よくやってしまう「目的」と「手段」の勘違い

公開日:2018/10/17

更新日:2019/03/06


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

今回は、
私たちがよくやってしまう
「取り違え」です。

どうやってそれを回避するのか、
その点を含めてお伝えします。

■ 目的は「読む本を増やす」

先日、ある後継者の方と
話をしていた時のこと。

彼曰く、
「最近、本を読む時間が
なかなか取れなくて。

ビジネス書を月に10冊は、
読むことにしているんですが、
ちっとも追いつかなくて」とのこと。

「今度、速読の勉強をして、
月20冊ぐらいは、
新刊本含めて読めるように
早くなろうと思います」と。

後継者の彼に尋ねました。

「なぜ、そんなにたくさんの、
ビジネス書を読もうと思うのすか?」

「えっ(ちょっと驚きながら)

それは、いろんなことを、
勉強する必要がある
と思いますから。」

「勉強するというのは、
ビジネス書を読むことを
指しているのでしょうか?」

■ 本当の目的

「はい?
(何を訪ねるんだというような顔で)

知識を手に入れる、
簡単で効果のある方法は、
読書だと思いますけど。

違いますか?」

「ビジネス書を読むことが、
あなたの目的なのですね?

月20冊読むというのが、
その目標値ということですね?」

「まぁ、そうなりますけど。

何か私、変なことを言っていますか?」

この会話を聞いて、
あなたはどのように思うでしょうか?

・・・

・・・

・・・

先に進めますね。

「本を読むことが、
あなたの勉強の目的なんですね?」

「いやいや、そうじゃないですよ。
いろんなことを知ることですけど。」

「揚げ足をとるようで申し訳ないけれど、
重要ことなので、尋ねますね。

あなたの勉強の目的は、
いろいろなことを知ること、
知識を仕入れること?」

「いや、それは一部です。」

「それ以外はどのようなことが、
勉強に含まれるのでしょうか?」

「それは、、、
(と言いよどんでしまいました。)」

■ 目的がズレている

「知識を手に入れること、
これは大事です。

ただ、知識は知識でしかないです。

とすると、知識を得る以外の、
勉強の部分とは何でしょう?」

しばらく考えてから
「それは、、、
知識を実際に使える、
ということでしょうか?」

「そうですね。
使える、
というのもそうですし、

人に伝えることができる、
というのもそうでしょうね。

この部分は、どうするのでしょうか。」

彼、しばし考えてから
「ビジネス書とかで知ったことを、
どこかで使うとか、
人に話すとか、
そういうことをする
のでしょうね。」

「先ほど、ビジネス書を
読む時間がない。

だから、速読を勉強する
とのことでしたね。

では、知識を実際に使うとか、
人に伝える時間は、
今すでに十分にある、
ということでしょうか?」

「それは、、、足りない、
というか、
あまりやっていないというか。」

「この状態で、
さらに読書量を増やすと、
どうなりますか?」

「それは、、、
やる時間は、
さらに足りなくなるでしょうね。」

「読書時間を短くして、
実践する時間を作りたいから速読をする。
これはわかります。

ただし、たくさんの本を
読みたいから速読をする
というのはどうなのでしょうね。」

「それは、、、

ちょっと元々の目的が、
違ってしまっていました」と。

■ 本当の目的と手段を取り違える

私も、かつては、
かなりのビジネス書を読みました。

まぁ、速読とまではいきませんが、
それでもかなりの速さで、
読み上げていました。
読み漁っていました。

読んだ直後は、
満足感がいっぱいなのですが、
そこには、読んだ、
ということだけです。

記憶には、
あまり残っていなこともあります。

読書量はこなしたけれど、
身についていませんでした。

これもあって、ある時から、
大量に読むことを辞めました。

選んだ本が役立つと思えば、
重要部分を整理します。

その内容を実践します。
人に伝えます。

これをやるようにしています。

「身につける」ことが、
本来の目的だからです。

ビジネス書を読むことは、
知識を得るための手段の一つです。

ところが、
いつの間にか、
この手段が目的になっています。

このようなことが、
私たちの周りには、
たくさん起きています。

事業に取り組んでいても、
気づかないうちに、
手段が目的になっていること、
少なくないです。

手段を目的にしていると、
いつまでたっても、
本来の目的にはたどり着きません。

目的を見失わない。

それには、
「価値」の観点で、
物事を見ることです。

事業が提供する価値

この観点で見ると、
実施によって達成することが、
一体何なのか、
わかるようになります。

どのような価値を手に入れるのか、
この点がはっきりしていれば、
読んだビジネス書の数の達成に、
必死になることはないでしょう。

同じことが、
事業に関する、
日々の取り組みにも当てはまります。

「価値」の観点を持つ。

手段が目的に取りちがえることを、
避けてくれる、
重要な視点です。

あなたは、
事業や施策を、
価値の観点で見ているでしょうか?

「価値」に関する詳しい内容は、
次を参照してください。

経営・事業で成果を得る「価値」4つの活用ポイント

 

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