

ということは、まず最初に
「目的」、「ゴール」、
この赤枠線の内容を達成したいわけです。

「目的」、「ゴール」と今現在のギャップが
明確に分かることが必要です。

ということは、前回、
「目的」は具体的な内容である必要性を
お伝えしましたけれども、

「目的」が具体的な内容になっているから
今現在の状況と比較をして
そのギャップが明らかになります。

これが一番最初に重要になる点です。

経営・事業の目標を示すと

そこで次に、「目標」はこのゴールに、
今現在からたどり着くために
到達し通過するべき段階の状況、状態を指しているので、
この図にあるように

例えば一年目は
現状に対して逆の斜線で示した
この黒枠で囲われた内容を
達成することが目標になります。

これができたとして、
その翌年の二年目は

さらにその上の
逆の斜線で囲われた部分が目標になる訳です。

前年の一年目で、
既にこの四角の部分は達成できている前提で
(翌年の)目標を考えていますから、
二年目に実施する内容は
この追加になっている斜線の部分。

これを実行することが
二年目の目標になるわけです。

そして三年目は、
さらにその先として
この斜線でくくった部分が
実現することが目標になります。

そして例えば五年後には
当初想定していたこの赤枠のゴールが
実現できる形になる訳です。

この間の一年目、二年目、三年目のそれぞれの段階。

これが達成する目標です。

この「目標」を経営計画、
事業計画の中で設定をしてますが、

現状多くの経営計画や事業計画を見ると
目標設定に関して
ズレている点が二つあることが
今までの「目標」の内容を考えると
明らかになります。

一つ目のズレている点。

それは「目標」の設定方法にあります。

そしてズレている二つ目の点。

これは設定する「目標」の
中身そのものがずれています。

設定方法のズレとは

まず一番目。

目標の設定方法です。

よく行われている「目標」の設定方法。

これはどういう方法なのでしょうか。

昨年、あるいは
今年が終了するだろうその実績。

この実績の数字をもとに
「目標」を作ることです。

例えば去年の売上額がある。

あるいは、今年、
見通しとしての売上額がある。

それを来年は10%増しにしよう。

今年はこの程度までいくはずだから、
10%増ぐらいならできるはずだと
売上の目標数値を設定します。

この方法のズレいる点。

去年はこのくらいだった。

だからその10%増で
今年を設定することは、
今までの延長線上の中で物事をおこない、
何とか10%増を達成しよう
ということでしかありません。

先程の「目標」の定義でお話しました。

目的の状態から
現在とのギャップを明らかにして
それを逆算して作るもの。

この様な「目的」を達成するためには、
こういう段階を経なければならない。

この様な形で「目標」は作るものです。

前年がこうだったから
その値の10%増しにする。

あるいは、前年こういう風に
なってるからこの様にしよう。

この様な考えで、
目標が成立つわけではありません。

初めてこれからお話しするやり方で
「目標」を設定する方法は次の様になります。

実現するゴールを
まず「目的」として設定します。

それをベースに
五年後はこの「目標」。

三年後はこの「目標。」

二年後はこの「目標。」

だから来期の「目標」はこの内容だ。

この様に設定するものです。

あるいは既に「目標」を設定して、
例えば一年やりました。

二年やりましたという形で
その翌年の「目標」を設定する場合は、
次の様な流れです。

昨年までの結果と
そもそも設定していた「目標」を比較し、評価をします。

目標に対してできているのか。

どこの部分が足りないのか。

あるいは目標よりもできた部分はどこか。

この事をハッキリすることがまず最初です。

次に目標に対して
どれだけ実績が残せたかをベースに、
今まで立てた目標を修正するのか。

修正せずにそのままの「目標」で
来年を設定するのかを
判断する必要があります。

もし修正するならば、
どのような目標に修正をするのか。

修正する理由は何が原因で修正するのか。

これらを明らかにすることが必要です。

この様にして
翌年の目標を設定をします。

中身そのものズレとは

目標設定でズレている二番目の点。

これは設定する目標の中身
そのものがズレています。

よくある「目標」の内容は、
例えば、
来年の売上目標はいくらにする。

あるいは、
利益目標はいくらにする。

この様なものがあります。

「目標」には、
計測可能な項目を設定する必要があると
よく言われるからです。

計測ができることから
数字目標を設定します。

経営、事業における数字目標といえば
売上、利益、あるいは経費。

あるいは業種業態により、
顧客数とか○○した件数です。

いずれにしても数字目標です。

ただし数字は
結果でしかありません。

計測はできますが、
「目標」としての意味合いは
どの程度あるのでしょうか。

この点を考えると、
少し疑問が出てきてしまいます。

数字は結果を示すだけ

例えば、あるお客様から
今年の4月ぐらいに
このぐらいの契約がもらえる
という想定ができていた。

お客様からも4月ぐらいには
いくらぐらいで発注したいと思ってる
という内示に近い意向を
受けているとします。

そうすると営業は、
4月にその売上額を想定します。

このような場合、
4月に売上4百万の契約は取れるでしょうか。

そういう形で発注すると
お客様が意向を示されていたとしても、

もしかしたらお客様の都合で、
2百万円に契約内容が
縮小されるかもしれません。

あるいは、お客様の都合で
4月に発注予定だったものが8月にずれ込み、
8月契約になるかもしれません。

あるいは、お客様の都合で、
4百万と言っていたけれども、
3百万円と百万円に契約が
分割されるかもしれません。

そして例えば、
3百万円は四月だけれども、
残りの百万は12月にならないと
発注できない、
ということになるかもしれません。

さらに来期に契約を
取れる予定だったものが、
来期と来々期に受注が分かれる。

この様なことも起こります。

この様な部分は、
こちらがどんなに色々考えたとしても、
お客様次第で変わってしまう可能性が
極めて高いです。

もちろん、契約、売上獲得のために
取り組むこと、あるいは
努力することは重要です。

予定通り売上が獲得できないのならば、
予定以外の売上を
獲得するための行動をする。

そういった努力や取り組みは必要です。

ただし、その様なことも
思い通り、想定通りにはいかないものです。

そのために目標数字を掲げていても、
その数字をなかなか達成できないと
悩んでいる会社は少なくありません。

目標数字の位置付け

目標数字は、
取り組むこと、実施することを
検討するためのスイッチでしかありません。

例えば売上目標を
前年の五割増しで設定した。

それを達成するためには、
今までと同じやり方では
五割増しは達成できない。

今までのやり方では無理だ。

だからこの五割増を達成するためには、
どうするのか検討を繰り返した。

そして新しいやり方を考え、
それに取り組むことにした。

その結果、
売上が前年の六割増えた。

この様なことが
よく成功事例として出てきます。

この様な成功事例のスタートとして
売上金額を五割増しで設定した、
というようなことが
スイッチの一つとなります。

あくまで五割増しという目標数字は、
今までのやり方を変えるための
きっかけとして掲げているわけです。

その結果、たまたま
六割増しの数字になったというだけのことです。

もしかしたらそれは
3割増だったかもしれないし、
4割増で止まったかもしれません。

しかし前年よりも
やり方を変えることによって
売り上げが増加したという結果を
生んだということでしかありません。

目標数字を活かす観点

そういう意味で、
目標数字を掲げることは
今までの発想を変えるという
きっかけとしてのスイッチになる意味合い
でしかありません。

ですから数字目標
それだけでは
実は意味をなさない訳です。

数字目標を掲げるということでは
成果にはつながりません。

先ほど、よく多くの会社が
悩んでいるように、
昨年の10%増しの数字目標を掲げても
なかなかそれを達成できない。

場合によると
前年より悪い数字結果しか出ない
という様な状況になるのは
ここに理由があります。

何も考えずに
今までのやり方を踏襲する形で
数字目標を扱おうと
してしまうからです。

ですから、この点が
数字目標を扱うときには
注意が必要になります。

数字以外の目標が重要

更に「目標」は数字だけではありません。

なぜなら「目標」は、
「目的」というゴールを達成するための
段階を示すものだということを
最初のところで図で示しました。

このような状態になっている。

このような機能が実現できている。

このような部分を改善している。

この様な内容も「目標」となり得る
ということです。

「目標」の意味合いから考えると
数字目標ではない中身の方が
より重要になると言えます。

なぜならば、
売上や利益の様な数字目標は
お客様に依存する割合が高いです。

先ほど例でお話ししたように、
お客様の都合によって
売上金額が変わってしまうとか、

契約をする時期が変わってしまう
というようなことが非常に多いです。

こちらとして努力はできるし、
行動、努力をすることは必要です。

しかし結果としては
お客様の都合に左右される要素が
非常に多いです。

このことから、
数字目標は結果でしかないことが
本当に言えるわけです。

それに対して、
社内で自分達で機能を作る。

やり方を変える。

状態を変える。

状況を変える。

これらのことは、
私たち自身がコントロールできる比率が
極めて高いです。

経営、事業のやり方や
取り組みに関する部分。

改革や改善につながる部分。

経営、事業が成長する際に
重要になる領域のような部分は、
私たち自身が手を加えて変えること、
コントロールできる部分です。

数字以外の目標部分。
これが設定されていません。

多くの場合、
数字目標だけが設定され、
数字以外の目標部分が
設定されていないので、

経営や事業の中身が
変わらない状態になってしまう訳です。

目標を成果につなげるには

そして先ほど数字目標は、
取り組み、実施内容を
検討する時のスイッチだ、
ということを説明しました。

数字目標を設定することは、
その背後には当然、
取り組みや実施内容が
伴っていることが必要です。

しかし実際には、
数字目標を設定すると
それで終了というケースが極めて多いです。

したがって、
数値目標の達成は難しいし、

経営、事業の目的に
たどり着く段階としての「目標達成」には、
程遠い状態になっているわけです。

したがって、
「目標」を作るためには
この二つのズレている点を
解消することです。

これが今回お話しした
「目標」の具体的な内容です。

これができるから「目標」として
経営、事業や経営計画、
事業計画の中で意味を持ってくる訳です。

では次回は計画の中身は、
どの様な中身が必要なのか。

どういう考え方で作れば良いのか。

この点について
あなたと共有したいと思います。

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