成果を得る情報の扱い方:社長の発想・考え方(4)

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

社長、経営者として
知っておいた方が
プラスになる根本の考え方、
判断基準を

兵法書や戦略書、帝王学や
将としての心得などから紐解き、
マネジメントに活かすための
第4回目です。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:10分48秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

【前回までの内容】
戦略を学び活用する意味:社長の発想・考え方(1)
内容の動画(下の画像をクリック:10分08秒)

成果は上下で合わせ手に入る:社長の発想・考え方(2)
内容の動画(下の画像をクリック:9分02秒)

成果のために最初に決めること:社長の発想・考え方(3)
内容の動画(下の画像をクリック:9分17秒)

 

 

今回は、引き続き前回取り上げた
ナポレンオン戦争当時の
プロイセンの参謀
クラウゼヴィッツが記した
「戦争論」からです。

 

不確実な世界

今回取り上げるのは、
「戦争は推測の世界で、
データの4分の3は不確実である」
です。

記された内容そのまま、
データのほとんどは
不確実ということです。

戦争での話をしていますが、
同じことが経営・事業でも
当然のように当てはまります。

経営・事業の世界でも、
ほとんどのデータは不確実です。

データがあったとしても、
その通りには全くならないことは、
あなたもよくご存知でしょうし、
経験されていることでしょう。

そもそもですが、

人が行為行動をおこなう際には、
こうやれば必ずこうなる、
という絶対的な結果は存在しません。

それにも関わらず、
人は明瞭と確実を求め、望む
という反面を持っています。

通常はこちらの
明瞭と確実を望む側面が、
強くでます。

ゆえに過去のデータを重んじ、
そこから導き出されることを
未来に当てはめて

データの傾向の延長線上に
結果が現れると期待します。

今までを分析して
傾向を見つけたから、

今後もそれに沿って
同じような傾向になると
ある意味安心をします。

 

理論では解決できない

しかし、実際に行うと、
データの傾向のような結果には
多くの場合なりません。

大抵は、データの傾向より
悪い方向の結果を手にします。

とはいえ、時々、
データの傾向より
逆に大きく逸脱した良いことも
起きないわけではありません。

良くも悪くもなりますが、
想定したようにはならない
ということです。

だからといって、
データを集めるなとか、
データを無視しろ、
ということではないです。

経営・事業においても
人間の行為行動を扱うので、
絶対性とか確実性に
たどり着くことはできません。

データを集めて検討をしても、
絶対性とか確実性に
たどり着くことはなく、

不確実な要素が大きく横たわり、
理論では解決できない世界、
空白の世界が広がっています。

理論や分析や法則に頼っていると
現実には役に立たなく
なってしまいます。

人の行為行動は
人間性に関することなので、
理論で解明できることには
限界があります。

あるところから先は、
賭けであり、勘を必要とします。

しかし、だからと言って、
理論や分析をやらなくて良い
ということではありません。

できるだけデータを集め、
効果があるように分析し、
理論で考えることを怠ることは
避けなければなりません。

この内容に関連する言葉として、
次のようなものがあります。

  • 勝負には三要素がある。確立、勢い、運である。(棋士 米長邦雄)
  • 理性の計算をしつくした後、やがて理性を超えた熱狂に人間を駆り立てねばならない。(作家 山岡荘八)
  • リサーチがいくら進歩しても、大衆が何を欲しているのかを正確に引き出すことは困難である。大衆はできあがった品物については良否の判断はするが、こういうものを作ってくれとは言わない。(トヨタ自販元社長 神谷正太郎)
  • 調査の上に立って下されるべき判断と勇気が、逆に調査の下敷になって横死してはならない。(神谷正太郎)

 

「確実」は存在しない

同じく戦争論から、
情報に関する文言です。

「情報が多ければ
判断が楽というものではない。
心配の種を増すだけのものもある。」

ここでの情報とは、
対象となる事象
(戦争の場合は、敵国と敵軍)
に関することがらであり、

当方の考案と
行動の基礎となることですが、
これ程変わりやすいものはない、
と指摘しています。

ビジネスの世界でも、
得た情報の中身が変わらずにある、
ということは期待できないものです。

従って、確実な情報とか、
疑わなくて良い情報は
存在しません。

 

情報の使い方

互いに矛盾する情報が
存在することは
むしろ当然のこと。

すべての情報が一致して
是非を決める時ほど、
無批判に誤った情報を選択し、
逆にこれ程危険なことはありません。

人は良いことよりも
悪いことの方を信じやすく、

悪いことは
必要以上に拡大して考えます。

危険に関する情報は、
多くが虚偽か
誇大の可能性が高いものです。

ことの真相を正しく見ることは
極めて困難なこと。

計画と実行の間には、
大きな隙間、違いがあるので、

実行の段階になると
この隙間に直面し、
不安を持ちやすいものです。

 

リーダーを支えるもの

情報とそれを踏まえた
現実との間には、
今整理したような
関連があります。

指揮官は、これらの状況や
その刺激に伴う他人の言動に
安易に左右されることなく、

信念と見識を堅持し、
気然としていることが
求められます。

指揮官の信念と
見識を支えているものが、
前回取り上げた
「目的」と「目標」です。

「目的」と「目標」が
常に基本にあり、

常にそこに立ち返りながら、
刻々と変化する状況と
それを指し示す情報を基に

更なる行動を決定すること
が指揮官に求められています。

ここでの指揮官は、
経営・事業においては

社長、経営者の方であり、
事業責任者や上位の役職者、

経営、事業に関する
リーダーシップを
発揮すべき方です。

情報をないがしろにすることが
適切な訳ではありませんが、

だからと言って、
情報を信奉しても
十分ではありません。

情報の扱い方は、
実は簡単ではない、
ということです。

情報は中身を知るだけでなく、
その背景、収集した経緯、
情報の意図、
情報を用いた結果を想定するなど、

読み解くことが必要だ
ということです。

最近メディアやネットで
横行するフェイクニュース。

一見まっとうに見えますが、
そのまま受け取ると
不適切な情報をつかまされます。

情報に踊らされ、
情報の発信者によって
あなた自信が
コントロールされてしまいます。

発信者や背景、意図など
を読み解くと、

おかしいんじゃないか、
何か裏、不適切な意図が
あるのではないか、
と見えてくるものです。

その上で情報を評価すれば、
意図的なフェイクだとか、
フェイクに踊らされている人
からの発信だ、
などということが見えてきて、

あなた自信が
踊らされることが
なくなります。

同じ様なことが、
ビジネス、経営、事業の世界でも、
少なからず、というより、
結構多く存在している、
ということです。

そう言われると、
思い当たることが少なくないのは、
あなただけではないでしょう。

いかがですか?

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