検討が成果につながらない(2):社員に考えさせ行動させる方法(6):マネジメント基礎講座

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

人が自ら考え行動するためには
3つの要素を揃えることが
重要な点をあなたと共有しました。

しかしこの3つの要素を揃えても、
検討を行い実施するためには、
2つの課題を解消する必要
がありました。

前回は1つ目の課題の中身と
解消する方法に触れました。

今回は2つめの課題と
その解消方法についてです。

【今回の内容の動画】
(動画再生時間:16分14秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

【前回までの関連する内容】
社員が自ら行動する3要素:マネジメント基礎講座
内容の動画(下の画像をクリック:14分40秒)

社員に考え行動させる方法(1):マネジメント基礎講座
内容の動画(下の画像をクリック:11分8秒)

自ら考える社員を選ぶ方法:社員に考えさせ行動させる方法(2):マネジメント基礎講座
内容の動画(下の画像をクリック:13分31秒)

「自ら行動!」をもたらす要素:社員に考えさせ行動させる方法(3):マネジメント基礎講座
内容の動画(下の画像をクリック:12分42秒)

「今すぐ行動!」のポイント:社員に考えさせ行動させる方法(4):マネジメント基礎講座
内容の動画(下の画像をクリック:13分13秒)

検討が成果につながらない(1):社員に考えさせ行動させる方法(5):マネジメント基礎講座
内容の動画(下の画像をクリック:14分57秒)

 

 

検討が停滞する

2つ目の課題は、
参加メンバーによる
議論の進め方のズレです。

事業について考えるとか
将来の姿と言われると、
考えや意見のある社員もいれば、

関心はあるけれど、
今まで真剣に考えていないし、

まとまった考えがその時点で
あるわけではない、
という社員もいます。

活動に自ら参加する
社員であっても、
その状況は人それぞれです。

この様な状況で検討を始めます。

課題のひとつ目の
解消方法として

前回あなたと共有した様に、
検討と実施に関する手順、
やり方を事前に用意したとしましょう。

この状況で検討を始めると
何が起こるでしょうか?

最初は意見が、
なかなか出ないものです。

意見が出たとしても、
バラバラの意見が出るものです。

そのため、
議論がおこなわれる
という状況にはなかなか至りません。

 

潰してしまう

あるいは、
参加者から意見が出たとしても、

その意見を他の参加者が
批判、否定してしまい、

険悪な雰囲気になるとか、
意見が出にくい状況に
なることが起こります。

意見を出す、議論をする、
考えをまとめることは停滞し、
検討が進まなくなります。

参加者の中には
リーダーシップを発揮して、

検討を進めよう、
停滞した状況を何とかしようという方も
いらっしゃるでしょう。

この考えや行動は貴重であり、
尊重すべき点はあります。

しかし。

この様な状況で
リーダーシップを発揮して
検討を進めると、

リーダーの意見に
引っ張られるか、

あるいは、
すでに考えのある人の意見に
引きづられます。

そして、
今までにすでにある様な意見に
集約される危険があります。

前回も挙げた様な

  • 教育ができていない
  • 社員を育てていない
  • このやり方が良くないからだ
  • 社内ルールが整備されていない
  • 社内ルールを守っていない

の様なよくあるけれど、
結局どうにもできない内容に
集約されてしまいます。

 

全否定の考え

今までよく出てきた既存の意見、
よくある考えの内容は、
両極端に振れる可能性がとても高いです。

ひとつの端は、
前回お伝えした様に、
現状の否定、現状の全否定の考えに
振れる可能性が極めて高いです。

「今、事業が伸びないのは、
この点がよくないからだ。

それをこっちの様に変えれば、
上手く行くはずだ」

という思考、意見を
社員自身が持っていて、

それをなんとか実現しようと
手を挙げている可能性が高いからです。

この意識が良い悪い
ということではありません。

状況が芳しくない
事業に取り組んでいると、

この様な認識、意識、考えに
なることが多い、
なり易いということです。

その結果、
現状否定から議論が始まります。

事業の状況が芳しくない、
事業の成長が滞っている場合、
この手の意見は
妙に説得力を発揮します。

現状否定、現状と逆の方向に
意見集約が行われる可能性が
極めて高いです。

検討活動により
事業のこれからに関して
まとめられる考えは、

現状の否定によって生じる
全く新たな、時には突飛な内容に
なることが多いです。

この様な経緯で出される
新たな考えを
すべて否定する訳では
ありませんが、

前回に触れた様に、
現状を否定することで、
今の事業の好ましい点も
失うことになり兼ねません。

すべてが新規の内容
ということも少なくないので、
実施するリスクが
高くなる場合も
少なくありません。

 

延長線上の考え

もう一方の考えは、
既存のありきたりの考え、
既存のやり方の
延長線上にある考えに
まとまることです。

今までのやり方を元に、
もっと注力するとか、
社員の教育をするなど、

今までの考えに
少し毛を生やした、
今までの考えを
少し詳しくした様な内容です。

直ぐに内容が理解できるし、
大筋合意できる内容です。

しかし実行するとなると、
今までと同じ様に、
やらず仕舞い、出来ず仕舞いになります。

実行しても、
今までの成果・結果と
同じ様なことになります。

 

検討が進まない原因

内容が適切かどうかではなく、
既に意見を持っている社員、
発言力のある社員、
ハッキリと意見をいう社員、

彼らの考えに
引きづられることが、
問題であり課題です。

議論する、考える、
新たに整理するのではなく、
既存の考え方に引きづられる。

このことは
両極端の意見に振れることから、

事業にとって好ましい点、
これから伸ばすことで
成果につながるかもしれない機会
を失います。

あるいは、検討の時間と労力をかけても、
実行に至らない、
もったいない、無駄な状況を
もたらしてしまいます。

考える。
意見を出す。
議論をする。

これらについて経験がなければ、
機会を設けても
結果にはつながりません。

経験があったとしても、
今までの経験では、
充分ではありません。

というよりも、

事業の目的、事業の将来像、
事業の戦略を考え整理し、
実施施策を考え実行し、
その結果を次に活かすには、

今までの様なやり方では
上手くいきません。

 

検討の場を任せる人

事業に関する考えがある、
考えをまとめることができる、
のでは充分ではありません。

適切な意見を引き出す方法。

出された意見を
否定することなく、
参加者で議論する方法。

参加者が納得しながら
自分たちが決めた意見として
整理する方法。

この点を実施できることが
必要であり、
検討を進めるためには
重要な点です。

単に会議を進めることができる、
ということではなく、

ファシリテーションができることが、
決定的に必要です。

特定非営利活動法人
日本ファシリテーション協会の説明によると
ファシリテーションとは:

人々の活動が容易にできるよう支援し、
うまくことが運ぶよう舵取りすること。

集団による問題解決、アイデア創造、
教育、学習等、
あらゆる知識創造活動を
支援し促進していく働きを意味する。

とあります。

自分の意見に集約するのではなく、
客観的に物事が
うまく運ぶ様に導く人のことです。

今回の場合に当てはめると、

事業の目的、事業の将来像、
事業戦略、実施施策、
実践、結果の把握について、

検討活動を客観的に
支援、促進する行為、行動
に当たります。

ファシリテーション能力がある、
という社員がいるならば、
その人を検討のチームに
何とか参画させ、
検討をリードする役割を託します。

検討するチームの中でも
その役割を明確にして、
その社員に検討の場を
仕切る様にしてもらいます。

 

仕切れるだけでは足りない

しかし、残念ながら、
ファシリテーション、

あるいは、

意見を引き出す、
それぞれの意見を集約しながら、
参加者の考え、意見として
まとめあげる、

この様な観点を学ぶ機会、
身につける機会は、
会社の仕事の中では
ほとんどありません。

ファシリテーションの
表面的なテクニック、技術は、
書籍などで知ることはできますが、

根本の観点を学び、
実地での訓練を
体験する場もありません。

例え頭で知ってはいても、
実践すること、
状況に応じて使い分けることは
容易にできるものではありません。

そして、もう一点、
このファシリテーションには
容易ではない点があります。

それは、
個々の検討内容を
意味と価値がある形で連携し、
議論、検討を進める方法に

知識と経験が必要だ
という点です。

単にファシリテーションが
できるだけでは、
実際の検討を進めることは、
容易ではないということです。

前回もお伝えしましたが、
検討の最初がズレると
それ以降の検討内容が
上手く整理できなくなること
と同じ様に、

検討の途中であっても、
検討内容の活用方法、
次の検討内容がずれると 、

検討の結果、実施した結果が
やはりズレてしまうからです。

 

適任者を探す

もちろん、社内で
このようなことができる
適任者を探すことも必要です。

少なくとも、今まで、
このような観点で社員を評価し、
適任者を探すことは
一切やてこなかったでしょうから、

今直ぐに該当者を
思いつかないことは、
当然あり得るからです。

社内で探すことで、
適任者が見つかる可能性は
少なからずあります。

充分とは言わないまでも、
これからのことを考えて、
可能性のある社員を
見つけ出せるかも
しれないからです。

 

外部の活用を考える

しかし、そうは言っても、
社内で適任者が
見つからないかもしれません。

素養は見込めるけれど、
知識や経験が足りないがゆえに、

実際の検討の場で
仕切らせるのは難しい、
酷だというケースは
少なくありません。

その様な時には、
事業の目的、事業の将来像、
事業戦略、実施施策を考え、
実行するという
一連の検討内容を実現できて、

かつ、

参加する社員にとって
価値を生み出す
ファシリテーションを
実施できる人を

外部から招くことも
選択肢の一つになります。

費用はかかりますが、
結局は安くつきます。

そのような人材がいない状況で
検討ができない状況を
避けることができます。

ファシリテーションが
できない状況で
検討を進めることで、

成果・結果にたどり着かない、
参加した社員の
意欲を削ぐ様なことに
なってしまいかねないからです。

もう一点、
ファシリテーションできる人材を
外部から調達すると、
あなたにとって可能性が広がります。

先ほど社内で見出した、
素養はあるけれど
知識と経験が充分とは
言えないだろう社員が、
成長する機会ができるからです。

ファシリテーションをする
外部の人から
学ばせれば良いのです。

ファシリテーションを依頼する
外部の人に、
チームやグループでの
検討、議論の際に、

該当する社員を
育てることをを依頼します。

該当する社員が
議論を仕切る機会を
設けるように依頼をすれば
経験の場を設けることができます。

事業に関する社員の意見を引き出し、
一部の社員の意見に
引っ張られることなく、

具体的で活用できる
事業の中身を検討し、
参加した社員の意欲を高めながら、

同時に今後を見据えて
ファシリテーションできる
人材を育てることができます。

一石二鳥にも三鳥に
することもできます。

このように考えれば、
外部の人的資源の活用は、
必ずしも高いとは
言えないでしょう。

要は考え方であり、
それに基づく活用方法次第だ
ということです。

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