上手な改善は”守”から始める

公開日:2019/07/29

更新日:2019/09/04


こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

仕事や業務に関して、
改善を行う、課題を解決する事は
経営を行なっていると本当に多いです。

問題を解決して改善をする、
あるいは、課題を解決する際に、

成果を得るために大切な考え方、
取り組み方、やり方があるので、
今回はこの点を取り上げます。

(動画再生時間:16分26秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

改善で新たな問題発生

改善、課題の解決を行う時、
あなたはどの様に進めていくでしょうか?

対象となる仕事、業務の領域に関して、
担当する社員や、
関連する部署の社員から話を聞いて、
問題点を洗い出すでしょう。

さらに、

こうなると効率が良くなるとか、
この様にできるとやりやすくなるとか、
これがあるとミスが減る、
の様な改善点、課題点を聞くでしょう。

それらの内容を整理して、
それぞれどの様に解決するのか、

具体的な解決策を検討して、
実際に取り組むことをするでしょう。

これで問題点は解決して、
改善できる課題点にも対応したので、

今までの様に、
仕事、業務に対する
不平や不満はなくなり、

さらに改善点にも対応したので、
効率が良くなったとか、
やりやすくなったとか、
ミスが減った、

という状態になっているものですが、
実際にどうでしょうか?

現実を見てみると、
問題点は解消したはずなのですが、

他の部分で、
あれができなくなったとか、
これに時間がかかる様になったと、

今まで発生していなかった
別の問題が発生していることは
少なくありません。

効率が良くなったはずなのに、
別の部分で問題が生じていることは、
少なくありません。

改善を行って、
問題・課題を解決したのに、
なぜ新たな問題が
生じてしまうのでしょうか?

課題を実現したことで、
新たな問題を引き起こすのは
何故なのでしょうか?

 

成果をもたらす”シュハリ”

改善を行い、課題を解消し、
今まで様に新たな問題・課題が
発生しない様にする方法は
”シュハリ”にあります。

あなたは、
”シュハリ”をご存知でしょうか?

”シュ”は守る、”ハ”は破る、”リ”は離れる。
この3つの語からなる言葉です。

能の世阿弥が表した、
能の理論書”風姿花伝”が元
という方もいますが、

”風姿花伝”では
「序破急」について書かれており、

”守破裏”は、
同時代の茶道の川上不白が、
自著の中で最初に表した
と言われています。

”守破裏”は、諸芸全般において、
修行の段階を説明する言葉
として使われています。

いろいろ身につけていく過程で、
この3つの段階を経ることが良い
と言われています。

今の仕事、業務を改善する時にも、
この3段階の視点で見ると
いろいろな事が解り、
適切に改善することができます。

そうすれば、
改善した後、
あるいは、課題を解消した後、
新たな問題が発生することを避け、

問題の解消と、
効率化や使いやすいなどの
課題解消を手にすることができます。

ということは、
この3つの段階をどの様に使うか、
によって、

改善の成果を手にすることができるのか、
できないのかが決まってしまいます。

では、守破離の三つの段階を
順に考えていきます。

 

シュハリの中身

最初の段階の”守”。

これは「守る」の意味です。

指導者の教えを
ひたすら素直に聴く、
学びの姿勢にある状態をさします。

元々は踊りや茶道の様な
道・芸事の話ですから、
作法だけでなく、礼法、技法、
さらには、指導者の行動、
価値観さえも吸収することを指します。

なんでも教えられた通りに吸収することです。

物事には”型”があるので、
型を習得するには、
このやり方で学ぶことが一番だ
と言われています。

次が”破”の段階。

「破る、教えを破る」意味です。

ただし破るといっても、
それはより良くなるように
教えられた内容をもとに
工夫を重ねることです。

ちょうど今の言葉では
「改善すること」、に当たります。

次の3段階目が”離”。

これは「離れる」意味です。

芸能の世界では、
新しい独自の道を確立する段階として
この”離”を位置付けています。

独自の道を作り上げるために、
指導者から離れ、
自分自身で学び発展させる段階です。

”守破離”のそれぞれの視点を応用すると、
ビジネス、事業、業務、仕事、
それぞれの中で生じる
いろいろな物事、問題・課題に対して、

何をどうしたら良いのか?
という事が見えてきます。

仕事、業務で改善をして、
成果を出すために、

この守破離をどの様に使うのかを
この後、考えます。

 

“守”を活かす

 

守破離の最初の段階、守です。

守は、指導者の教えを素直に聞いて学ぶ、
学習の段階です。

これを業務の改善に当てはめると、
今の業務のやり方を
素直に学ぶことです。

素直に学ぶとは、言い換えると、

今の業務のやり方を、
そのまま素直に学ぶことです。

素直に学ぶとは、
今の業務のやり方をそのまま学ぶ、
知る、理解することです。

この様にお話をすると、
それは当たり前
と考える方が多いですし、

皆さん、現場の業務、実務は
わかっているとおっしゃいます。

しかし、
素直に学んでいるかどうか?
ということです。

今、行っている実際のやり方が、
良いとか悪いとか、
その様なことを全部取っ払って、

ただただ素直に、
今現場で行っている事、やり方を、
体感しているのか?
見ているのか?
知ろうとしているか?
ということです。

その上で、
理解しようとしているのか?です。

 

それは錯覚です

体感するというのは、
実際にやることができれば良いですが、

慣れない人がやることで、
却って現場に迷惑が生じるので、
必ずしもやることが必要なわけではありません。

やらなくとも良いですが、

その代わりに、例えば、
実際に現場で作業をしている人の横に
ずーっと張り付いて、
作業のやり方を一部始終、観察する
ことで十分です。

現場から作業の状況の
報告を受けている。

かつて自分がやったことがあるから
よくわかっている。

だから、現場の状況を良く解っている、
とおっしゃる社長、経営者の方が、
少なくありません。

実際に現場にいって、
2時間でも3時間でも、
実際に作業を行なっている人の横で見ていると、

”えっ、こんなことをやっているのか!”とか、
”こんなやり方をしていたのか!”
ということが解ってきます。

知っているとか、
わかっているとか、
かつてやっていたからわかる、

とは違う状況が目の前に広がり、
驚くケースは多いです。

なんとなく知っている、
わかっていたとしても、

実際に今、どうなっているのかを
細かくわかっていることは
ほぼありません。

報告を聴いているから、
かつてやっていたから、

今の現場のことが解っている
というのは、大きな錯覚です。

 

わからないことだらけ

逆にあなたにお尋ねします。

業務をどの様な手順で、
どの様なやり方で行い、

どの位の負荷が、
どこにかかっているのか

などのことを
事細かく報告させているでしょうか?

その様なことは、
実際は行なっていないでしょう。

報告内容に、
この様な内容を求めることも
今までになかったと思います。

”報告は簡潔に!
などということはあったとしても、

どの様な手順で
どの様なやり方でという内容を
報告にもとめる事は今までなかったでしょう。

どんなに報告を受けていても、
現場で実際に張り付いて
観察をしたことが無い人には、
現場のことはわからないです。

現場の状況を知らずに、
やれ効率だ!
質をあげろ!
と言ったらどうでしょうか?

掛け声だけになり、
成果はでないでしょう。

社長のあなたが
いろいろなことを指示しても、

なかなか成果が出ない
原因の一つがこの点にあります。

 

的外れ改善をしないために

最初に今の現場の状況、
業務の実情をよく知ることです。

改善をするにしても、
業務の状況が良くわかった上で

問題点として上がる内容を吟味し、
この様になるといいなという
課題点の中身を吟味し、

そこから改善を行わないと、
的外れなことを
改善することになります。

当然、改善の効果は現れません。

例え問題点が改善できても、
他の業務への影響が
わからずに改善をするので、

別の場所で、
あれが使えなくなったとか、
これが必要になった、
などの問題が出てくるわけです。

これは、今の現場の状況を
よく理解していないことが原因です。

ですから、
”守破離”の”守”、
現場の状況を素直に学ぶ、知る、
理解することが必要になります。

今の業務の現場の事は、
解っているようで解っていないものです。

特に現場から離れている、
社長、経営陣、管理職の経験が
長くなるほど、

経営、経営陣に近づくほど、
実際をわからなくなります。

実務で改善の成果や
業務の成果を手にしたいならば、

嫌でも今の現場の事を知り、
理解する必要があります。

それには、
今の業務の現場の事を、
先入観なく、素直に学ぶ、知ることです。

あなたは”守破離”の”守”の状態で
今の業務の現場を
見たこと、観察したことがあるでしょうか?

例えば、今の業務の現場が、
手に取るようにわかる
精し資料を用意し、

それを常に見ながら、
改善策や施策を考えているでしょうか?

もしやっていないのなら、
直ぐにでも現場に赴き、
担当者の横に張り付いて、

実際に何をやっているのかを
観察してください。

あるいは、

今の現場の状況、
仕事の内容が詳しくわかる資料を
用意することを検討してください。

そこには、
今まで見落としていた
多くの発見があります。

 

”守破離”の”守”の段階を
今回は説明しました。

次回は、”守破離”の”破”の段階を
どの様に活かせば良いのか、
について考えます。

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