数字に代わり改善成果を出すには:社長の経営講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

計測をして数字に表すことで、
悪い部分の質を高める、
効率の悪い部分を改善する。

理屈はこの通りなのですが、
現実には数値を計測して
悪い部分をあぶりだしても、
改善につながることはありません。

数値を信じて改善を行おうとしても、
実際には改善できない、
ということを示しています。

数値を元にすることに代わり、
改善を実現するにはどうするのでしょうか?

前回の内容
数字で分析しても改善できません!:社長の経営講座
を引き継ぎ、
今回はこの点をあなたと共有します。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:13分25秒)

理由は簡単なこと

前回、
数字で分析しても良くなりません:社長の経営講座
の中で取り上げましたある倉庫で、
保管棚から注文に応じた
商品を取り出すピック作業について、

1時間当たりの
ピック商品数を計測して、
改善を行なっている事例を
あなたと共有しました。

数値計測から明らかになる
ピック作業の効率の悪い作業者に、
計測した数字と順位を示して、
作業効率を良くする様に
指導を繰り返しています。

しかし。

実際には作業効率が
良くなることは実現しません。

そのあたりの詳しい内容は、前回の
「数字で分析しても良くなりません:社長の経営講座」
の動画をご覧になる、
あるいはお読みになてください。

数値とそこからわかる順位を示し、
作業効率を良くする様に
指導を繰り返しても、
なぜ効率が良くならないのでしょうか?

理由は実は、
とても簡単なことです。

あなたもすでにお気付きのように、
どうすれば改善するのかが
数値を見ただけ、
数値を示されただけでは
わからないからです。

数値を見てわかることは、
1時間当たりのその人の
商品ピック数が何個なのか。

それは作業者全員の平均値より
良いのか悪いのか。

作業者全員の中で順位づけをすると
一体何位なのか。

これだけのことです。

1時間あたりのピック数。
平均よりその値が良いのか悪いのか。
全員の中で何位のなのか。

どれほどの意味がこの数字にあるのか
ということが、
そもそもとしてあります。

その点は前回の
数字で分析しても良くなりません:社長の経営講座
をご覧になってください。

これらの数値が計測できて
明らかになったとしても、

一体何をどのように改善すれば、
ピック数の増加を実現できるのか、
それが全くわからないからです。

ピック数と順位を見せられても、
「あぁ、そうなんだ」という以外、
なにもわからないからです。

数値を見ても
改善すべき内容がわからないので、
実際に改善をすることができません。

前回もお話ししたように、
数値は必ずしも事実を
表しているとは限りません。

それだけではなく、
事実を細かく示している、
というわけではありません。

そしてピック作業のような
作業の計測の場合、

細かい作業内容それぞれについて、
計測できている
というわけではないからです。

その結果。

数値や順位を示され
低いとか効率が悪いと指摘をされても、

「まずいなぁ」とは
その時思うでしょうが、
しばらくすれば、
気にすることはなくなります。

なぜなら。

「どこをどう直すのか
 わからないよね」です。

したがって、
「直しようがないよね」と忘れ、
やがて気にしなくなります。

あるいは。

逆に作業スピードを上げれば
効率に関する数値は良くなるので、
安全や品質を重視せずに、
ただ早く作業を行う人が出てきます。

前々回で取り上げたように、
本来は作業効率より重要に考えている
「安全」や「品質」を無視して、
ひたすら「作業効率」に
走る作業者が現れます。

改善があらぬ方向に
向かってしまったわけです。

では、どうすれば
改善が実現するのでしょうか?

 

数値からはわからない

計測した数値。

数値から効率の悪い人を見つけ出し、
その人に数値をもとに指導をするから、
改善に結びつきません。

数値それ自体は、
実態を表していないからです。

今回の場合は、
数値を読み取ると、
ぼんやりと傾向が見える程度です。

1時間当たりに商品をピックする数が
数値では低い人がいる。

その人はこの人たちだ
と特定ができるだけです。

ただ、これだけのことです。

見つけ出した人たちが、
本当に作業が遅いのか、
他の理由で数値が悪いのかは、
数値からは全くわかりません。

数値も何もないところから、
この人はピック作業が遅い
ということは見つけ出せません。

しかし。

計測した数値があるので、
ピック作業が遅い人として
どうもこの人たちがいるようだ、
という傾向が見えてくるだけです。

数値よりやるべきこと

この段階では単なる傾向、
「ピック作業がどうも遅いグループ」
に入っている人たち
ということでしかなので、

次に実態を
明らかにする必要があります。

本当にピック作業が遅いのか
を明らかにするということです。

それには、対象の作業者の
実際のピック作業を
観察する必要があります。

1回だけではなく、
場合によっては状況を変えて
数回観察する必要があるでしょう。

実作業を観ることで、
どこに時間がかかっているのか、
が明らかになります。

スキャナーの画面を
何度もチェックしているので
時間を要しているのかもしれません。

ピックを終えた後、
次のピック先を見つけることに
時間を要しているかもしれません。

ピック対象の商品の確認が
ゆっくりなのかもしれません。

ピック作業は結構早いけれど、
作業の遅いピック作業者が
その作業者の前にいることが多く、

作業効率が測定上は
悪くなっているのかもしれません。

測定した対象の作業を観察すると、
どこに時間を要しているのか、
そしてなぜそこに時間を要するのか、
ということが見えてきます。

実態が見えてくると、
どの部分を指摘すれば、
改善につながるということが
ハッキリと見えてくるでしょう。

作業が本当に遅い人には、
どの作業の部分が遅い
と伝えることができます。

そこを無駄なく、
安全、品質を落とさず早めるには、
どうやればよいのかを
具体的に指摘することができます。

具体的に指摘をされれば、
何をどう変えれば良いのか、
対象の作業者にも
わかるようになります。

あとは、やってみれば良いだけです。

 

無駄な指導かもしれない

あるいは。

作業自体は標準作業に沿っていて、
しかも早い。

数値が悪いのは
その作業者の前に
作業の遅い人がいるから、

あるいは、
作業者がピック作業を
たくさんやってる状況で
作業をやっている状況で
作業をやっているから数値が悪い

というような
環境によるからだとわかれば、
その作業者に作業改善の指導は
必要ないでしょう。

このような作業者に対して、
数値の結果から
作業改善の指導をしたとしたら、
プラスには働かないでしょう。

作業が遅いのではなく、
作業者が詰まっているからだ
と作業者は考えているからです。

その状況でなんで作業が遅いと
改善の指摘をされるのか
疑問に感じるでしょう。

実態も知らずに指導しているのかと
不信感を持たれるでしょう。

さらに、指導をしても
作業者に対する
改善の要素はほぼないので、

指導をする時間そのものが、
作業者にとっても、
指導する人にとっても
無駄になってしまいます。

「効率を高めたい」と考えて
作業の指導をしているのに、
実態は無駄な時間を浪費している、
という笑えない話が
現実に山のように起こっている
ということです。

やるか、やらないか

数値は傾向しか示さないので、
実際に改善を行うためには、
実態を観察する必要がある、
ということです。

観察を実行し実態を見ることで、
改善が必要なのか、
実際は不要で他の要因があるのか、
ということがわかるだけではなく、

改善が必要な人に対しては
どこをどのように改善するのか、
という点も明らかになります。

その部分を指摘、指導すれば、
改善することができます。

しかし。

多くの場合、観察をしません。

1回は観察をするかもしれませんが、
複数回おこなうことはまずしません。

手間がかかるからです。
時間を要するからです。

複数回行うことは
無駄だと考えるからです。

だから、手早く手に入る
計測した数値を信じて
指摘や改善指導を行います。

その結果、時間をかけても、
何も変わりません。

以前お伝えしたように、
逆に、望ましくない状況を
生み出してしまいます。

正直に言います。

考え、やっていることが
「ズレている」ということです。

本当に改善をしたいならば、
観察をして実態を知ることは
とても重要なことです。

手間と時間がかかりますが、
実施すれば具体的な改善につながります。

改善が具現化します。

数値だけをもとにして
手間をかけずに指導を繰り返し、
改善が進まない状況。

よくよく考えると、
却って時間が無駄になっている状況。

この状況に対して、

指導までの準備に時間は要するが、
改善が進む状況を比べたら、
あなたにとってはどちらが
望ましいでしょうか?

好ましいでしょうか?

どちらを選ぶかは、あなた次第です。

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