戦略を上手に使い結果を得る

公開日:2019/08/27

更新日:2020/05/06


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

”選択と集中”の検討内容について
前回、そのおかしな点を
明らかにしました。

簡単にまとめておくと、
選択と集中という考え方、
考え方の枠組みの一つを

さも戦略の様に扱うので、
おかしなことになっていました。

参照:「選択と集中」に抱く違和感の原因

参照動画(あるいは下の画像をクリック)

今回は、前回の健康関連の商品を扱う会社の
戦略に関する検討内容について、

さらなる違和感の中身を
あなたと共有します。

(動画再生時間:13分49秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

選択と集中は適切か?

この会社の戦略の検討会議の中で、
主力商品を8種類から3種に絞り込みながら、

新商品開発は今まで通り、
毎月3種類以上発売することを続ける

ということが検討されていました。

社長としては、
既存商品では8商品から3商品への
選択と集中をおこないながら、

一方、新商品開発は
今まで通り毎月3商品以上発表する

という大量の資源投下を続ける点が、
何かおかしい、違和感がある
と感じていました。

選択と集中の観点では、
既存商品は絞り込みを行い、
他方の商品開発は維持拡大に見えるので、

この様な違和感はもっともなのですが、
正直に言うと、
おかしいとも、おかしくないとも、
この段階では言えません。

前回でも指摘した様に、
戦略を持ち出さずに、
正しいかどうかの判断は
できないからです。

例えばですが、

売上を伸ばすために
既存商品は絞り込み、
資源を効率よく配分する
と考える事もできます。

既存の下位商品は、
まだどうなるかわからない。

故に、新商品を出して、
今後のタマを増やしておきたい、
という考えも頷かない話ではありません。

逆に、新商品は絞り込んで、
将来性を見極める様に

既存の下位の5商品について、
将来性を見極めるために
マーケティング・販売をする様に
資源をまとめて投下する、

という考え方も
できないわけではありません。

 

選択と集中の問題の根源

もともと戦略の考え方があり、
それに沿って現状から実施するときに、
”選択と集中”の考えが必要になる場合がある
と言うことです。

その結果、既存商品を絞り込む一方で、
新規商品の大量発売をすることは、
議論の中でありえることです。

ですから、
この会社の戦略が全てです。

この会社の戦略があり、
その上で”選択と集中”の考えが必要となり、
それを適用した結果に対して、

初めておかしいのか、
おかしくないの、
適しているのかを評価できます。

会社の戦略がハッキリしている事、
ハッキリした戦略の中身を
わかった上で議論する事が必要です。

社長が違和感を抱く最大の理由は、
そもそも戦略がハッキリしていない点、

その中で”選択と集中”を議論するので、
戦略と結びついていると感じられない、
思えない点なのです。

経営・事業としての目的、
目指すゴールがあり、

その実現のために
何をどうしていくのか、
という戦略がある事。

これが非常に重要です。

 

戦略の検討プロセス

今回、この社長さんが
”選択と集中”の議論の内容に
違和感を抱いたのは、

選択と集中の考え方を用いる対象の
もともとの戦略が
ハッキリしていなかったからです。

関係のある事項、事象は、
常にその関係性に基づいて、
整合性をとる必要があります。

そうでなければ関係性が
壊れてしまうからです。

今回取り上げている戦略、
経営・事業の目指すゴール、
事業の目的、今の状況は、
全て関係していることです。

しかし、実態は、
今回のこの会社の様に、

それぞれの関係性を考えず、
整合性を取ることもほとんどせずに、
個別の内容を検討するので、
おかしなことになってしまっています。

今回のように、戦略の中の
一つの考え方の枠組みである
選択と集中だけを引き出してきて

その中身を議論する様な
おかしなことになっています。

これを回避するには、
プロセスに注目します。

そしてそのプロセスを
常に行います。

 

戦略がお題目だから!

簡単にいうと、
経営と事業の目的とゴール、
それを実現する戦略に、
常に立ち返ることです。

何かをやろう、
変えようとするならば、

それが経営・事業の目的、
目指すゴールに影響しないか、
どの様に影響するのか、

現状からその目的・ゴールに
辿りつくために考えている
戦略に影響を及ぼさないか、

どの様なところで影響が発生するのか
と言う点に常に注目し検討することです。

この検討する過程・プロセスを
常に必ず行うことです。

しかし多くの場合、
この検討の過程、プロセスを行いません。

なぜなら、
経営・事業の目的とゴール、
それを実現する戦略が
お題目になっているからです。

「絵に描いた餅」とは必ずしも限りません。
それは内容次第だからです。

「お題目」という意味合いは、
”作って掲げて唱えておけば良い”
という扱いになっているということです。

ゴールと戦略を作れば良い
と思っていることにも当てはまります。

 

戦略は判断基準

少し原点に立ち返ると、
経営・事業の目的・ゴールと
それを実現する戦略は、

経営・事業を行う際に生じる、
様々な状況に対する判断基準です。

何かをやろうとしたときに、
その内容が経営・事業の目的・ゴールを
実現することなのか、

戦略に沿った内容なのか、
これは確認する必要があります。

だから判断する際の基準に
しなければなりません。

目的・ゴールと戦略は
判断基準になりますが、

基準だからといって、
変えてはいけないもの
ではありません。

会社・事業を取り巻く状況によって、
変えることがある事項です。

固定的な基準ではなく、
状況に応じて変えなければ
判断を間違うことがあるからです。

この点は誤解しないでください。

基準となる経営・事業の目的・目指すゴール、
実現するための戦略は、

変わる可能性があるので、
新たに何かを実施しようとした時は、
必ずこの基準との整合性を
確認する、検討することが必要です。

今回取り上げている会社では、
この整合性を確認する部分を全部すっ飛ばして、

単に”選択と集中”という考え方だけを取り入れて
議論をしてしまいました。

経営・事業の目的・ゴール、
あるいはその戦略は作ったが、
それでおしまいだったということです。

整合性を検討するプロセスを
意識することなく、
当然組み込まれずに議論をしていたわけです。

 

戦略は活用してこそ

実際、経営・事業の目的・ゴール、
戦略を作っても、

その中身を諸々の整合性を取るために
使うことはほとんどありません。

多くの場合、経営・事業の
目的・目指すゴール、
それを実現する戦略の中身は

あまりハッキリしていないことが多いです。

ほとんどの業務、
そこで実施する内容は、

経営・事業の目的・目指すゴール、
戦略と関係しています。

逆に、もし無関係ならば、
実施すべきことではないでしょう。

業務、実施する内容と、
経営・事業の目的・ゴール、
戦略との関係性を判っている。

日頃のプロセスに
整合性の検討を組み込んでいることは、
実はとても大切なことです。

というより、
当たり前にやらなければ
本来はまずいことです。

関係性を無視して、
バラバラで扱うと役に立ちません。

常に整合性を取り検証する。

これはプロセスとして、
意識的に組み込むから
初めて機能します。

この点はお分かりいただけるでしょうか。

判っちゃいるけど、
やっていないことが現実でしょう。

経営戦略や経営計画などを
作る方法はビジネス書で
世の中に溢れています。

そこに書かれているのは、
年度計画がなぜ必要か、
戦略はなぜ必要なのという理屈と作り方、
作るときの書式のオンパレードです。

それはそれで大切ですが、
本来重要なことは、

ゴール、戦略を実務でどう活かすのか、
ということです。

その際に、
どの様な事項と関係性があるのか、
その時どの様な事項と関連性があるのか、
その時どの様に関連づけて
活用するのかということです。

計画や戦略を作っただけではダメです。

作った以上、
日頃から活用しないと意味がありません。

作り方と書式ばかりに注目していてはいけない
ということです。

書式が重要なのではなく、
その中身が重要です。

その中身だけではなく、
実際にその中身をどの様に作るのか、
どの様に作ると日頃からの実務に活かせるか、
そしてどうやって実際に活用するのか、

という観点がどこにも無いので、
実際に作ったけれど掲げているだけ、
お題目になり活用できない、
整合性を取ることができない
状況になっています。

経営・事業の目的・目指すゴール、
それを実現する戦略。

それに対して、
日頃の業務の内容、
これから実施する内容。

この関係性、整合性に注目してください。

この関係性、整合性を
日頃から活用してください。

その中で検討を行うと、
実施する内容に違和感を抱くことは
皆無になります。

実施する内容の意味、
効果がハッキリとわかる様になります。

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