”頭の良さ”がものごとを難しくする:社長の経営講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

「あなたは頭が良いですね。」

この様に他の人から言われたら、
どの様な気持ちに
あなたはなるでしょうか?

嬉しいですよね。

「そうか、他の人から見ると
俺って頭が良いのか。
日頃の勉強の成果
ってところかな」
と思うかもしれません。

これはこれで良いことでしょう。
喜んで構わないと思います。

そして、私たちは、
とかく頭が良いことを
ちょっと目指していたりします。

「頭が良い」と言われることに、
とやかく言うつもりは
全くありません。

頭が良くなる様に
勉強などを熱心に行うことを
避難するとか、
批判する気持ちもありません。

ただし。

「頭が良い」ということには
注意が必要だと考えています。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:14分52秒)

今回は、頭が良い事がもたらす
マイナス面を公開し、
その回避方法をあなたと共有します。

 

まちがった使い方

お客様は”価値”を求めている。

マーケティングで
よく言われる事です。

ビジネス、事業は、
”価値”を提供する事だ。

私もこの点を、
今までにもこの社長の経営講座の中で、
なんども繰り返し指摘をし、
内容を説明してきました。

では、”価値”とは
具体的に何なのか?です。

この点も、
私は社長の経営講座の中で、
取り上げていますので、

直近の関連する内容
経営・事業で成果をもたらす観点:社長の経営講座
をお読みになってくださいね。

 

最近、あるビジネス系の
メールマガジンでの
価値に関する説明を読んでいて、
「これって頭が良いことの
弊害でしかないなぁ」
と感じてしまいました。

と同時に、
こんな風に考えると、
折角の頭の良さの使い方を
間違ってしまうと思いました。

何が弊害で、
何が間違った使い方に
なるのでしょうか?

 

2つの価値要素

価値とは何か?

そのメルマガ本文の中で
「私たちが提供できる『価値』には
大きく分けて2つある」そうです。

メルマガで説明している
『価値』の二つの要素。

一つは『内在的価値』
だそうです。

『内在的価値』とは
商品やサービス
そのものが持つ価値のこと。

スマホであれば、
電話ができる、SNSができる、
社員が撮れる、ネット検索ができる、
などなどを指すそうです。

もう一つの要素は、
『付帯的価値』だそうです。

これは、商品・サービス自体の価値
である『内在的価値』とは別に、
ちょっとした気遣いや
気持ちの良い挨拶の様な

商品・サービスを提供する人、
営業担当やアフタフォロー担当などの
全ての行動によって
お客様に与えられる『価値』のこと
だそうです。

 

さらに分解すると・・・

『付帯的価値』として
最もシンプルなことは、
「あなたなどの
人自身が付加価値となる」
ことだそうです。

とはいえ、わかりにくいので、
あなた自身、人が
付加価値となるには、
5つの『価値の要素』

卓越性、一貫性、注意、共感、感謝

がどのくらい相手に伝わるか、
という事が
『付加価値』を発揮する鍵になる
のだそうです。

最初の要素「卓越性」について、
さらに説明が続きます。

この「卓越性」はさらに2つの要素、
『能力』と『小さな事』
によって構成されるそうです。

『能力』とは、
仕事の技術面に関する事。

商品・サービスやプロセスへの知識、
業界や市場、競合への理解などを
指しているとのことです。

もう一つの『小さな行動』として、
リッツカールトンホテルで
スタッフが快く迎えてくれる
その挨拶などのことだと
説明をしています。

『小さな行動』と称しているのは、
やろうと思えばできるほどの
小さな行動なのに、
現実には”ただやらない”。

実際には、この差は大きい、
という話に展開していきます。

 

整理をすると・・・

さて。

ここまでの内容を整理すると、

価値を説明するために
3つの階層に分解しています。

3階層目は、
2階層目の5つの要素のうち、
1つの要素を分解しただけなので、

実際にはどれだけの要素が
3階層目に出てくるのか、
ちょっと恐ろしい限りです。

さて、
あなたはこの『価値』の説明を
どの様に受け止めたでしょうか?

わかりやすかったでしょうか?

 

後付け理論

私はこの説明を読んだ時、
わかりやすいというよりは、

「頭の良い人が分解した
後付け理論だよね」

と感じました。

1階層目に、
内在的価値と付帯的価値に
分解しています。

これって必要なのか?
と最初に疑問を感じました。

お客様から見れば、
商品・サービスが持つ価値が
何であるか、
その付帯的価値が何であるか、
という様にはとらえていないでしょう。

全部ひっくるめて
その商品・サービスによって
お客様が手にする『価値』
でしかありません。

それが商品・サービスの中に
組み込まれていることもあれば、

販売やアフターサービスなどの
人的対応で満たされることもある、
というだけのことです。

どちらの場面・状況で
満たされる事が好ましいかは、
お客様によっても異なります。

あなたが事業を通じて
お客様に提供する『価値』が
どの様な事柄なのかが解れば、

それを商品・サービスの中に
組み込むことで満たすのか、

それ以外の販売、
アフターサービスなどの
場面で満たすのか、

別の要素や場面で満たすのか、
というだけのことです。

この観点で考えると、
お客様に提供する『価値』が
明確になれば、

それを満たすために
既存の商品・サービスを改良し、
『価値』を満たす様にすること
もできるでしょう。

商品・サービスはそのままで、
営業やアフターフォローなどの
やり方を変えることで
対応することもできるでしょう。

あなたの事業を通じて
お客様に提供する『価値』が
どの様な内容なのか。

私たちは、
経営・事業を行う実務家です。

学者ではありません。

したがって、
活かすことができる

あなたの経営・事業が
お客様に提供する『価値』の中身が
詳しくわかること、
明らかにできること、

が最も重要な事です。

 

考える視点

お客様に提供する『価値』を
明らかにする際の視点、
観点として、

先ほどの様な階層や
要素がわかっていると役立つ、
という指摘もあるでしょう。

あなたに質問です。

本当に役立ちますか?
本当ですか?

全く役に立たないと
否定する気はありませんが、
この指摘はちょっと怪しいと
考えています。

なぜなら。

先ほどの要素の説明内容に
私たちの考えが
引っ張られる可能性が
とても高いからです。

例えば。

先ほとの3階層目の
「小さな行動」の部分。

リッツ・カールトンの挨拶が
題材にのぼっていました。

そうすると、
自分たちのビジネスでも、
挨拶が重要だと考えるでしょう。

心を込めた挨拶をする、
なんて事が上がってくるでしょう。

それって、
あなたの事業にとって、
本当に『価値』として重要ですか?

挨拶が重要じゃない、
と言っているのではありません。

あなたの事業の場合、
普通に挨拶ができれば
充分なのではないでしょうか?

もし、そうだとしたら、
あなたの事業における
『小さな行動』は何でしょうか?

実際のところは、
なかなか具体的な中身が、
出てこないのではないでしょうか?

 

説明に引っ張られる!

私も同じ様な事で
かつて散々苦しみました。

要素に細かく分解して、
この観点、この視点が重要だ
という中身をいろいろ学びました。

その観点、視点を
自分の事業に
当てはめようとすると、
元の要素の説明内容に
どうしても引っ張られます。

それでやってみても、
うまく適合しないわけです。

説明内容から離れて、
自分の事業について
要素分解された視点、観点で考えると、

内容が出てこない、
という状況ばかりでした。

できる人はできる、
という指摘もあるでしょうが、

それでは、
階層に分け要素に分解する意味が
あまりないと思います。

階層や要素に分けるのは、
それによって
内容がよく理解できる事。

さらに、自らの場合に当てはめ、
その階層、要素を活用できる事、
役立てる事に繋がる事。

この点があるからです。

もしこれが達成できないのならば、
それは学問的な
後付け理論でしかないです。

頭の良い人が、
さもそれっぽく区分し、
整理しただけのことです。

批判されることを覚悟して
正直に言います。

階層分けし、要素に分解し、
綺麗に整理して、
それらしい表現をつける。

学問的には
役立つかもしれませんが、
実務ではあまり意味がありません。

今回の『価値』の話の場合、
階層とそれぞれの要素分解をして、
卓越性がどうだとかいうより、

あなたの事業を通じて
お客様に提供する
具体的な『価値』の中身を

どうやって導き出すのか、
どうやって明らかにするのか、
どうやって実際に事業の中身に
反映するのか、

というやり方を知り、
実際にできること。

この事の方が、
あなたの事業そのものにとって
役立つ中身を
もたらしてくれると思います。

あなたはどの様に思うでしょうか?

 

ミネルヴァの梟

ちなみに、
こんな表現を哲学者ヘーゲルはしています。

『ミネルヴァの梟はまず、
迫りくる黄昏とともに
その飛翔を始める。』

ミネルヴァは
ローマ神話の知恵の女神。
梟はその使者。

この意味を、
「古い知恵の黄昏の中から、
新しい知恵の到来を告げつつ、
知恵の女神の使者が飛び立つ。
そのようにして、
人類は歴史の中を前へ前へと進んでゆく」
と解釈する大学教授の方もいらっしゃいます。

ヘーゲルの著『法の哲学』の
この文言の前後を踏まえると、

フクロウに象徴される哲学が、
現実の成熟のあとに
遅れてやってくるものであり、

現実が完成されてのちに、
その現実の中にひそむ実体を、
観念の形態で、
認識するに過ぎない

という、先ほどとは
逆の意味合いです。

かなり乱暴ですが、
現実の後付け理論だ
ということです。

階層分けや要素分割は
悪くはないですが、
後付け理論です。

結果を論じているだけです。

それに沿ったからと言って、
現実がうまく明らかになる
という分けでもありません。

そして、頭が良いと、
学問的に頭が良いと、

結果をもとにして
この分類、整理を
したくなります。

結果を論じて、
論理的な区分と整理を
したくなります。

それ自体は
悪くはないですが、

整理した内容を使えること、
使って現実の世界で
活用できること。

これが必要だ、
ということです。

だとしたら。

まず手をつけることは、
あなたの事業が
お客様に提供する『価値』
を詳しく明らかにすることです。

その方法は、
この「社長の経営講座」
の中でも扱っています。

動画の再生リストも
用意しています。

具体的なやり方、考え方を
これらを参考に、
是非手に入れてください。

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