「意思決定」の根本となる重要なこと:社長の発想・考え方(6)

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

社長、経営者として
知っておいた方がプラスになる
根本となる考え方、判断基準を

兵法書や戦略書、帝王学や
将としての心得などから紐解き、
マネジメントに活かすための
第6回目です。

前回から取り上げている
指揮官、リーダーの観点、
ポイントについて、

前回に引き続き
「統帥綱領」から取り上げます。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:11分23秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

【前回までの内容】
戦略を学び活用する意味:社長の発想・考え方(1)
内容の動画(下の画像をクリック:10分08秒)

成果は上下で合わせ手に入る:社長の発想・考え方(2)
内容の動画(下の画像をクリック:9分02秒)

成果のために最初に決めること:社長の発想・考え方(3)
内容の動画(下の画像をクリック:9分17秒)

成果を得るための情報の扱い方:社長の発想・考え方(4)
内容の動画(下の画像をクリック:10分47秒)

リーダーとして根本に必要なこと:社長の発想・考え方(5)
内容の動画(下の画像をクリック:12分00秒)

 

指揮の基礎

「指揮の基礎をなすものは、
実に指揮官の決心なり。

故に指揮官の決心は堅確にして、
常に強固なる意志を持って
これを推敲せざるベからず。

決心動揺すれば
指揮自ずから錯乱し、
部下従って遅疑す」

の様に記されています。

指揮とは決心を準備し、
決心し、決心を実行に移す作業
と捉えています。

そして、
指揮の根源となるものは
決心であるとしています。

決心はそれぞれのポジションで
大切ではありますが、
上位になる程その影響するところは
大きくなります。

富士山の頂上で
歩く方向をほんの少し誤ると、
静岡県に降りるはずが、
山梨県側に降りてしまう様に
影響が大きいことです。

 

やらずに済ます現実

経営、事業においては、
社長や経営者の方、
経営幹部による決心、決定は
なされているでしょう。

しかし、その決心、決定が、
中間の管理職や
一般社員にまで行き渡り、

それぞれのポジションで
適切な決定ができる様に
なっているか?となったら
いかがでしょうか?

それぞれが決定できる様に
もしなっていれば、

決定事項に沿って、
日々の業務が粛々と行われ、
結果が得られていることでしょう。

しかし。

実際には、指示した事柄、
いわゆる指揮したことが行われず、
ちっとも結果が出ない。

あるいは、そもそも
やらずに済ませている
などということが
たくさんあるのでは
ないでしょうか?

 

伝えているけれど

なぜこのようなことが
起こるのでしょうか。

先ほども述べたように、
指揮の中身、指揮の基礎となる決定、
決心の内容が、
適切に上位から下位に
伝わっていないからです。

上位から伝える時に、
「今期は、◯◯をやることになった」
と単純に言っているだけだからです。

「背景や状況を詳しく伝えている」と
あなたはおっしゃるかもしれませんが、

それは伝えているだけです。

聞いている側の社員が
その中身を理解しているのか、

理解をした上で
行動しようとしているのかは、

実際のところは
ハッキリしてはいない
のではないでしょうか?

あなたは伝えているけれど、
実際には伝わっていない。

この状況、状態に
なっているのでは
ないでしょうか?

 

別々ではなくセットです

軍隊の場合、
指揮すること、
それは命令なので、
従わざるおえない状況です。

経営、事業、会社においては、
指示はできますが、

軍隊のように
それで社員を動かすことが
できるのかとなると
そういうわけにはいきません。

指示に対して手を抜くことは、
難しくないからです。

手を抜いてもそこそこには
できてしまうからです。

そこには行動する人、社員の
仕事、業務に対する意欲・やる気が
絡んでしまうからです。

その点では、
決心、決定事項の伝え方、
その内容に沿った
行動を導き出す方法には
工夫が必要です。

指示したとしても、
対象となる社員の
仕事への意欲、やる気を
引き出す部分が存在しないと、

指示したことが、
実践に活かされないからです。

社員が実行する仕事の行動と
社員の仕事へのやる気は
セットになっています。

仕事の行動と
社員の仕事へのやる気が
関係なくそれぞれ別々に
存在しているわけではありません。

社員の仕事上の行動、
仕事に関して考えることと

社員のその仕事への意欲、
やる気を関連させて、
セットで引き出すことが
必要になるということです。

 

ドラッカー曰く

ピーター・ドラッカーを
あなたはご存知だと思います。

彼の発言の中に、
いくつか統帥綱領に
通じる観点の内容があるので、
それを挙げておきます。

・最高幹部(多くの場合は、社長であり、
経営者そのもの)の責任は、
意思決定と後継者の育成である。

→わかってはいても、
明確な意思決定を避ける、
取り組まないケースは
現実には多いものです。

・幹部は自分の仕事を
代行させてはならず、
自分でなくてもできる仕事を
自分でしてはならない。

→幹部は方向性を示し、実現できる様に
環境を整備することが役割です。
実務をやってしまうことが
本来の役割ではありません。

方向性は示したとしても、
それを社内に知らしめ、
実現する環境を整備し、
実現できる様にまでしている方は
現実には多くはありません。

「お前がやれ」の様に
指示するだけ、
なんてことが少なくありません。

・意見の不一致がない場合、
すなわち反対意見がない場合は、
決定をしてはならない。

→議論の途中に反対論が出ることはありますが、
多くの場合は、それを説得し、説き伏せ、
ほぼ最初の理屈で決定することは
少なくありません。

多少の反論はあっても、
ほぼほぼ反対意見のない中で、
決定をしていることが多いです。

どちらも本来の意思決定では、
適切とは言えないことばかりです。

・意思決定ができず、命令に従って
行動するだけの者には、
幹部の資格はない。

→何かというと社長の顔色を伺い、
社長に尋ね、決定を仰ぐ
経営幹部は、思いの外多いです。

これは経営幹部側の責任
だけではありません。

社長、経営者側も、
役員、幹部の意見を
聞く状況は作りますが、

結局のところは
抑え込んでしまっています。

役員会や各本部の会議であっても、
議論がされることはなく、
一方的に社長が発言している、
というのは、この状況を現している
典型といえるでしょう。

 

今回は、経営、事業に携わる
社長や役員、上位の管理職が行う
決心、決定について、
重要な点を整理しました。

決心、決定は、
それぞれのポジションで、
それぞれの役割として
求められるものであり、
行わなければならないことです。

だからこそ、
より上位の決定、決心は、
議論を経て、的確に
行われる必要があります。

それが実施できなければ、
そのポジションも会議も有名無実。

形だけで機能していない、
ということです。

上位で定まった決心、決定の中身は、
他の役職者や社員に、
伝わる必要があります。

「伝えた」ではなく、
「伝わる」ということです。

今まで様な方法では、
十分伝わっているとは
言えないでしょう。

 

意思決定をすること。

その過程において、
反対意見を十分検証するなど、
適切に行われていること。

決定した内容が、
社内に適切に伝わり、
理解されていること。

これが少なからず
実現できていないと、

実際の経営、事業としての結果、
経営、事業の目的の達成に近づき、

売上が伸び、
意欲ある社員が増える、
という状況は実現できません。

無料レポート