業界標準や他社との比較は危険!

公開日:2019/09/10

更新日:2019/11/19


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

「強み」「弱み」

経営戦略などで必ずでる言葉です。

あなたも耳にされたことがあると思います。

  • 「強み」の把握
  • 「強みの分析」
  • 「強みに経営資源を集中する」
  • 「強みを活かし、弱みを補強する」
  • 「強み」を活かすことが成果を出すポイントだ

ということが言われます。

(動画再生時間:10分44秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

前回、実際に強み、弱みを
どの様に導き出しているのか、の観点から、

強み、弱みは、
今までのようなやり方で導き出していると、
自社の経営、事業を評価することから
ズレている点、役に立たない点を
あなたと共有しました。

今回は、強み、弱みを導き出す時に、
競合と比較をすることをしますが、
ここに大きな落とし穴があるので、
その点をあなたと共有します。

参照:強み、弱みは役に立たない!
参照動画(下の画像をクリック)

業界標準との比較

自社の経営、事業の評価をするときに、
その事業が関わっているいる
業界のことをよく知っている、

例えば、
その業界専門のコンサルタントから
意見を聞くことがあるでしょう。

そうすると、
業界の一般的な会社、標準と比べると、
この数値はあなたの会社では大きいから
削減を進めた方が良いとか、

この値は小さいから、
もっと注力した方が良い
の様なアドバイスがあります。

あなたにも経験があるかもしれません。

業界の一般的な会社、
標準的な会社と比較することは、
ある意味、競合との比較に近いので、

前回、あなたと共有した様な、
競合の特定ができない、
競合の情報を得ることの難しさ
を回避することができます。

実際に比較ができるので、
参考になることが多いと
考えることができます。

しかし、
それは本当でしょうか?

 

改善につながるはず

これは実際にあった話です。

接客サービス業の会社に、
その業界に精通した
会計コンサルティング会社が
サポートをしました。

会計の観点から、
上手く行っていないことは改善して、
業績回復を実現するとのこと。

その会社の会計データを整理して、
業界の一般的な会社、標準の数値と
比較をしました。

その結果、
ある食材の原材料費の比率が、
業界の標準と比べると
かなり高いことがわかりました。

業績回復の最初のステップとして、
業界の標準の値より大きい
食品の原材料の費用を
圧縮することに取り組むことにしました。

業界の他社と比べて、
原材料の割合が高いことが、
この会社の弱みだ、というわけです。

この弱みを解消して、
少なくとも業界並みになれば、

今よりは、利益率は良くなり、
業績は良くなりますし、

次の改善にも取組みやすい
と考えたわけです。

業界の他社と比べて
原材料費の割合が高いことが
この会社の今の弱みなので、

その点を改善すると弱みを解消になるので、
少なくとも業界の標準、一般的な会社と
同じ水準になれば

今よりは当然よくなるので、
利益率が良くなり、
業績が回復する、良くなります。

この点がクリアできれば、
次の改善に取り組みやすいと考えたわけです。

 

期待とは逆

実際に、原材料費の削減に
取組みました。

その結果、
粗利が増えて、
良い方向に進んだと
言いたいところですが、

実際には売上の減少を招き、
思惑とは逆の
業績悪化になってしまいました。

この会計コンサルティング会社は、
費用だけ受け取って、
それっきり手を引いてしまいました。

その良し悪しは置いておいて。

粗利益が増えて、
よくなるはずだったのに、
なぜこの様な逆の状態、

売上が減少し業績が悪化する状態を
招いてしまったのでしょうか?

 

比較は危険!

この接客サービスの会社では、
食材に関する原材料が高いことで
高い品質の飲食物を提供して
接客サービスを行っていました。

食材の原材料が高いことから、
高い品質の飲食を提供し、
接客サービスを行っていました。

それをお客様から非常に受けて、
購入につながっていた面がありました。

原材料費を削減することで、
食材の品質を維持することが難しくなり、

その結果、お客様から魅了がなくなり、
購入されなくなる、
顧客離れを起こす状況に
なってしまいました。

そこで、原材料費の削減を一度止め、
元に戻しました。

良い料理を提供し、
今まで通りの接客サービスを行いました。

失ったお客様を取り返すまでに
かなりの時間を要しましたが、
元の状態に戻し、
売上を維持することができました。

そして時間はかかりましたが、
元の状況に戻すことできました。

このことは何を意味しているのでしょうか?

競合や業界の他社と比べて、
何が強い、弱いを議論することは、
却って危険をはらんでいるということです。

競合や業界の他社と比べることで、
本来の自分たちの良い点を
見失うことになりかねません。

競合、業界の標準の会社と比べても、
その標準的な会社と
実際のご自身の会社が

同じビジネスの構造、
同じ価値をお客様に提供することで
成り立っているとは
必ずしも限らないからです。

単純に標準がある、
一般的な会社がこれだから
それと自社を比較することは、
極めて危険です。

 

競合、他社には意味がない

この接客サービスの会社は、
高い品質の料理をお客様に提供し、

お客様がそれは他と違う、
美味しい、これを食べたい、
ということがあり、

喜んでくださる接客サービスを
提供していましたし、

それさらによくすることを
目指していました。

そのために、
ある程度の高額の原材料費、
食材を仕入れることは、
致し方がありませんでした。

事業の中身や実現しよう目指す世界が
同じとは限らない競合や業界他社
と比較することが、

意味がないことを
この例は示しています。

比較する対象は、
強豪、業界の他社ではなく、
別のものと比較をすることが必要です。

この接客サービスが
粗利益を高めるには、
食材の原材料機を下げること以外に
実はもっと
考えなければいけない観点がありました。

さらに。

よりよいお客様から喜ばれる料理を
提供することで
売上を伸ばすとことを目指すことに
意味がありました。

事業の中身や実現しようとして
目指している世界が同じとは限らない

業界の競合や一般の業界の標準的な会社と
比較することは意味がないです。
極めて危険です。

比較をする対象は、
強豪、業界の他社、標準的な他社ではなく
別のところにあります。

そのことをこの事例は如実に示しています。

 

では何と比較をする必要があるのでしょうか。

何と比較をすることによって
戦略を導き出したらいいのでしょうか。

その点を次回あなたと共有します。

 

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