改善実現のための目標数値との付き合い方:社長の経営講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

社員やスタッフの教育、トレーニング。

実際に行なっている会社は、
少なくありません。

教育、トレーニングによって
業務のミスをなくし、
効率を高めることを
実現しようとします。

しかし。

なかなかミスは減りません。
効率は良くなりません。

何故なのでしょうか?

【今回の内容の動画】(動画再生時間:13分29秒)

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教育やトレーニングに限らず、
実施することより
成果を得るために
どのような観点で
物事を捉えるのか。

この点がずれているので、
なかなか結果につながりません。

今回はこの点を
どの様に捉え、改善するのかを
あなたと共有します。

「いないですよ」

通販系の倉庫業務での
実際にあった話です。

この倉庫では、
お客様の注文に対する
同一商品を複数出荷する際に、
数量ミスが発生していました。

手順ややり方を変え、
「標準作業」として定め、
実施するように
作業者に伝えています。

しかし。

一向にミスの比率は下がりません。

「標準作業」に定めたのち、
作業者が実施ているのかどうかを
トレーナーがチェックしています。

その時に起きた事例を
前々回の内容、

ルール、決まり事、標準が守られない理由:社長の経営講座
の中で触れました。

ここで登場したのが、
保管棚から注文に応じた
商品を取り出す作業を行なっている
小林さん(仮名)でした。

「実際に作業に入ると
 私の前に何人もピック作業しています。

 それを見ていると、
 複数商品を数えながら
 コンテナに入れている作業者は
 まずいないですよ。

 コンテナに入れた後に、
 複数商品の数を
 数え直している人もいないですよ。

 私はトレーナーからチェックを受けて、
 注意、指摘をされたので、

 複数商品は「標準作業」に沿った手順、
 動作をするようにしています。

 でもね、って思うんですよ。

 あの人たちは、トレーナーから
 手順、動作のチェックを
 受けていないのだろうかって。

 チェックを受けていたら
 あの手順、操作は注意されますよ。

 私のように、数ヶ月の間に
 2度、3度とチェックを受けて、
 何度も注意、指摘をされたら、

 多少は気にするし、
 全部とは言わないまでも、
 コンテナに入れるときに、
 数えるぐらいはやる
 と思うんですけどね。

 それすらやらないってことは、
 実際にはチェックを受けていない、
 ってことなんでしょうね。

 それってどうなんだろうって
 思いますよ。

 ピックする商品の数量ミスは
 減らなくても当然だと思うんですよね」

と小林さんはある時、
話をしていました。

KPIを設定しても・・・

トレーナーが
「標準作業」のチェックを行うと、

いつ、誰の作業をチェックしたのか、

標準作業のそれぞれの手順、
動作が実施できているのかどうか、

その記録がトレーナーから
提出されます。

ミスが減らないことから、
月間に再トレーニングを行う件数と
チェックを行う件数が
定められています。

よく言われるKPI
(Key Performance Indictors)
「重要業績評価指標」として
設定されています。

再トレーニング、
チェックの件数、
それぞれKPIとして
設定している数値を
満たしているとのこと。

しかし、
ミスは一向に減らないわけです。

通販関連の倉庫なので、
忙しい時期があります。

その時は、
作業者が多いですし、

トレーナーも忙しく
動き回っているので、

再トレーニングだけでなく、
チェック作業は
なかなかできない状況です。

そのため、忙しくない時に
再トレーニング、
チェック作業を行なっています。

忙しくない曜日、時間帯に
ピック作業をしている作業者が、

再トレーニングや
「標準作業」のチェック対象に
なっています。

小林さんは、
ピック作業の機会が多く、
作業している時間、回数が多い方です。

そのため、数ヶ月の間に
複数回のチェックを受ける、
ということになりました。

KPIが目的?

すでにあなたは
この事例の
再トレーニングや
「標準作業」のチェックが
ズレていることにお気づきでしょう。

再トレーニング、
チェックを行うのは、

同一商品の複数個をピックする
作業のミスを減らすためです。

ミスの発生比率を下げ、
できるだけゼロにすることです。

小林さんはピック作業に
それなりの期間従事しています。

その間、ピック作業のミス、
複数個の商品ピックのミス
などを指摘されたことがありません。

小林さんの様な人を
「標準作業」ができているかどうか、
何度もチェックすることに
どれだけの意味があるでしょうか。

もちろん、他の人も
満遍なくチェックをしている、
というのならばわかります。

他の人も、数ヶ月の間に
複数回チェックを受けている
というのならばわかります。

しかし、それだけの
時間的余裕がない時に、
ミスのない小林さんの様な作業者を
何度もチェックしたとしても、
ミスを減らすという目的は
達成できません。

再トレーニングの件数、
「標準作業」のチェックの件数
というKPIの数値は
満たすことができるでしょう。

KPIは満たしても、
ミスは減りません。

もうお気付きの様に、
ズレているのは、
KPIを満たすことが
目的になってしまっていることです。

KPIの様な数値目標は、
あくまで実施を促進するための
手段の一つに過ぎません。

KPIを満たすことが
今回の目的である
同一商品の複数個ピックのミスを
なくすことに直結するならば
問題はありません。

しかし。

もうお気付きの様に、
直結していません。

実際、再トレーニング、
「標準作業」のチェック件数は
KPIで設定した目標値を満たしていても、

ミスの件数、比率が
一向に減っていないことが
直結していないことを示しています。

KPIの様な
数値目標を設定した時に
私たちが陥るズレは、

数値目標を達成することに
熱心になってしまうこと、

達成することを
目指してしまうことです。

先ほども説明した様に、
数値目標は実施を進める、
進捗をとらえるための
手段に過ぎないです。

数値目標を達成したからといって、
本来の目的が達成できた
ということはほぼありません。

最初に行うこと

同一商品の複数個ピックでの
ミスを減らすという
今回の目的を満たすためには、
別の視点、観点で
取り組む必要があります。

今は、誰がどの注文に対して
ピック作業を行ったのか
データが蓄積されています。

異なる商品の数の注文がわかれば、
誰がどの作業でミスを起こしたのか、
明らかにできます。

ミスをしている作業者を
抽出することができます。
   
ミスを起こしている作業者に対して
再トレーニングを行うことです。

その後、一定期間の間に
その作業者に対して
「標準作業」のチェックを行います。

「標準作業」から外れていれば、
その点を指摘、注意し、
「標準作業」に従う様に仕向けます。

これを最初に行います。

それを終えた後に  
他の作業者に再トレーニング、
「標準作業」のチェックを行います。

どの作業者に対して
再トレーニング、
「標準作業」のチェックを行うのか、
という優先順位を設けることです。

ミスをしている作業者を
リストアップします。

リストアップした作業者に対して
再トレーニング、
「標準作業」のチェック、
を実施する期間を定めます。

その期間中に対象の作業者に
再トレーニング、
「標準作業」のチェックを実施する
それぞれの件数をKPI、
目標数値として設定します。

その上で実施し、
再トレーニング、
「標準作業」のチェックの
実施記録を残します。

目標の実施件数、KPIに対する
実施数を比較します。

この様に取り組むので、
ミスを減らすという改善が
実現に近づきます。

今回の場合は、
再トレーニング、
「標準作業」のチェック
を実施しても、

ミスが減らない作業者、
「標準作業」の沿わない作業者を
どの様にするのか、
という点がもう一つあります。

これはケースバイケースですが、
該当の作業者を

ピック作業から外す、
ピック作業の比率を大きく下げる、
などの対応になるでしょう。

今回の事例の様に、
改善を行おうとする時、

再トレーニングや
「標準作業」のチェック
という手段を実施する数を
目標数値、KPIに設定し、
その数を満たすことを
目指してしまいます。

手段は手段でしかないので、
改善に効果が薄ければ、
容易に変えるものです。

手段を実施する目標数値も、
それを満たすだけでは
効果は現れません。

先ほど、具体的な手順として
どの様に対応するのか
という観点でお伝えした様に、

改善するために
何をすることに
改善の効果があるのか、

その対象が
どのくらいの数あるのか、

を明らかにすることです。

その対象の数を
実施する目標数値、
KPIに据えることです。

思いついた実施施策を
単純にやろう、
ということでは
改善にはつながりません。

ジックリ考え、
実施する対象や実施内容、
実施する目標数値を
設定する必要があります。

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