成果のためには指示しない:社長の発想・考え方(7)

こんにちは。

売上と社員のやる気を一度に伸ばす事を支援する
ウィズスマイル降旗(ふるはた)です。

社長、経営者として
知っておいた方がプラスになる
根本となる考え方、判断基準を

兵法書や戦略書、帝王学や
将としての心得などから紐解き、
マネジメントに活かすための
第7回目です。

前回から取り上げている
指揮官、リーダーの観点、ポイントについて、

前回に引き続き「統帥綱領」と
今回は「作戦要務令」からです。

【今回の内容の動画】(動画再生時間:10分12秒)

(BGMには、音楽素材MusMusの楽曲を使用しています)

【前回までの内容】
戦略を学び活用する意味:社長の発想・考え方(1)
内容の動画(下の画像をクリック:10分08秒)

成果は上下で合わせ手に入る:社長の発想・考え方(2)
内容の動画(下の画像をクリック:9分02秒)

成果のために最初に決めること:社長の発想・考え方(3)
内容の動画(下の画像をクリック:9分17秒)

成果を得るための情報の扱い方:社長の発想・考え方(4)
内容の動画(下の画像をクリック:10分47秒)

リーダーとして根本に必要なこと:社長の発想・考え方(5)
内容の動画(下の画像をクリック:12分00秒)

「意思決定」の根本となる重要なこと:社長の発想・考え方(6)
内容の動画(下の画像をクリック:11分23秒)

 

役立たない指示

まず、統帥綱領から。

「大軍団運用の考案を
策定するにあたりては、

軍の作戦線および
部下兵団に与うる作成方向を
特に重視せざるべからず。

すなわち大軍の統帥とは
一般方向を示し、
補給に必要な指示を与うるなり。」

 

「(現場から遠く離れた)
大本営(総司令部)の命令は
あまり役に立たず、

却って現地兵団の作戦を
妨害したことの方が多い」
とは、各国の戦史が
示しているところです。

いくら情報機能が発達しても、
戦線の状況、特に、人間心理の
微妙な動きはわからないものです。

前線から離れた総司令部の参謀が
机上プランで考え、やきもきし、
細かいことを指示をしても

それに沿って前線が動くもの
ではありません。

日露戦争の勝利を決した
奉天会戦で、勝機を作った
第三軍の乃木希典司令官。

のちに「聖将」と言われ
穏やかな人柄と言われる彼が、

総司令部からの通信線を
自ら命令して断ち切らせ、
前線に向かって進撃したそうです。

総司令部からの命令、指示の
煩わしさには耐えきれなかった
ということなのでしょう。

 

準備をしていますか?

進むべき方向を示し、
進むために支える準備が重要だ
ということです。

これは組織を運営する観点では、
経営、事業、ビジネスでも
同じことです。

ちょっと振り返ってみてください。

社長、経営者のあなたは、
経営や事業の方向性を
示してきたでしょう。

経営方針や経営計画、
事業計画などを説明し、

経営・事業で
どこに向かって進むのか。

そのために
今期はどうするのか。

ということを
社内に、社員に
説明してきたことでしょう。

では。

その活動を支えるための
後方の準備と実施の観点は
どうでしょうか?

 

方向を示すだけ

ここを目指して、
今期はこの様にする、
と決まったとしましょう。

今期行うことは

◯◯部門に
取り組んでもらうとか、

◯◯のチームに
取り組んでもらう、

と決めたとしましょう。

多くの場合、
◯◯部門、◯◯チームに
任せてお終いでしょう。

進捗を聞いて、
遅れていると叱る、怒る、
なんてことではないでしょうか。

うまくいっていなければ、

◯◯部門が抱えている
仕事の一部を他の部門に移して、
◯◯部門が取り組み易い様に
しているでしょうか?

◯◯チームに、
早い時期に人の補強を行い、
取り組みが進められる様に
しているでしょうか?

◯◯部門、◯◯チームが
取り組める様に
手を打っているでしょうか?

進むべき方向を示すこと
は行なっていたとしても、

進むために、
実動する現場、

経営の場合は
各部門やプロジェクトチームなどの
活動を支える準備、

活動できるように支えること
にまでは手が回っていないことは
少なくありません。

その結果、
現場側が取り組もうにも
実際には取り組めない、

一所懸命やったとしても
放置状態で潰れます。

これが繰り返されることで、
今度は指示が来ても、
できるだけやらないように
現場、社員側は
自己防衛を始めます。

その結果、
いろいろ指示をしているのに、
一向に進まない、
変わらない状況が
続いていきます。

 

独断の余地を与える

「作戦要務令」とは、
日本陸軍の一般将校に対する
指揮の具体的な教科書です。

この「作戦要務令」には、

「指揮の要諦は、
部下軍隊を確実に掌握し、

明確なる企図の下に
適時適切なる命令を与えて
その行動を律すると共に、

部下指揮官に対し、
大いに独断の余地を
与うるにあり」

とあります。

「確実に掌握する」
というもの至難の技ですし、

適時適切な命令により
律することも容易ではありません。

しかし、最後の節、
「部下に対し、
独断の余地を与える」
ということも
これまた至難の技でしょう。

指揮をする、
リーダーシップを発揮する、
となると、

とかく陣頭に立ち、
グイグイと引っ張っていくこと
と捉えがちです。

特に自分の腕に覚えがり、
部下が未熟でしかたなく見える時、
この傾向が強くなります。

しかし実際には、
自分が陣頭に立ち、
グイグイ引っ張ることで、

その時は物事が進むでしょうが、
部下は指示待ちになります。

部下が何かを言ったとしても、
結局、上司が指示をして
聞く耳を持たないので、

やがて気骨があって
意見を言っていた部下も、
何も言わ無くなります。

 

原因はどこにあるのか?

この状態を見て、
「うちの社員は主体性がない。
俺の指示待ちで、
ちっとも成長しない」

などと愚痴をこぼす
社長、経営者の方は
現実には少なくありません。

社員が意見を言わない。
社員が主体的に動かない。
社員が成長しない。

もちろん、
部下、社員自身の課題も
ありますが、

多くの場合、社長、経営者、
上位の役職者の考え、
行動に原因があることが
少なくありません。

部下、社員の考え、発言を
一度は受け入れること。

良いところは良いと
評価すること。

そして。

彼らの考えに対して
社長、経営者の考えを
上書きするのではなく、
一緒に作り上げていく

ぐらいの対応が必要になる、
と考えてください。

このような対応をするので
社員、部下は意見を言います。

自身で考え、
それを表明するようになります。

自ら行動するようになります。

部下、社員は失敗をしながらも
成長をしていきます。

その結果、
社長、経営者のあなたが、
口うるさく指示をすることなく、

社員が動き、
会社の状況が変わるようになります。

指示を出し続ける。

「社員に主体性がない、
社員が成長しない」と
愚痴を言い続ける。

会社が変わらないこと、
物事が進まないことに
イラつく、怒る。

この様な事を繰り返し、
続けていきますか?

それとも、
今、我慢をしながら
社員、部下が自ら考え行動する
余地を与えて、

彼らの成長、会社の変化、
怒りからあなたが解放される

という未来を手に入れますか?

あなたは
どちらを望むでしょうか?

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