「もっともだ」と迎合する:思考の落とし穴(5):「考え方」基礎講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

ビジネス、経営、事業など仕事を行う時に
考える際の基本に当たる内容、
ハマりやすい思考の落とし穴と
その回避方法をお伝えする第5回目です。

【今回の内容の動画】
(動画再生時間:10分45秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

 

思考をする。
考える。

これをおこなう時は、

改善をするために
原因を見付け出す、

戦略や計画をつくるために

要因を見付け出す。
実施した結果を想定する。

この様なことが多いでしょう。

この様に、
因果関係を明らかにすることを
多くの場合おこないます。

因果関係に関する注意点は、
前回、前々回にも
あなたと共有をしましたね。

【前回までの関連する内容】
箇条書きはキケン!:思考の落とし穴(1)【「考え方」基礎講座】
内容の動画(下の画像をクリック:11分4秒)

かたよる因果関係:思考の落とし穴(2)【「考え方」基礎講座】
内容の動画(下の画像をクリック:12分40秒)

原因を見逃す理由:思考の落とし穴(3)【「考え方」基礎講座】
内容の動画(下の画像をクリック:9分54秒)

本当の原因をハズす理由:思考の落とし穴(4)【「考え方」基礎講座】
内容の動画(下の画像をクリック:8分52秒)


思考する。
考える。

今回から
思考する、考えること
そのものを行う時に注意する点を
あなたと共有します。

 

口中の酸性度?

あなたはペット、
例えば犬、猫を
飼っているでしょうか?

犬が虫歯になることを
ご存知でしたでしょうか?

一方、猫は虫歯にはなりません。

なぜこの違いがあるのか、
あなたはご存知でしょうか?

餌の違いでしょうか?
何が原因か想像できるでしょうか?

口の中の酸性度が違う
という理由を挙げる方がいました。

犬の口中の弱酸性。
猫の口中は弱アルカリ性。

故に、虫歯の原因は、
口中の酸性度によるというのです。

ここに因果関係がある、
ということです。

 

3個で充分?

あるTVの情報番組にあった
家庭の片付けコーナー。

一般の主婦の方のお悩みが、
フライパンの置き場所が
片付かないとのこと。

卵焼きのフライパンが2つ。
深さや大きさが少し異なる
普通のフライパンが3つ。

キッチンとフライパンを見た
お片づけコンサルタントが一言。

「卵焼きのフライパンは、
よく使う方がありますよね。
そちら一つを残します」と。

見ていて、
そりゃそうだよな、
と思いました。

続けてお片づけコンサルタントさんは、
「こちらの御宅は、
コンロの口が3つ。

全部のコンロの口に
フライパンを乗せもて3つだけです。

ですからこちらの御宅では、
フライパンは3つまでです。

残り3つから2つを選べば、
卵焼きのフライパンとあわせて、
全部でフライパンは3つになります」と。

すかさず周囲のタレントから
「なるほど!そうなんですね!」
と合いの手がはいりました。

 

思考の落とし穴

犬と猫の虫歯の話。

コンロの口数と
フライパンの数の関係。

「なるほど!」と
思われましたか?

因果関係がよくわかる、
納得できたでしょうか。

もちろん、
事実を知らないから、
ということはありますが、

なんとなくであっても、
「そうなんだろうなぁ~」と
思った方は少なくないのでは
ないでしょうか。

ここに思考の落とし穴が
待ち構えています。

 

迎合してしまう(1)

まず、犬と猫の虫歯の話から。

虫歯の有る無しが、
犬と猫で違いが生じる理由は、
犬と猫との歯の形の違い
によります。

同じく虫歯を持つ
人の口中は弱アルカリ性で
猫と同じです。

これがわかると、
口中の酸性度が虫歯に影響する
という因果関係は、
あっという間に崩れ去ります。

最近は虫歯に関する情報も多いので、
虫歯になる過程をご存知ならば、
口中の酸性度がおかしい点には
気づかれることでしょう。

知っているから
因果関係のおかしさが
わかるわけです。

しかし。

経営や事業の様に
どこにでも当てはまる
正解がない場合には、

最もらしいことを示されると、
それに迎合してしまうことは
少なからず起きるものです。

 

迎合してしまう(2)

コンロの口数とフライパンの数。

お片づけコンサルタントが言うので、
「そうなのだろうな」と
思うこともあるかもしれませんが、
この関係性もおかしなことです。

調理中にフライパンを
コンロの五徳の上に
全部おいても、

3口のコンロならば
フライパンが
3個しか乗せられないので、

全部でフライパンは
3個までの数だ、
と言う理屈の様です。

しかし、料理の内容によっては、
コンロの五徳の上に乗せずに、

調理の途中で
鍋敷きの上に置き、

他の調理が終わってから、
そのフライパンで調理することも
できなくはありませんよね。

コンロの口数とフライパンの数に
なんらかの因果関係がある様には
全く思えません。

どの様な料理をする。

その時にフライパンをどの様に使う。

そこから、この様な形状、
用途のフライパンが必要、
と言うことだと思います。

その結果、フライパンの数が
3つになるのか、5つになるのか、
というだけのことです。

無駄なフライパン、
使用頻度が低いフライパンを
処分して、

使うものだけを整理して
片付けられる様にするのは、

お片づけコンサルタント
としての役割であり、
指摘することだと思います。

しかしそれは、
コンロの口数とは必ずしも
関係性はありません。

番組の中での「なるほど!」は、
お片づけコンサルタントという
肩書きにつられてのものであり、

タレントなどの取り巻きが
その場にいるからこその
番組構成上の演出にすぎません。

 

受け入れるよりは

とは言え私たちは、
最もらしい理由や関係性、

お片づけコンサルタントの様な
肩書き、権威による意見に
つられる傾向があります。

考える、思考することが、
簡単ではないだけに、

なおさら、
最もらしい答え、肩書き、
権威に支えられた答え、
意見を示されると、

それを受け入れてしまう傾向が
どうしてもある様です。

なんでもかんでも疑ってかかれ、
と言うことではありませんが、

答え、回答、関係性を示された時に、

「なるほど。そうだよなぁ」と
それを受け入れることが、
必ずしも好ましいわけではない
と言うことです。

受け入れるよりは、
「なんかおかしいよね」とか、

「別の視点からも調べないと、
なんとも言えないんじゃないの」
と疑問を持つほうが
好ましいと言うことです。

ただし。

「変だよね。
おかしいよね」
となったとしても、

その後で変なことを
確かめる方法が必要です。

確かめる方法がなければ、
感覚的に変だ、おかしい
と思っているだけです。

関係性が変な原因、
因果関係でおかしな原因を
明らかにして、
取り除くことができません。

では、どの様にして、
関係性が変だ、おかしい点を
明らかにするのでしょうか。

次回はその点を含めて、
さらに思考の落とし穴がについて
あなたと共有を続けます。

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